シェアオフィス「ちよだプラットフォームスクウェア」の空間リニューアル。個の快適性と共創活動を両立させるデザイン
Overview
既存環境に馴染む直線的な家具と、空間に抑揚を生む未活用材の自由曲線
東京都千代田区の公共施設を2004年にリノベーションして生まれたシェアオフィス「ちよだプラットフォームスクウェア」。多世代・多地域の交流とそこから生まれる共創活動を後押しすることを目指したオフィスは、2022年9月にリニューアルされました。ヒダクマは空間設計と家具のデザイン・製作を担い、プロジェクト全体をディレクションしました。「ちよだプラットフォームスクウェア」が、個人の快適性を担保しながら利用者間の交流を一層促すため、既存の環境に馴染むデザインのテーブルや、視界に抑揚を与える有機的な形状を持った未活用材の家具によって空間を再構成。フリーアドレスであるものの利用頻度の高いユーザーの居場所が固定化していたり、使われない家具が生まれていた空間のアップデートを目指しました。
リニューアルのテーマは、森林。空間を彩る14樹種の広葉樹、植栽を納めたベンチから窓際のカウンターへの視線の高さ、カウンター中央に配置されたパーテーションにプリントした飛騨の森、そのパーテーションを支える耳材が描く山並みに似た自由曲線など、利用者は様々な視点で森らしい風景を見つけることができます。空間にとって大きな要素であるテーブルには、飛騨地域の産地証明材を使用。各天板を単一樹種で製作しているため色や表情に個性があり、パーソナルな利用シーンに寄り添うことができる一方、テーブルはキャスター付きで、交流するシーンに合わせて気軽に動かせます。
Project ユーザーそれぞれの視点が捉える森らしい風景
What we did | 空間・家具デザイン 製作ディレクション 木材コーディネーション |
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Credits | クライアント:プラットフォームサービス株式会社 空間・家具デザイン:門井慈子、岩岡孝太郎(ヒダクマ) 製作ディレクション:門井慈子、岩岡孝太郎(ヒダクマ) 木材コーディネーション:門井慈子、岩岡孝太郎(ヒダクマ) 製作:go-products、田中建築、FabCafe Hida、小倉鉄鋼、門井慈子、志田岳弥(ヒダクマ) |
Period | 2022年6月~9月 |
Viewpoint プラットフォームサービス株式会社 丑田 俊輔さんの視点
誕生から18年、常に生き物のように変化を続けてきた「ちよだプラットフォームスクウェア」。ご利用いただく人たちや、人情味あふれる神田地域の人たち。千代田区や、連携するさまざまな地域。いわば“都会の中の森”ともいえるような、この多様性あふれる環境を体現するワークプレイスをつくろうと、ヒダクマさんとのプロジェクトがはじまりました。ご縁のある地域の森林資源をフル活用し、文字通り“森”のような空間を構築することで、大自然に身を浸して深呼吸したくなるような、気持ち良く働くことのできるフロアへと変化を遂げることができました。