新たな共創・公共の場「Common Nexus」のイベント・展示空間をつなぐKIOSK
Overview
統一感の中に見え隠れする、木やタイルの質感
名古屋大学構内に、2025年夏オープンした新たな共創・公共の場「Common Nexus(ComoNe・コモネ)」。ヒダクマは館内のKIOSK(小さな売店)の施工・製作ディレクションを担当しました。
館内には、キッチンや本棚のほか、イベントや展示に使用される可動性の高い多様な什器が集まっています。KIOSKもその一部として設置され、飛騨産業が手がけたダークブラウンカラーの展示什器と呼応しながら、フロア全体に統一感を生み出しています。
KIOSKは屋根と外装・収納機能を兼ね備えた箱型の什器です。機能的な方向や角度で配置され、来場者が売り場やスタッフの位置がわかりやすいデザインになっています。什器の外装には、ヒノキのチップを圧縮したランダムストランドボードを採用。木調の表情を残しながらも、近づくと素材の質感を楽しむことができ、淡いライトグレーの塗装が館内全体のトーンと調和しています。
什器の扉内部は、機能ごとにComoNeのロゴカラーで色分けされており、扉を開くとカラフルな色が現れる仕組みです。レジ部分には愛知県常滑市の水野製陶園によるタイルを使用。KIOSK内でもひときわ表情豊かで、来場者が自然とレジを識別できるよう工夫されています。
屋根の天井は滑らかな左官仕上げになっており、素材ごとの異なる表情を感じることができるKIOSKとなりました。
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Project 外装と収納機能を兼ね備えた箱型什器
| What we did | 施工・製作ディレクション |
|---|---|
| Credits | 企画・クライアント:国立大学法人東海国立大学機構 プロデュース・プロジェクトマネジメント・空間ディレクション:ロフトワーク KIOSK店舗設計、展示什器デザイン・設計:アンビエントデザインズ 製作ディレクション:岩岡 孝太郎、今井 瑞紀、江上 史都(ヒダクマ) 製作:山口木工所、板垣建設、飛騨産業 竣工写真:楠瀬 友将 写真3・4枚目:ロフトワーク 建築デザイン・設計:小堀哲夫建築設計事務所 |
| Period | 2024年09月-2025年06月 |
Viewpoint アンビエントデザインズ 石黒さんの視点
ComoNeの空間は全体としてはマッスな印象がありながらも、近づくと異なる素材の肌理が散りばめられていることがわかります。
KIOSKもComoNeの空間の一部となるように、直方体というマッスでありながら、近づくと均質でない印象をつくりたいと考え、ディテールとコストのバランスからストランドボードの細かな粒子感と塗装の組み合わせを選択しました。
遠景では緑の濃淡がうつくしい山なみとして、近景では木々のひとつひとつの個性が見えてくる、ヒダクマメンバーと出会った10月の飛騨古川の風景の質にも近いかもしれません。











