循環型のライフスタイルを提案する複合施設「トトン」。コワーキングスペースを構成するアップサイクル家具
Overview
捨てられる家具を循環させ、サステナブルな暮らしをつくる。富山の家具店米三の挑戦
2022年9月、富山県の家具店である株式会社米三は「捨てるをまわす、くらしをつくる」をコンセプトに、モノの循環を体験・体感できる複合施設「トトン」をオープンしました。きっかけとなったのは、家具店である米三が納品する時に持ち帰るたくさんの回収家具。使える状態の家具が、どんどん廃棄されてしまう。そんな状況から新たな家具の循環を生み出そうと、これからのライフスタイルを提案し、様々な資源循環を体感できる複合施設としてトトンは誕生しました。家具工場に併設するリペア・ DIYスペースや、ショップ、カフェ、コワーキングスペースがあるトトンでは、「作る」「買う」「食べる」「働く」を通してサステナブルなものづくりや暮らしを身近に体感できます。
ヒダクマはサステナビリティに関心のあるクリエイターやメーカーが集まるコワーキングスペースの家具の製作ディレクションを担当しました。コワーキングスペースの家具は、同社の回収家具をアップサイクルして製作。同施設の取り組みの象徴となる循環を形にし、ここで働きながらサステナブルな暮らしを体現できることを目指しました。
現在、トトンとヒダクマは飛越エリア(富山と飛騨地域一体を指す)で活動する「人」にスポットをあて、活動やアイデア、想いを互いにシェアするネットワーキング&プレゼンテーションイベント「飛越暮らしのMeetup」を共同で企画・運営しています。飛越エリアを拠点とした「暮らし」にまつわるプロジェクトがトトンを起点にはじまっています。
Project 回収家具をアップサイクルし、家具製作
What we did | 家具製作ディレクション |
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Credits | クライアント:株式会社米三 家具デザイン:dot studio一級建築士事務所、門井 慈子、黒田 晃佑(ヒダクマ) 家具製作ディレクション:岩岡 孝太郎、門井 慈子、黒田 晃佑、浅岡 秀亮(ヒダクマ) 家具製作:藤井家具製作所 写真提供:トトン |
Period | 2021年10月~2022年8月 |
Viewpoint 株式会社米三 増山武さんの視点
トトンは、計画当初では今の姿は全く想像できなかった。
米三は、嘉永元年(1848年) 創業で、もとは米や穀物の商いをしており、漆器店を経て、現在は家具店の他、リフォーム事業や公共物件の家具導入など事業の多角化を行っている。時代と共に業態を変化してきた米三が、トトンにチャレンジをしたきっかけは、環境配慮の高い家具のプラットフォームをつくり、ニ次流通マーケットに挑戦することだった。最初のふわふわとしたアイデアが、ヒダクマさんや建築家やグラフィックデザイナー、コピーライターなど様々な人たちと一緒に作り上げる過程を経て、思考の積み重ねが現在のトトンを創った。トトンを訪れる人たちが、「捨てるをまわす暮らしをつくる」ことに触れ、暮らしを楽しむことを期待している。