組み合わせて広がるコミュニケーション。エシカルを追求した「つながるつくえ connec®」
Overview
自然素材の不確実性を尊重し受け止めるデザイン
人造大理石の工場端材、飛騨の森から産出する少量多樹種の広葉樹、廃棄しても生物分解され土に還るリノリウム。六角形のテーブル天板に採用されたのは、より良い資源循環を促すポテンシャルを秘めた貴重な素材たち。このユニークなつくえは、様々な空間づくりを手がける株式会社船場のエシカルデザインによる家具「つながるつくえ connec®」です。
ヒダクマと船場は広葉樹を使った天板製作に際し、樹種ごとの産出量が毎年異なる広葉樹林業と安定的な製造フローを両立させるため、デザイン段階からディスカッションを重ねてきました。木目も色もアニュアルに不確実な変化をみせる、広葉樹という自然素材の特性をポジティブに受け止めるデザインに仕上がっています。
六角形が意味するところは、自然素材に対する寛容さだけではありません。シーンごとで異なる最適なつくえの組み合わせによって、より活発なコミュニケーションが生まれます。また、パナソニックグループが製造する、キッチンカウンターの素材となる人造大理石の工場端材を用いたラインナップなどとの組み合わせによって、異なる素材の魅力を引き立てるのもよいでしょう。ものづくりのプロセスと使用者。「つながるつくえ connec®」はその双方にとっての好循環の起点となっています。
Project 多彩な人やシーンに合わせて自由自在
What we did | 木材コーディネーション 製作ディレクション(広葉樹天板) |
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Credits | クライアント:株式会社船場 設計・デザイン:株式会社船場 木材コーディネーション:志田 岳弥、岩岡 孝太郎(ヒダクマ) 製作ディレクション(広葉樹天板):岩岡 孝太郎(ヒダクマ) 天板製作:白鳥林工協業組合、飛騨無垢屋 写真提供:株式会社船場 |
Period | 2022年3月~2024年4月 |
Viewpoint 株式会社船場の櫻井 利芳さんの視点
EAST事業本部 統合戦略室
きっかけは、ある学校のリノベーションで、対話学習のための机を提案したことでした。様々な角度でつながるつくえが、相手との心地よい距離感をつくります。
商品化を目指す中で、一緒に取り組むパートナーが増え、多様なシーンで利用できるよう改良を重ね、現在のデザインに辿り着きました。新たなアイデアが生まれたり、できることの幅が広がったりする「共創の面白さ」と、安全性や機能性だけでなく、収益性等まで考慮しなければならない「ものづくりの難しさ」を実感したプロジェクトでした。
社会で価値化されていない素材の魅力を伝えるものづくりが世の中に広まることで、それぞれの産業が抱える課題の解決につながる。そして、家具を通して生まれるエシカルな関係が、未来にやさしい空間をつくると考えています。