#制作秘話
Column

老舗アパレル・ヤマダヤの「tsumuguの森プロジェクト」 森の恵みを届ける、クロモジギフトを通じた新しいつながり

FEATURED PEOPLE
登場人物
古宿 彰一
Shoichi Furuyado
株式会社ヤマダヤ 執行役員 マネジメント本部長
上西 勇毅
Yuki Uenishi
株式会社ヤマダヤ 未来創造室リーダー
松本 剛
Takeshi Matsumoto
ヒダクマ 代表取締役/COO
今井 瑞紀
Mizuki Imai
ヒダクマ 森のCMFデザイナー
鈴鹿 裕子
Yuko Suzuka
ヒダクマ 森を事業部 森のコマンダー
松山 由樹
Yuki Matsuyama
ヒダクマ 森へ事業部 森の翻訳者

Introduction はじめに

サステナビリティが企業に求められる中、取り組みに力を入れている業界のひとつがアパレル業界です。愛知県名古屋市に本社を置く、創業130年の老舗アパレル・株式会社ヤマダヤもそのひとつ。

同社のサステナビリティ推進を担う未来創造室では、岐阜県飛騨市神岡町にある自社有林の活用に取り組んでいます。

ヒダクマはパートナーとして、過去に店舗空間に飛騨の広葉樹材を活用した什器製作

を担当し、その取り組みをきっかけに、全国の店舗スタッフを巻き込んだ「tsumuguの森プロジェクト」が始動しました。

本記事では、2024年秋から2025年夏にかけて実施したプロジェクトと活動と成果をご紹介します。

「tsumuguの森プロジェクト」のはじまり

ヤマダヤの社有林「tsumuguの森」の活用可能性を探るため、まずは森に入ることからはじめました。

この森をこれからどのように活かしていくのか。その試行錯誤の段階から、ヤマダヤの社員や店舗スタッフの方々も関わり、2024年秋から活動がスタート。

全国の森の資源を活かした事例のリサーチやインプットを行いながら、社有林の未来を想像するアウトプットを重ねました。

社有林の可能性を知る、飛騨合宿。

2024年11月、ヤマダヤのプロジェクトメンバーが全国から飛騨に集まりました。

まずは、森の資源を活かした取り組みを行う飛騨の事業者を訪問するため、家具やプロダクト製作に取り組む「Oak Village」や「木と暮らしの製作所」を見学します。

ヤマダヤのスタッフからは、「森が持つ無限大の可能性に驚いた」という声が。木材という素材をひとつをとっても、それぞれの木持つ表情や樹種の特性によって使う場所や用途を変えたり、木の種類や部位に応じて家具や製作方法を工夫している点に魅力を感じたそう。

また、「木と暮らしの製作所」では染色を見せていただき、木を余すことなく活用している現場を実際に見ることで、木をそのまま使う以外のアイデアも生まれました。

秋の肌寒さを感じながら、FabCafe Hidaのホットサンドと暖かいスープ、クロモジ茶で温まりました。

プロジェクトメンバーにとってもはじめて訪れる「tsumuguの森」では、冬を迎える準備をしている森を探索しました。

秋口の寒さを感じながら、シーンと静まり返った静かな森が印象的。そんな中、落ち葉を拾い、秋の森にもさまざまな色があることに気づいたり、落ち葉を踏むとふかふかとした感触の心地よさを感じたりと、秋の森ならではのさまざまな発見がありました。

森からFabCafe Hidaに戻り「tsumuguの森」の未来を想像するアウトプットワーク

「Oak Village」「木と暮らしの製作所」、薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」で森の資源を活かす取り組みをインプットした後は、「tsumuguの森」の未来を想像するアウトプットワークをFabCafe Hidaで開催しました。

「0年後から100年後までの未来を描こう」ワークの様子。

100年後には、森と人とが共存する「tsumuguの森」へ…実際に森に入ったことで、自分たちが感じた森の可能性をもっと多くの人に伝えたい。自分たちが感動したからこそ、森の存在をより多くの方に知ってもらいたい。といった思いが生まれました。

世界中でSDGsや環境問題が取り上げられている中で、自分たちの普段の生活が森や自然と隣り合わせであることに気づいたという声もあり、参加者同士でそれぞれの気づきや思いを共有する時間になりました。

こうした気づきをもとに、この森を通じてお客さまと新たなつながりを生み出せないか考え、今後の活動内容・アイデアを出し合い、秋の飛騨合宿を終えました。

「tsumuguの森」の魅力を伝える。1歩目を考える

「tsumuguの森」の魅力を社内外へどのように伝えていくか。秋の飛騨合宿で描いた未来に向けて、雪で森に入ることができない期間を活かして翌年2025年2月にヤマダヤのオフィスで対面でのワークショップを行いました。

「誰に向けて」「どのようなことを伝えたいのか」を改めて整理し、今後の活動内容を具体化していきます。

活動タイトルを「tsumugu Rings」に決定。「tsumuguの森」に自生している香木のクロモジを活用した、サシェやアロマウォーターをお客様にお渡しすることで、「tsumuguの森」のSDGs活動をまずは知っていただくきっかけをつくることに。

そのゴールに向けて、「モノチーム」「コトチーム」に役割を分担しました。

「モノチーム」:サシェ製作全般を担当(外袋のデザインから素材の選定など)
「コトチーム」:活動を伝えるためのWebサイトやアンケートの作成を担当

ヤマダヤメンバーそれぞれの希望に応じてチームに分かれ、サシェやアロマウォーター製作に取り組みます。

「モノチーム」「コトチーム」で役割分担をした後は、オンラインで打ち合わせを重ねました。

オンラインでの打ち合わせでは、チームを横断して確認したいことを話し合ったり、各チームの進捗を共有しながら進めていきます。

クロモジを採りに新緑の「tsumuguの森」へ

オンラインでの活動を通して、社有林や飛騨で行いたいことを事前に整理し、待ちに待った新緑の季節へ。「tsumuguの森」の雪もすっかりとけた2025年5月。サシェとアロマウォーター製作のため再び飛騨合宿に訪れました。

サシェに使用する材料であるクロモジをみんなで採集。初めて訪れた11月には見られなかったクロモジの花を見つけるなど、季節ごとの変化を感じながらの作業です。

同じ場所とは思えないほど、昨年11月とは異なる賑やかな森の表情。ヒダクマの松本からは、「時期によって山や森はいろいろな装いを見せてくれる」という話もあり、季節ごとの森の魅力を感じます。

クロモジ見つけることが得意になったヤマダヤスタッフも

クロモジのアロマウォーターとその副産物として完成するアロマオイルの製作をOak Villageが担当してくださいました。

その際に、ヤマダヤの言葉で「tsumuguの森」やギフトの魅力を社内とお客さまに説明できるように、アロマウォーターとアロマオイル製作方法や使用方法についてレクチャーを受けました。

Oak Villageを訪問した後は、FabCafe Hidaに戻り、採取したクロモジの加工とサシェの製作を行いました。

クロモジの加工は、飛騨市の「ヒダスケ!」プログラムを活用し、ヤマダヤと飛騨地域の皆さんが交流しながら協力して進めました。
ヤマダヤは「tsumuguの森」という地域資源を自社だけで活用するのではなく、地域へ還元する形で貢献したいという思いを持っています。そうした背景のもと、飛騨市役所からの提案もあり、地域の方々と協働できる「ヒダスケ!」プログラムの活用に至りました。

作業をしながら、ヤマダヤスタッフが自社や社有林のことを地域の人に伝え、一緒に森でどんな活動ができそうかという会話が生まれていました

オリジナルギフト「クロモジサシェ」の完成

こうして「tsumuguの森」のクロモジを活用したサシェ・アロマウォーターが完成。
完成したサシェは、プロジェクトメンバーが所属する各店舗にて配布を行いました。

実際のお客様の反応を受けて、外袋をサシェ以外にも活用できる仕様にしたり、店舗にあるアロマオイルで香りを持続させたりと、各店舗のプロジェクトメンバーがそれぞれ工夫を重ね、こだわりを詰め込みました。

店頭ではクロモジの枝も展示。

お客様からは、枝を見てクロモジを知っている方や、「爪楊枝に使われている木ですよね?」といった声をかけていただく場面も。スタッフの間でも、クロモジを折った際に広がる爽やかな香りを楽しみながら、気持ちを切り替えたいときにぽきっと折ってリフレッシュしていたそうです。

ギフト製作をきっかけに「tsumuguの森」プロジェクトの社内への周知にもつながりました。

その後のヤマダヤの社内展示会ではサシェづくりのワークショップを開催し、取り組みの共有も行っています。

アパレル企業・ヤマダヤがつむぐ地域の未来

ヤマダヤのスタッフの方からは、「プロジェクトメンバーとして参加したことで、自分自身の体験をもとに、より具体的に伝えられるようになった」といった声がありました。
また、「話を聞いただけでは伝わらないことも、実際に体験したからこそ、お客様にも楽しみながらSDGsの取り組みに参加していただけるのではないかと感じた」と語ってくださいました。

現在も「tsumuguの森」プロジェクトは、2025年秋から新たなチームメンバーで活動中。今期はギフトチームとファニチャーチームに分かれ、それぞれの視点から新たなギフトの開発や、ヤマダヤ・森・お客様をつなぐ新しい取り組みを進めています。

今後の活動もお楽しみに!

ぜひヤマダヤの「Tsumugu rings Project」Webページや、全国の店舗を訪れてみてくださいね。

◾︎Tsumugu rings Project:
https://www.ymdy.co.jp/tsumuguringsproject/

◾︎ヤマダヤ Webサイト:
https://www.ymdy.co.jp/

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