森の中で資源調達からはじめる野生の建築ワークショップ。奥飛騨温泉郷「来福の森」の東屋
Overview
みんなでつくる森の東屋
「道具番屋
」によってひらかれた温泉街の入口の「来福の森」。今度はこの森で収穫された資源で東屋がつくられました。大工と茅葺き(笹葺き)の職人チームとともに、ワークショップ形式で道具の使い方や資源の活かし方を一つずつ学びながら、全国から集まった参加者の皆さんと協働して建てられた建築です。
夜には一日の作業を労う宴が催され、朝起きるとまた静かな森の中へと向かう。かつてこの地で行われていたかもしれない、森仕事・山仕事を追体験するような数日間でした。
笹葺きの屋根が完成して、「笹が薄くなってきたらまたここで刈って屋根に差し込めがいい」と、茅葺職人の藤原タクマさんに説明された森主の大橋さんが、満面の笑みで「便利だね」と言ったのがとても印象的でした。
電気も水道もない、町に住んでいるとある当たり前がない森の中、それを不便と感じるのか、何かに利用できる資源がすぐそこにあって便利と感じるのか、森の捉え方が変わった瞬間でした。
屋根のてっぺん、棟の上には土を載せています。雪解けした春、飛来した何かの種が芽吹くかもしれません。はたまた、この森のお気に入りの植物を誰かがこっそり植えるのかもしれません。
日中は森を楽しむ人たちの木陰になり、夜には動物たちがここで雨宿りをするのかもしれない。森の資源から生まれた東屋によって、人と森との距離がまた一歩近くなりました。
Project 大工と茅葺き職人と建築家と山主と一緒に、森の中の素材でつくる
| What we did | ワークショップ企画・実施・運営 プロジェクトマネジメント |
|---|---|
| Credits | 森主:大橋 司(新岐阜興業) 設計:千葉 元生・木原 葉子(ツバメアーキテクツ) ワークショップ設計・運営:松本 剛・岩岡 孝太郎(ヒダクマ) 大工チーム:松本 寛司(山と小屋建築舎 hütta)、濱田 伊吹(きとつちのいえ 素)、深田 康介(botaya)、塩嶋 稜一(建築屋 悠) 笹葺きチーム:藤原 タクマ・品田 奉徳・横路 健勝・峐下 康一(土還) 製作:上記全員+「森の中で資源調達からはじめる野生の建築ワークショップ」「茅葺き職人とやってみよう、森の東屋の茅葺き作業(森フェス)」参加者の皆さん 協力(はざ棒提供):サノライス、宮腰タイヤ 写真:ヒダクマ |
| Period | 設計:2025年8月-2025年11月 建築ワークショップ:2025年10月 笹葺きワークショップ:2025年11月 完成:2025年11月 |
Viewpoint ツバメアーキテクツ 木原さんの視点
この東屋は、森の環境を整える過程で生まれた資源を活かして作られました。森を覆い尽くしていたクマザサは、鎌や刈払機で刈り、丁寧に束ねて屋根材に。安全のために伐採された「危険木」は、東屋の骨組に活用しました。
重機が入れない森で、大工のかんじさんや茅葺職人のたくまさんたちに教わりながら、土堀りから皮剥き、屋根葺きまで、すべてを人の手で少しずつ作りました。突然の雨や私たち素人の不慣れな作業で予定より日数はかかりましたが、福地に雪が降る前になんとか完成することができました!
完成した姿は来福の森から生まれた新しい生き物みたいで、かわいくて愛着が湧きます。激レアな熊笹の花の発見や余った材料で作った立ちかまどでの焚き火も含め、森で過ごす時間を楽しめました!





























