もっと森をひらくために。「来福の森」の看板製作と森の道の再生ワークショップ
Overview
森に入るための第一歩は道づくり。訪れる人の目印となる看板製作も
森で過ごす時間を豊かにするための道具を収納・貸し出しする「道具番屋」が2025年夏に完成し、福地温泉にある来福の森がひらかれました。その秋、森の中の資源を使って大工や茅葺き職人、全国から集まった方々と笹葺きの東屋を作り、森の中にも居場所ができました。
この森の奥には、かつて集落を襲った大火の後、「二度と火災が起こらないように」と地域の人が建てた「火と風」の神様の祠があります。「来福の森を訪れる人が祠まで行き来できる道をつくりたい」と山主の大橋さんから相談を受けたヒダクマは、みんなで道をつくるワークショップを企画・運営しました。
この森の道づくりに使った道具は、小さなスコップ。奥多摩町や青梅市で土の中の水や空気の流れを整えながらの道づくりを行うメグル水講座の後藤めぐみさんに、道づくりの考え方から教わりながら、各地から集まった参加者とともに道づくりを2日間行いました。
後藤さんによるワークショップが終わった後も道づくりは続き、後藤さんから教わった道づくりの手法を、今度は山主の大橋さんが地域の人にレクチャーしながら、祠までの道をつなげました。
森をひらく中で、さまざまな人が来福の森を訪れます。はじめて来る人にもひと目ですぐにわかるように、目印となる木製看板の製作も行いました。
福地温泉の各旅館と新たにできた道具番屋の両方に馴染むよう、各旅館の雰囲気に馴染むデザインにしつつ、看板の樹種には道具番屋に使用されているキハダを、柱と屋根にはヒノキを採用しました。
雪に埋もれない看板の高さ設定や、凍結深度まで基礎を打ち込むなど、冬の積雪を考慮した設計になっています。来福の森では夜に映画上映のイベントが毎年行われるため、夜でもわかるようにライトも設置しています。
看板にいる来福の森のキャラクターのグリーとベビグリが、森を訪れる人々を温かく迎えてくれます。
Project 入り口の看板と小さなスコップで行う道づくりで森をさらに開く
| What we did | ワークショップ企画・実施・運営 森の入り口の看板製作・ディレクション |
|---|---|
| Credits | 森主:大橋 司(新岐阜興業) ワークショップ設計・運営:松本 剛・松山 由樹(ヒダクマ) ワークショップ講師:後藤めぐみ(メグル水講座) 道づくり:上記全員+「スコップひとつで行う森の道の再生ワークショップ」参加者の皆さん 看板製作ディレクション:安達彩佳・二方 紗耶(ヒダクマ) 原案:ツバメアーキテクツ 設計:二方 紗耶(ヒダクマ) 看板施工:田中建築 基礎:丸藤工業 電気設備:MIYAJIMA 板金:永瀬板金工業所 森の中の映画上映写真:ヒメシャラ映劇/付加付加工作 |
| Period | 2026年8月-2026年9月 |
Viewpoint 新岐阜興業株式会社 大橋さんの視点
今回の道づくりは、2010年に福地温泉の老人会が描いた構想から始まっています。温泉街を見下ろす祠までの道を整え、故郷を思う心を孫子へ残し、訪れるお客さまにも歩いてもらいたい――。その道が「来福の森」を通ることから、16年の時を経て実現することができました。地元の皆さんも加わり、道は祠までつながり、傷んでいた祠の屋根も修復されました。今回、二つの祠のどちらが「火」でどちらが「風」の神様なのか分かったのも嬉しい発見です(よく見ると分かりますよ)。道はつながりましたが、ここにも階段を、ここはもう少し広く、とやりたいことは尽きません。これからも季節を楽しみながら、みんなで少しずつ育てていきたいと思います。森の仲間たちをかわいらしく看板にしてくださったヒダクマの皆さんにも感謝です。新しい看板とともに、来福の森が皆さんを温かくお迎えします。





























