ミュージアムのような体験価値を提供する「HAERA」の3D技術を応用して構築した森の風景
Overview
職人の手仕事とデジタル技術で、森の個性を都市へ届ける
2026年6月、名古屋・栄に新たなラグジュアリーモール「HAERA(ハエラ)」がオープン。
HAERAは、感性が交差する場所として新しいものやインスピレーションを集め、訪れる人それぞれのレンズを通して完成する「PUBLIC MUSEUM」をコンセプトとした商業施設です。感性に響く空間デザインやアート、ファッション、多彩な飲食店などを展開しています。
環境デザインを手がけたのは、建築のフィジカル要素とコンピュテーショナルデザインなどのデジタル技術との融合で、新しい建築設計の可能性を模索しているNOIZです。NOIZは「PUBLIC MUSEUM」として、各階をひとつのスタイルを体現するギャラリーと捉え、素材の選択と空間構成を通じてキュレーションしました。
ヒダクマは、その館内のラウンジに設置した広葉樹アート「FOREST IN THE CELL」の製作ディレクションを担当しました。
「FOREST IN THE CELL」は細胞のような白いヴォロノイ構造の空間に、飛騨の広葉樹を組み込んだインスタレーション。空間内を歩くことで、見え隠れするブナやミズナラ、ウダイカンバ、イタヤカエデなどの多様な樹種や、曲がり木・コブといった自然の造形と出会うことができます。
本プロジェクトは、パルコとNOIZの皆さんとともに飛騨の森に入り、木の選定を行うところから始まりました。ヒダクマは森で木を選び、調達し、データ化・加工を経て空間へ実装するまでを一貫して伴走しました。
森を構成する多様な個性は、職人の丁寧な手仕事によって磨き上げられ、さらに3D技術によってその魅力が引き出されています。
広葉樹の多様性、職人技術と3D技術が掛け合わさり、生まれた非日常的な空間。形を変えて都市空間に現れた森の風景が、訪れる人の感性を呼び覚ますきっかけをつくるでしょう。
Project 細胞を思わせるヴォロノイ構造と飛騨の広葉樹によるインスタレーション「FOREST IN THE CELL」
| What we did | 製作ディレクション |
|---|---|
| Credits | クライアント:株式会社パルコ 設計:豊田 啓介、蔡 佳萱、酒井 康介、安藤 寿孝、近藤 有希子(NOIZ) 施工:田中建築 製作ディレクション:岩岡 孝太郎・江上 史都・黒田 晃佑・二方 紗耶(ヒダクマ) 構造アドバイス:円酒構造設計 製作:田中建築、江上 史都・二方 紗耶(ヒダクマ) 鉄加工:内藤工業 木材提供:柳木材、西野製材所、神岡林業協同組合 写真:ヒダクマ |
| Period | 2024年10月-2026年06月 |
Viewpoint NOIZ 近藤さんの視点
本計画では、用途を限定しない多目的ラウンジをヴォロノイパターンによって構成し、小さな空間の中に複数の居場所と奥行きを生み出すことを目指しました。そこに、壁を貫くように浮遊する、パルコの皆さんと共に飛騨の山で選定した広葉樹の丸太を挿入することで、無機質な都市の空間を、遠く離れた飛騨の森へと接続しています。
ヒダクマの皆さんとの協働では、4種類の木がもつ固有の曲がりや表情を3Dスキャンによって読み取り、そのデータを壁の開口や木の割れ目に施すシリコンの形状に落とし込みました。
自然の姿そのものをディテールにも反映したこの空間は、飛騨の木に触れ、その質感や森の存在を身近に感じるきっかけとなる場になったと考えています。
























