100枚の板と向き合い、人とミツバチと森との関わりを表現。堀養蜂園のカフェ「蜜や」のための飾り天井と家具
Overview
ミツバチが飛び回る豊かな森を感じるカフェ空間。
国産100%にこだわり、非加熱非加工で完熟させたハチミツを販売する堀養蜂園が運営するカフェ「蜜や」。堀養蜂園の想い、ハチミツの魅力を最大限伝えられる空間とはなにかを追求し、辿り着いた素材が広葉樹でした。
ハチミツと広葉樹は、実は互いに欠かせない存在。蜜源植物(ミツバチが蜜を集める植物)となる樹種が、飛騨で家具づくりに利用される樹種と重なるという運命的な共通点の発見から空間設計がスタート。
空間・家具の設計を担当したのは、建築家の矢萩智さん。ヒダクマは蜜やにふさわしい材料のコーディネーションや家具のディテール設計を手がけました。
ヤマザクラやニセアカシアといった堀養蜂園のハチミツとしてラインナップのある樹種を中心に構成。店舗としての機能的導線も配慮しつつ、ミツバチが飛び回る豊かな森を感じられるような空間に仕上げました。
Project 広葉樹の表情豊かさと店舗導線の機能のバランスを追求
What we did | 製作ディレクション 木材コーディネーション |
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Credits | クライアント:堀養蜂園 設計:矢萩智(SYA+Kamikami) 製作ディレクション、木材コーディネーション、家具ディテール設計: 岩岡 孝太郎、浅岡 秀亮(ヒダクマ) 施工:板垣建設 製作:goーproducts 協力:堀養蜂園(蜜蝋提供) |
Period | 2021年3月〜8月 |
Viewpoint 建築家 矢萩智さんの視点
採蜜に使用する樹種の板を天井と壁面に浮かべることで、蜂が飛ぶ森の中にいるような、風景を感じる空間をイメージした。天井の木の板が反射する窓を通して、蜂蜜を精製する採蜜室が見学できる空間構成とした。1mと2mの長さの木の板を並べた4列を基本ユニットとし、天井と壁面に連続させた。壁面の板の裏に照明を設けて、商品がハイライトされるよう計画した。老若男女が訪れ、森の恵みである蜂蜜と木を享受できるあたたかな空間になるよう願っている