《Boo》ブナの奔放さを愛らしさへと変える - Hidakuma Furniture
Boo
「Boo」の特徴として座面の厚みと背中にある取手があります。
座面の厚みはブナを薄く扱うのではなく、ある程度の厚みを持って製材した材料を使うことでブナの塊としての魅力とコロっとした可愛さを表しています。
また厚みを持たせることで構造的な補強材をなくし、シンプルな形として成立させることにしました。
これまでさんざん「ブナ、重いです。」と言われてきましたがその重さが安定感につながりつつ、気にならない程度に「ひょいと」持ち上げてどんな場所にでも動かせる気軽さを取手に込めて表現しています。
【Boo 製品情報】
- 樹種:ブナ(無垢材)
- 仕上げ:オイル仕上げ
- 設計・製作ディレクション:ヒダクマ
- 製作:木と暮らしの制作所
- 製材:やまかわ製材舎
- サイズ(mm):W336 × D336 × H496(SH400)
- 重量:約3.6kg
- 納期(目安):約6ヶ月
- 料金:¥85,800円(税込み)
- 送料:別途送料がかかります。配送地域により料金が異なります。
- 配送方法:飛脚宅配便
- ご注意:
※納期は目安の期間よりも長くなる可能性があります。つきましては納期の目処をメールにてお伝えします。
※ヒダクマでは、構造上問題のない節や木目をそのまま活かして製作しています。無垢材のため、一点ごとに木目や色味、節の表情が異なります。それぞれ異なる木の表情をお楽しみください。
※購入サイト近日公開予定
森の女王ブナの魅力を一脚に
自由奔放なブナの個性を活かすことを製材の厚みから考え抜き、愛らしい一脚に仕立てました。最大の特徴は、ブナの塊としての魅力を引き出した厚みのある座面。ブナ特有の明るい表情とコロッとした佇まいを活かしながら、シンプルな構造と安定感を実現しています。背もたれの取手で、ひょいと持ち運び身の回りのどこへでも。感じる重さからは手のかかる子ほど可愛い。そんな愛着を湧かせる一脚です。
日本屈指の森林面積を誇る飛騨市。一般に木材として知られているスギやヒノキといった針葉樹だけではなく、ミズナラやブナを主とした広葉樹の森が広がっています。森の中での立派な立ち姿からミズナラは木の王様。どこか柔らかな立ち姿のあるブナは森の女王と呼ばれることもあります。
隣接する高山市を中心に、飛騨地域は家具の産地として知られています。その発展の裏には、かつて「木に非ず(橅)」と書かれるほど材料として狂いやすいブナを、曲げ木と乾燥技術に取り組んだ地域の挑戦がありました。ヒダクマでも、そんな飛騨にゆかりの深いブナのことを気にかけプロダクトの開発に望みました。
手のかかる子ほど可愛い
ブナとの付き合いにおける最大の難関は、その圧倒的な「狂い」です。コンマ数ミリの精度が求められる木工の世界において、毎日の温度や湿度の変化によってミリ単位で変形するブナは生物材料としての木をよく体現してくれている一方で、製品を届けるメーカーや職人にとっては簡単にいかないと思わされる素材。かつてヒダクマでもテーブル天板にブナを活用した際、強力な反り止め金物をも嘲笑うかのような巨大な割れが発生し、「最初から溝があったのでは?」と疑うほどの変貌を遂げたこともありました。

活用する度に「ブナがまた反りました」「ブナが割れたようです」「ブナがしわしわで木取りできないです」「ブナ、重たいです」という連絡が何度も入ります。ヒダクマ内でも「ブナ、またお前か…」という雰囲気が漂う始末。しかし、森での美しい立ち姿や、どこか愛嬌のある質感を前にすると、どうしても嫌いになれません。自由奔放さに振り回されながらも、いつしかヒダクマではブナを「ぶ〜ちゃん」という愛称で呼ぶようになりました。

(ヒダクマ門井によるブナのキャラクター化 提供:博展)
ブナの輝く表現を探して
何度もブナに泣かされながらも、「この変形しやすさは個性であり、ブナは悪くない」と考えるようになりました。無理に矯正するのではなく、変形しづらい設計や、その表情と質感を活かせる形を見つける。ぶ〜ちゃんにスポットライトを。
考え着いたのが、広い面を持つ「板」ではなく、厚みを確保できる「脚もの」としての活用です。材料を細かく分割して木取りすることで、変形のリスクを最小限に抑え、ブナ特有の明るい表情やコロっとした可愛らしさを引き出そうと試みました。かつて北海道中川町とのプロジェクトで誕生した「仔牛stool」を原型に、ブナの奔放さを愛らしさへと変える、小さな椅子づくりが始まりました。
ブナに寄り添う製作
製作をともにしてもらったのは、高山市国府に拠点を置く「木と暮らしの制作所」です。以前も仔牛stoolをつくってくれたご縁もありますが、様々な樹種や一枚一枚の木に深い愛着を注ぐ彼らなら、奔放な「ぶ〜ちゃん」の個性を必ず活かしてくれる。そう信じて相談を決めました。
「椅子は後ろ姿の美しさが肝心」と説く松原さんや、現場で細かな強度を担保するためのアドバイスをくれる阿部さんとのやり取りの中で、かつてヒダクマが特注した工具が再登場するという嬉しいご縁もありました。飛騨の森の規格に合わせた無理のない製材の厚みを検討し、森との関係の中での再現性も重視。ブナの魅力を引き出す試作と強度試験を通して、家具としての確かな品質と、森のブナへの想いを両立させた「ブナのための小さな椅子」が形づくられていきました。
どんぐりを拾いに飛騨の森へ
最後に、このスツールを手に取られた方には、ぜひ飛騨の森でぶ〜ちゃんの美しい立ち姿、森の女王として豊富などんぐりを森に振りまく姿を見に来ていただければと思います。
ヒダクマでは定期的に森の山観日を行なっています。スツールは持ち運べるサイズ感なので一緒に森に入っても良いかも知れません。






