はじめに、飛騨市林業振興課の砂田貴弘氏から、FSC®︎認証材の飛騨市内での流通について説明がありました。今回認証を取得したのは、飛騨市の所有する森林約6,200ha。市が委託した事業者によって伐採された広葉樹は、中間土場を経て西野製材所で製材・乾燥後、ヒダクマが加工し、FSC®︎認証材を使った製品として出荷されます。

FSC®︎-FM認証を取得した飛騨市、CoC認証を取得した西野製材所、ヒダクマの代表より、それぞれの認証取得に対する思いや、これからの地域での取り組みに対する意気込みが語られました。

飛騨市 都竹淳也市長のコメント
「西野製材所・ヒダクマとともに川上から川下までの認証をいただけたことを嬉しく思っている。審査は多岐にわたり、さまざまな項目を審査いただいた。今回の認証取得は、広葉樹のまちづくりの取り組みとして、広葉樹に新たな付加価値をつけるという目的を持っているが、審査を通じて現代において行政や企業が取り組まなければいけない内容であると感じた。継続してチェックをいただきながら、責任ある立場としての役割を果たしていきたい。」

西野製材所の西野真徳氏のコメント
「昔は飛騨市にもたくさんの製材所があったが、大型工場化による淘汰で地域の製材所がなくなっている。そんな現状の中で、我々の使命は、地域の資産を小さいながらも大切にすること。そして付加価値をつけて販売することで森に利益を還元し、森を守っていくこと。FSC®認証というブランドを活かしながら、持続可能な広葉樹の流通を確立させていきたい。」

ヒダクマの松本剛のコメント
「ヒダクマではこれまで、通常の流通や規格から外れてしまう広葉樹を価値化することに取り組んできたので、正直、厳しい規格運用を求められるFSC®認証には適さないのではないかと思っていた。しかし、FSC®認証制度の森林を適切に管理しながら利用し続けたいという根本は同じ。これまでのやり方にとらわれず、飛騨市と西野さんからのチェーンをつなぎ、さらにレベルアップした地域での広葉樹流通・活用の構築に挑戦したいという想いで認証取得に至った。ヒダクマが創業し、飛騨市の広葉樹のまちづくりが始まって10年目に入る。これからも地域のみんなと力を合わせて飛騨市の森林の持続的な活用と保全に向けての取り組みを進めていきたい。」

FSC®認証は環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みです。持続可能な森林活用・保全を目的とした「適切な森林管理」の認証（FM認証）やその森林を供給源とした認証材の流通を証明（CoC認証）するなどの国際的な制度。このほかヨーロッパを中心としたPEFC認証、日本独自のSGEC認証などがありますが、FSC®認証は世界で最も信頼度が高い森林認証と言われています。

※CoC認証取得者においては、取り扱う木材が全て認証材となるものではなく、森林認証取得者を通じて認証森林から供給される認証材とその他供給源由来の木材を取り扱うこととなります。

FSC® JapanのWebサイト：https://www.jp.fsc.org/jp-ja/Types_of_Certifcate

飛騨市広葉樹のまちづくりでは、市内の多くを占める広葉樹林の適切に管理し価値ある広葉樹を育てること、細く曲がった木に新しい価値を生み出し、広葉樹活用体系を確立させることを目指し、地域一体で取り組んできました。今回国際的に認められた認証の取得に伴い、地域一体となった森林の管理と広葉樹の価値化に取り組んでいきます。

ヒダクマFSC®︎-CoC認証ライセンスコード：FSC-C197357

FSC®認証材を使ったものづくりに関するお問い合わせはこちら。