森をひらき人が集まることで見えた、小さな温泉街の遊休の森を活かす新事業の形

With 新岐阜興業株式会社、ツバメアーキテクツ

Overview

多様な専門家と森をひらく

岐阜県高山市にある奥飛騨温泉郷福地温泉。温泉街のすぐそばには、約50年間遊休になっていた森がありました。その森の持ち主は、岐阜の駅前でテナントビル事業を営む新岐阜興業株式会社の代表大橋司さん。遊休地の活用に関する相談をもらい、研究開発やリサーチを得意とする設計事務所ツバメアーキテクツとヒダクマでチームツバクマを編成。活用に向けたコンセプト策定に取り掛かりました。

この森をひらくため、大橋さん、福地温泉の地域の方、森の専門家、ツバクマで森に入るフィールドリサーチを数回にわたり、季節を変えて実施しました。
まずは、森の状態を調べて適切な整備を検討するために、樹木医や林業技師と森の健康診断や植生調査をワークショップ形式で実施。それから、森とひとと木の臼田陽子さんによる森林浴、遊び心ある視点で自然体験を提供するガイド集団216WORKS(ニジイロワークス)による森でのカフェ提供や雪が降る冬の時期でのアクティビティの可能性調査、茅葺き職人の藤原タクマさんによる森で厄介者とされる熊笹を使った小屋づくり。
さらに、温泉街の中でこの森が果たす役割についても地域の方々と対話を重ね、この地域にある森だからこその活かし方を模索しました。

そこから導き出されたのは、「道具」を介して多様な森の可能性が引き出されるということ。森を開発するのではなく「道具番屋」を設けることで、様々な人が森を自立共生的に使う「町の不動産と同じような森をテナント貸しする森子サービス」という事業コンセプト。森子という言葉は、事務所ビルや商業スペースの賃借人を指す店子から着想を得、テナントビル事業と同じ業務体系で森の活用ができないかと考えました。
現在、森子サービスの提供を進めるためにフィールド整備や森子サービスの具体化、森での多様な活動をサポートするために必要な道具を管理する小屋の建設に向けて動き出しています。

Project 温泉街にある森の可能性とは

What we did フィールドリサーチ
遊休地活用コンセプト設計
Credits クライアント:新岐阜興業株式会社
プロデュース:松本剛、岩岡孝太郎(ヒダクマ)
フィールドリサーチ設計・ディレクション:松本剛、門井慈子(ヒダクマ)
リサーチャー:千葉元生、坂梨桃子、木原葉子(ツバメアーキテクツ)
協力:株式会社門造園土木、ネイチャーサポートシステム、合同会社216WORKS、森とひとと木、土還、福地温泉の地域の皆さん
Period 2023年8月〜2024年1月

Viewpoint 新岐阜興業株式会社 大橋 司さんの視点

大橋 司
Tsukasa Ohashi

街中のテナントビルは類似した地域の需要と周辺環境を参考にある程度、事業の可能性が見通せます。
今回は「森から温泉街」、「温泉街から森」へ、人々を森に惹きつけ地域と共生する「森の需要を創出する」チャレンジングな事業と考えています。
プロジェクトの活動からビルの「店子」転じて森の「森子」が様々な道具を介して、福地ならではの森の魅力を様々なサービスで伝えるコンセプトが出来ました。
これから始まる森林空間の保全と整備、道具番屋の設計施工は森子のみなさんのサービスをしっかりサポートする森のテナントビル(本当の森ビル!?)。地域に根差す拠点としてメンバーみんなで創っていきます。

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