森を想起させる天井架構。「広葉樹の耳」を組木の工法で構造化したFabCafe Nagoyaの内装デザイン
Overview
小さな耳材が集まって、大きな屋根になる
名古屋市のHisaya-odori Park(ヒサヤオオドオリパーク)内にあるクリエイティブのコミュニティ拠点「FabCafeNagoya」の内装デザイン。広葉樹の持つ特性や独特な風合いを生かしつつ、「小さな材が組まれて大きなものを作り出す」というSUPPOSE DESSIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)の主たるデザインの方向性に対し、ヒダクマは端材の活用や工法を積極的に提案しました。天井架構は、有機的な形の耳材を用いることで、木の記憶を残しています。天井の意匠と連動した窓際ベンチや、ボリュームのある連続したルーバーが特徴のカウンターなど、細かな意味を持つディテールを積み重ねることで、飛騨の森に思いを馳せる空間を目指しました。
Project 端材を無駄なく活用しながら、デザインと構造を追求
What we did | 木材コーディネーション 家具設計・製作 家具製作ディレクション |
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Credits | クライアント:株式会社OKB総研・株式会社ロフトワーク 建築監修・内装設計・家具設計:吉田 愛・五十嵐 克哉・廣川 大樹(SUPPOSE DESIGN OFFICE) 木材コーディネーション・家具設計製作・家具製作ディレクション: 岩岡孝太郎・黒田 晃佑・浅岡 秀亮・門井 慈子・飯山 晃代(ヒダクマ) 製作・協力(順不同): 西野製材所、藤井家具製作所、やまもと建築、野中木工所、トキワランバテック、go-products、木と暮らしの制作所、オークヴィレッジ、カネモク 、飛騨職人生活、小倉鉄工、諏訪建築、はしもと建築、保木口建築、京左官、門前左官、山岸工務店、及川 幹(飛騨市・広葉樹活用コンシェルジュ)、とらまめ、飛騨市森林組合、野口ハードウェア、田中建築、Filaments inc. 竣工写真:長谷川 健太 |
Period | 2019年10月〜2020年09月 |
Viewpoint 「SUPPOSE DESIGN OFFICE」吉田 愛さんの視点
公園に対してあえて“屋根”という低さの制約を作ることで、カフェに滞在する人の意識を公園側につなげたいと思いました。小径木でこの空間をつくることで、建物自体の四角い工業的な空間から、公園の東屋にいるような、大きな木のしたで木陰から明るい外を眺めるような、居心地のよい空間へと変化させ、公園へと繋がる開放感を設計しています。
小さな材で出来る空間体験や、森の循環に還元する仕組みといった可能性のきっかけを生む場となればうれしいです。