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Column

「IFFT/ インテリア ライフスタイル リビング2019」に参加しました

Introduction はじめに

ヒダクマは、2019年11月20-22日の3日間行われた、国内最大級の見本市「IFFT/ インテリア ライフスタイル リビング」(会場:東京ビッグサイト)に出展しました。1日5,000人以上、3日間で合計16,000人が来場した本イベント。ヒダクマのブースにもたくさんの人が訪れてくれました。
ヒダクマの展示のタイトルは、「立米展(㎥)」。森で生まれて最終的なプロダクトとなるまでの過程で生じている「普段目にすることのない木の状態」をみなさんに知ってもらいたく、林業で用いられる単位「立米(りゅうべい)」のボリュームを集めて展示しました。

Writing:井上 彩(ヒダクマ) Photography:山口 謙之介(ロフトワーク)・井上 彩 

市場価値が高いものからゼロとされるものまで並ぶ様々な木の状態

「立米展」では、森で生まれて最終的なプロダクトになるまでの、「枝葉」、「小径木」、「用材」、「チップ」、「端材」、「おが粉」、「家具」という7つの木の状態を立米のボリュームで集めて展示。それぞれ活用先が見つからず、未だ価格をつけることさえむずかしいものたちです。それらを実際に見ていただくことで、新しい活用のアイデアや可能性を探りました。
これら7つの木の状態が、それぞれどのような用途でいくらくらいの価値があるのか、見ていきましょう。

「枝葉」

飛騨の森から採ってきた枝葉
来場してくれた方に枝を折って、香木・クロモジの香りを紹介する様子。ヒダクマが運営するFabCafe Hidaではクロモジティーも提供している

施業や運搬の邪魔になるため、搬出時に森の中に残される枝葉。時間が経てば次世代の森の栄養源になりますが、地面に多すぎても困ります。¥0〜/㎥

「小径木」

写真右が小径木。写真左は枝葉
カエデ、キハダ、ホオノキ、サクラ、ミズキ、ハンノキ、トチ、ブナ、シナ、ミズメ、クリの11種の小径木を展示

皆伐時に、または育てたい木の支障となるため伐採される小径木。一般家具用材がほとんど取れないので直径26cm以下は薪や枕木、パルプの原料になります。
小径木は現在は全てチップ・菌床になっていますが、少し前まで飛騨ではそれぞれ木ごとに建築用材や家具、鍵盤、箸などそれぞれの用途で使っていました。キハダは樹皮を漢方薬の原料として使っていたんだそう。¥8,000〜/㎥

「用材」

ヒダクマの木材在庫の一部を、そのまま会場に持ち込んだ
材はトチ、ナラ、ケンポナシ、ブナ、クルミ等様々

家具用材として製材された製品。約1年間天日乾燥後、人工乾燥機で含水率(木に含まれる水分の割合)を落として家具の主材料になります。¥200,000〜/㎥

「チップ」

サクラ、クリ、ナラ、ホオノキの4種類。香りと素材感を感じてもらいたいため、挽いてすぐの状態で持ち込んだ
このチップがホオノキストランドボードの原料になる

製材機の大きなノコで発生する木くず。丸太を切るたびにどんどん溜まり、バイオマスやパルプ、キノコの菌床の原料として使われます。¥15,000〜/㎥

「端材」

これらはほとんどが8月に納品した案件で出た端材
いくら歩留まりよく心がけてもでてしまうので、いつもあの手この手で消費している

家具製材の過程で、割れがある部分、耳(丸太の皮に最も近い部分)に近い部分、半端な長さの部分は切り落とされてどんどん溜まります。ボイラーやストーブの燃料となるかチップになります。¥5,000〜/㎥

「おが粉」

11月にヒダクマの木工房で溜まったもの
ヒダクマの木工房で出たおが粉は牧成舎(牛乳屋)さんに納めている。おが粉はジャージー牛のベッドになる。牧成舎さんの牛乳を使ったカフェメニューをFabCafe Hidaでは提供している

機械カンナや帯ノコなどで木材加工した時に発生するおが粉。集塵袋にどんどん溜まります。飛騨では牧場にいる牛の寝床になります。¥1,500〜/㎥

「家具」

展示で使用した家具は、様々な樹種の広葉樹で、手の触れる天板は無垢で、側面を薄板で作った
ホウノキのチップで作ったストランドボードや、突板、クリのノコ肌仕上げを紹介
ヒダクマが建築家やクライアントに提案する広葉樹の多様な表情を楽しめるサンプル。右手前・飛騨の森の広葉樹ヘリンボーンミックス、左手前クリ・ミズナラ・ブナのブナ科ミックス
会場にはヒダクマが関わり飛騨の広葉樹をつかったオフィス空間の写真も展示

幅の狭い木材でも薄い木材でも、木材なりで歩留まりよく家具を製作することができます。多様な樹種を使ったり、木目の混ぜ方を工夫することで面白くなります。¥300,000〜/㎥(価格は参考イメージ)

飛騨の森と人との関係を考える3日間

ヒダクマで、木材調達から設計・製造・納品まで携わっている木工房チームのメンバーが中心になって展示会場に立ちました。
展示された木に実際に触れていただけることでより木本来の魅力を感じてもらえたのではないでしょうか。
来てくださった方からは「この木を使ってこんなことはできないかな?」という色々な相談やアイデアをいただき、飛騨の広葉樹の可能性をより一層感じることができた3日間となりました。

おそろいのヒダクマユニフォーム
カッティングボードなどの商品開発を一緒に行ったパタゴニアさんのジャケット
イラストレーターのおはるさんにヒダクマ(飛騨)を一枚絵を描いてもらい、会場で配布した

展示までの道のり

奥飛騨開発さんから手配した直径18~22cmの小径木。生木なので重く重機で積んでもらった
4tトラックいっぱいに積み込んだ
ヒダクマの木工房で、追い込み作業中の製作メンバー

ヒダクマスタッフも注目する新しいオフィス空間のかたち

特別企画のOffice-Upは、テレワーク、シェアオフィス、コワーキングスペースなど多様なワークプレイスが増え、働く環境の充実化が加速する中、これからのオフィスのあり方を提案する場です。
中央のロングテーブルに沿って並ぶのは色んな会社が製作した素敵な椅子たち。自然と入ってワークできる雰囲気を持ったスペースでした。

このほか広い会場には、家具、寝具、ホームテキスタイル、照明、ガーデンファニチャー、食器、食品など商材のストーリーが伝わる高感度なデザインが勢揃い。また、生産時や流通時における残材を有効活用する、環境に配慮したデザインについて考えるイベントが期間中行われました。

『未来の働くかたちとは?』林千晶が「おでかけクリエイティブナイト」に登壇

11/22に行われたブランディングデザイナー・西沢明洋氏(エイトブランディングデザイン代表・ブランディングデザイナー)が聞き手となって、様々なクリエイティブの秘訣を探る「おでかけクリエイティブナイト」が特別出張。林千晶(ロフトワーク代表・ヒダクマ会長)が登壇しました。

ロフトワークができるまでの話から最初の仕事。そして現在手掛けるプロジェクトのひとつであるパナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーの3社が手を組みスタートした100BANCH(ヒャクバンチ)や、森と人との関係をデザインし、よりよいサービスをつくるヒダクマの取り組みを紹介。

「クリエイティブなんてお金にならない」「ベンチャーはやっても無駄」「大企業に戻りなさい」と言われていた頃から、その真逆といっていい価値観が10年後に定着し、今も変わり続けている価値観だからこそ「若い世代の声を、生かしていく」ことの重要性を語りました。

まとめ

IFFT/ インテリア ライフスタイル リビングにご来場いただきましたみなさま、どうもありがとうございます。そして見に来れなかった方にも、この記事で少しでも会場の雰囲気を感じ、飛騨の広葉樹の活用やヒダクマに興味を持っていただけたらうれしいです。
もし飛騨にお越しの際は、ヒダクマの拠点・FabCafe Hidaへお越しください。より飛騨の森や木の魅力を体感していただけます。
スタッフ一同心よりお待ちしております。

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ヒダクマでは、飛騨の森の広葉樹を使って、オフィスなどの空間・家具づくりや商品開発を行っています。木材の調達からプロトタイプ製作、製造から納品までトータルにサポートします。お問い合わせはこちら。

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