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曲がり木センター Magarigi Center

「曲がり木センター」は、自然なままの広葉樹の形状の3Dデータから建築・家具を設計し、加工まで一貫して行うことのできるサービスです。

急峻な地形と冬の積雪が生み出す根曲りした木、森の中のライバルたちとの生存競争の結果である二又・三又・複雑に枝分かれをした木、どんな歴史があったのか調べたくなるようなゴツゴツなコブだらけの木、森の中には、木と自然環境、あるいは他の動植物との関わりの履歴がその木固有の形状となって存在しています。これら「ユニークで何かに活かしたくなる木」をヒダクマでは総称して「曲がり木」と呼んでいます。飛騨の森の広葉樹は「全て曲がり木である」とも言えます。

 

「森は木材ではない」
これがヒダクマの木の見方です。海の中に刺身が泳いでいないように、森の中に木材は立っていません。直角で平行な木材は美味しい部分ではありますが、木の特徴的な大部分を削ぎ落としてつくられています。もちろん削ぎ落とされた部分も無駄にはなりません。樹皮やおがこは牛舎の寝床になり畑の堆肥となり、端材はチップとなりキノコの菌床や紙の原料となり、森林資源の循環が巡っています。ただ、美味しい部分である木材(建築・家具用材)は広葉樹流通量のたった5%しかないのが現状です。残りの95%は、チップとして安価に流通しています。曲がり木も95%側に属しています。「もったいない」とか「かわいそう」という感情的な理由ではなく、曲がり木を活用して95%側の木の価値を向上させることが、地域と森の未来のために必要なクリエイションだと考えています。

曲がり木センターでできること

Experiences

曲がり木との出会い

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普段出会わない、流通していない曲がり木たち。不揃いで、安定供給できず、伐採、運搬、加工などに手間がかかり、扱いにくいことから、私たちから遠い存在になっています。でも、森に多くの樹種の木々が立っていて、育っていく中で曲がったり、枝分かれしたり、コブができることはごく自然なこと。飛騨の森で生まれたありのままの木たちとの出会いがここにあります。

3Dデータが可能にする設計

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実物を動かさなくても、3Dスキャンしたデータをもとに設計や加工方法が検討できることは画期的なこと。なぜなら木はとても重たいからです。木は動かすだけで、エネルギーやコストがかかりますが、3Dデータなら仮想上で動かしながらイメージを考えることが可能です。

設計・加工に重要なポイント「遊び」

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飛騨の職人は木の加工時に余裕、余白のような意味合いで「遊びをつくる」と言います。木は伐っても生きていて、水分を多く含む丸太はその時々の環境により動いて、割れ、ねじれなどが発生します。生きた自然物である木だからこそ、設計や加工方法を検討する際、「遊び」をどうつくるのかが作り手の腕の見せ所のひとつになります。

リアル・飛騨とつながれる

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データを持って、製作に挑戦するために、オンラインでのコミュニケーションや直接的な木との対面が飛騨で可能。飛騨では、木だけでなく、その源である森や、木の知識が豊富な飛騨の職人たちとの出会いが待っています。

曲がり木センターの展望

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より精度高く、設計・加工にデータを活用できないか。今まで主として家具として用いられてきた広葉樹を、スケールのある建築に使えないか。多種多様な木のデータを構造計算に用いて安全性を確保することはできないか。森の計測データと紐付けて、森の管理・育成に役立てることはできないか。最新のテクノロジーと多様なクリエイター・研究者のアイデアを掛け合わせ、地域の皆さんと連携しながら、森と人との持続可能な仕組みをアップデートしていきます。

製作事例

Case

船場がデザイン監修したアップサイクル家具

東急不動産株式会社が開発する交流型学生レジデンス「キャンパスヴィレッジ大阪近大前」の1F共用部向けの家具製作。薪用として流通するはずだったシュリザクラの大きな塊はローテーブルの天板に。

広葉樹の原木を使った保育園の園庭遊具

ブナ、ホオノキ、カエデ、ミズメ、ミズナラなどの小径広葉樹を使用した遊具。樹皮をそのまま残したいくつもの木の柱は、まるで森の木々のよう。工藤浩平建築設計事務所による設計です。

Torinosu

Torinosuは、6本の曲がった丸太が相互に支え合い自立した構造物。建築家の浜田晶則さんが設計し、技術協力に、拡張現実(AR)を使った新しいファブリケーションの仕組みを研究する住友恵理さんが関わりました。切断面、穴あけなど難しい加工には、飛騨の職人がホロレンズを装着しながらAR加工しました。

ソニーコンピュータサイエンス研究所 京都研究室の家具

イノベーションを起こす場所として非日常を取り入れようと、一つひとつ違うユニークな木を用いて製作した、建築家の佐野文彦さんが設計した家具群。

曲がり木を選ぶ

Magarigi Center

【Available】四つ又ホオノキ

曲がり木、それは広葉樹本来のカタチ

【Available】根曲りキハダ

山の傾斜がきつく積雪量の多い飛騨では根元から大きく湾曲した木が多数を占める

【Available】ミズナラ 二股4

二又が、チップと家具の、分かれ道

【Available】半空洞ブナ

直径600mmを超える、飛騨の森を代表するブナ。曲がりくねった半空洞ブナをプロダクトに

注意事項

曲がり木は、通常の木材に比べてより自然の状態に近い素材である為、下記のような注意事項があることをご理解いただき、予めご了承の上ご検討ください。


・曲がり木の重量はお客様の想定よりもはるかに重い可能性があります。ほとんどの場合100キロを超えるものが多いため、フォークリフトやクレーンなどを使わなければ運搬ができないのでご注意ください。

・曲がり木は未乾燥のものが多く、伐採後も呼吸を続けているため、割れや収縮、ねじれが発生します。加工内容によっては寸法の精度が大きく変化する可能性があります。

・通常の乾燥材に比べて水分を多く含んでいる為、加工内容や設置環境によっては、カビが発生する可能性が高まります。

・予め駆除を施しますが、内部からカミキリムシやハネアリなどが発生する可能性があります。特に樹皮は虫が好みやすいため、樹皮付きで加工をお考えの場合はご注意ください。

R2 事業再構築

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飛騨の森でクマは踊る
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