「ストランドボード」が示す、広葉樹マテリアルの新たな可能性
Overview
変幻自在のボリュームと地層的なテクスチャー
2020年11月に竣工したリノベーションマンション「リノア北赤羽」は、住民同士が交流を図れる共用施設が特徴。この空間を建築設計事務所ツバメアーキテクツが設計し、ヒダクマはシェア型店舗と集会室の家具を製作しました。
店舗家具の素材には、細かく切削した木を接着剤で成形した木質素材「ストランドボード」を採用。岐阜県各務原市にあるエスウッド社が開発した同素材は、木そのものとは異なる風合いの、環境に優しい木質素材。薄いストランドボードを積層させて製作した家具は、木材の制限を越えたスケールと、地層のような表情を見せます。
集会室に設置された長さ3mのジャイアントテーブルの製作は非常に難易度が高く、広葉樹8種の角材でつくった巨大な円形の木塊を、多軸CNCで3次元加工しました。
Project 断面を見せる手法、3次元的に設計する手法
What we did | 木材コーディネーション・家具設計製作・家具製作ディレクション |
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Credits | クライアント:株式会社リビタ 内装設計:ツバメアーキテクツ 木材コーディネーション・家具設計製作・家具製作ディレクション:岩岡孝太郎・浅岡秀亮(ヒダクマ) 製作:藤井家具製作所、株式会社アーティストリー、go-products、株式会社エスウッド |
Period | 2019年7月~2020年2月 |
Viewpoint ツバメアーキテクツ 共同代表 千葉元生さんの視点
「リノア北赤羽」の共用部は、パブリックとプライベートを隔てる中間的な領域というよりも、住民にとっては家の拡張として使える場所であり、地域の人にとっては街の一部のような場所にしたいと思いました。特に家具は、家の中にはないようなみんなで使える大きな家具とし、同時に、触れやすく、手垢が残るような柔らかい物にしました。
小さな木材を様々な方法で集合させることで、独特な表情、形を生み出しているそれぞれの家具。森からおりてきた木々がこの場所で再び集まって、人びとの活動をサポートしてくれている、そんなイメージです。