受付中
現地ツアー

「広葉樹のまちづくり学校2025」特別講座 多様な自然を活かす製材所と目立屋さん 見学ツアー ~技術と関係性の仕事が産業を支えている~

2025.12.05 (金) 13:00-20:00
無料「居酒屋長八」での懇親会実費(5,000円程度)
Guests
及川 幹
Motoki Oikawa
やまかわ製材舎代表
松本 剛
Takeshi Matsumoto
ヒダクマ 代表取締役/COO
受付中

広葉樹の施業、製材・乾燥、活用を実践者から学ぶ講座シリーズで「目立」にフォーカスした現地見学ツアーを特別緊急開催!

居酒屋・長八を営む宇野さん。飛騨古川の祭りでは必ず見かける、味噌からあげとホルモンのお店です。そんな宇野さんの昼の顔が、実は製材所の帯鋸の目立屋さん「宇野鋸加工所」。帯鋸という生き物みたいな刃物を研ぎ、そして調子を整えていく専門職のこと。居酒屋でお客さんとコミュニケーションをとるように、宇野さんは製材所とたくさんコミュニケーションをとりながら、鋸の調子を見極めていきます。いわば技術と関係性の仕事。日本の多様な木の産地は、こうした製材所と目立屋さんの信頼関係によって支えられています。

そんな目立屋さんも、飛騨で残り一軒に。まずは産地の裏側で営まれている木と刃物の文化に触れてもらいたく、やまかわ製材舎とヒダクマが一緒にツアーを企画しました。個性豊かな製材所と目立屋さん、そして多様な自然素材との関係性の一端を体感してもらい、夜はみんなで居酒屋長八へ。自然を活かすということ、多様性を受け止めること、それらにとって大事なものが目立屋さんという仕事に詰まっているように感じてなりません。この仕事のおもしろさがひとりでも多くの方に伝わり、私たちの仲間となって目立屋という仕事の担い手になってくれる人が現れることを楽しみにしています。

About the event イベント詳細

本企画の背景と想い

株式会社やまかわ製材舎 代表取締役 及川 幹

令和7年夏、1軒の目立屋さんが廃業しました。飛騨地域の目立屋は、宇野鋸加工所を残すのみとなり、木の産地としてはあとがない状況です。日本の多様な自然素材を活かすためには、多様な製材形態が必要で、それを支えるのが鋸の目立屋さんの仕事になります。自然を活かし、森を活かすということは、こうした多様な人材と技術の関係性にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。目立屋さんが考えればいい、という話ではないはず。資本主義的な役割に甘んじることなく、地域の自然風土と付き合っていくための当事者として、みんなでこの木の文化を育み、木を活かす環境を良くしていく運動にしていきたいなとおもっています。そしてその運動にどんどん巻き込まれてほしい。目立という、社会の辺境にある小さな営みから、地域と自然がどう付き合っていくのかという、産地の未来が描かれていくのではないかと期待しています。

 

 

株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 松本 剛

ヒダクマが創業して10年になります。私たちが地域の広葉樹を活かすという事業を起こし、続けてこれたのは、先達たちが積み重ねて繋げて来てくださった「森との関わりの人の営みの生態系」のおかげです。自分たちがその生態系の一員となった今それを繋いでいくことも使命のひとつなのだと思います。

「広葉樹のまちづくり学校」は、飛騨市が推進する広葉樹活用を軸とした持続可能なまちづくりに挑戦する人材育成のための実践型のスクールで、2020年から飛騨市の森林環境譲与税を活用してはじまりましたが、2023年に予算削減で中止。それを途切れさせないよう現在ヒダクマが運営を引き継いで続けています。また、「森のバトン」という森林業や木工業に関わる仕事に興味のある方向けのインターンシップ見学ツアーを株式会社木と暮らしの製作所とともに始めたりしています。このような仕事は本当にわりにはあわないけれど、きっと意味のあることだと思っています。

この度、その生態系の中でも、とても小さくて目立たない(そもそもほとんど知られていない)けれども、とても大事な、まるで土中の菌糸のような仕事をしている目立屋さんに目を向ける、そんな機会をつくりました。森の中の生き物それぞれが関わりながら必死に生きようとする営みが、結果豊かな生態系を作るのだと思います。目立屋さんのことはもちろん、目立屋さんのような仕事、役割が地域にはたくさんあることを感じて考えてもらう、そしてできれば参加者の方も関わってもらう機会にできたらと思います。

帯鋸の研磨をする宇野さん。10数台の機械を使い分け、それぞれの製材所にあった研ぎをしていきます。

 

 

機械化が進んでおり、研ぎ自体は自動化されています。音を聞き分けながら、砥石の粗さや強さの調節をしていきます。帯鋸=bandsawといわれるやわらかい鋸は、輪になっている柔らかい鋸で、まるで生き物のよう。鋸の腰をみてあげるのも、目立屋さんの大事な仕事。

 

量産から小規模/針葉樹から広葉樹まで扱う、個性豊かな製材所と台車乗りたちに合わせて、帯鋸をチューニングしていきます。

 

最後は製材所の皆さんも交えて、鋸の話ができる居酒屋・長八にて懇親会をします。

「多様な自然を活かす製材所と目立屋さん見学ツアー」概要

開催情報

開催日 2025年12月05日(金)*初日の集合日時・場所:12月5日(金)13:00 ウッドフォーラム飛騨
会場 高山市・飛騨市各所
参加費 無料 「居酒屋長八」での懇親会実費(5,000円程度)
定員 10名
申込方法 本イベントページの申し込みフォームから受付
申込締切 定員になり次第締切

持ち物と注意事項

■ 持ち物
雨具、防寒着、帽子、飲み物など

 

■ ご注意

  • 荒天を除き、雨天決行にて実施いたします(雨具の準備をお願いいたします)。
  • 参加費には、現地までの往復交通費、宿泊費、飲食代は含まれていません。
  • ご宿泊される場合は、各自で手配をお願いいたします。尚、FabCafe Hidaにご宿泊を希望される方は、下記「ご宿泊のご案内」をご覧ください。
  • プログラムは予告なく変更になる可能性がございます。
  • ツアー内での移動には車が必要です。各自での手配、または参加者同士での乗り合いをお願いいたします。お車のない方は、お申し込みの際にご相談ください。
  • ヒダクマはイベント保険に加入しています。
  • 当日の参加者の皆さんのお写真は、後日公開するレポートなどに掲載させていただくことがあります。

 

■ 共催:飛騨の森でクマは踊る、株式会社やまかわ製材舎

 

■ お問い合わせ:ヒダクマイベント事務局(株式会社飛騨の森でクマは踊る/FabCafe Hida)
 E-mail: pr@hidakuma.com Tel: 0577-57-7686

Program

13:00 ウッドフォーラム飛騨( 岐阜県高山市清見町三日町165)
※お車でない方は、飛騨古川駅または高山駅に事務局がお迎えに行きます。
13:15-14:50 高山木の里団地内の製材所(丸弘木材→カネモク→逢坂建材→飛騨高山森林組合)
15:15-16:00 宇野鋸加工所
16:20-16:40 西野製材所
16:45-17:00 やまかわ製材舎
17:00-17:15 やまかわ製材舎にて宇野鋸加工場による鋸の回収配達の様子の見学
18:00-20:00 飛騨古川駅前の宇野鋸加工場が経営する「居酒屋長八」にて意見交換会

Members

宇野 淳一|Uno Junichi
宇野鋸加工所

1954年生。1969年に河合鋸加工所に入社、1985年に宇野鋸加工所開業。これまで56年にわたり、製材所の帯鋸の目立業に従事してきた。2003年からは、長八ホルモンの製造販売を開始、居酒屋長八と長八食堂の経営を行い、目立業との二足の草鞋を履いている。高山市内の目立屋さんの閉業を受けて、飛騨古川・飛騨高山で目立屋さんは宇野鋸加工所1軒のみに。

 

 

及川 幹|Motoki Oikawa
株式会社やまかわ製材舎 代表取締役

静岡県島田市出身/大阪大学文化人類学専攻卒。針葉樹の量産製材工場に携わったのち、2020年より飛騨市地域おこし協力隊/広葉樹コンシェルジュに着任。短期乾燥PJの運用や地域内の遊休製材所の再稼働PJを経て、2024年4月に㈱やまかわ製材舎を設立。木の文化の落ち穂を拾うという企業理念を掲げ、自然と社会を接続するハブ装置としての製材所のあり方を模索している。眺木展実行委員会代表/目立会議(仮)メンバー。
https://yamakawa-sawmill.co.jp/

 

 


松本 剛|Takeshi Matsumoto
ヒダクマ 代表取締役/COO

環境事業会社勤務を経て、2009年、株式会社トビムシ設立に参画。2015年、「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を設立。2016年、滞在型ものづくりカフェ「FabCafe Hida」をオープン。森と木と人が出会い活かしあう場や機会を整える。本とカレー好き。株式会社トビムシ取締役/筑波大学山岳科学学位プログラム非常勤講師/みえ森林・林業アカデミー講師。「広葉樹のまちづくり学校」には2020年の立ち上げから関わり、毎年、オーガナイザー兼ファシリテーターを務めている。

ご宿泊のご案内

ヒダクマが運営する宿泊ができるデジタルものづくりカフェ・FabCafe Hidaでは、受講生のご宿泊の予約を承ります。料金は、おひとり様ご一泊7,700円(税込み)で食事なし・お部屋のみのご用意となります。(全3部屋・先着順)

詳しくはこちら:
https://fabcafe.com/jp/hida/experienceandstay/

※FabCafe Hidaへのご宿泊のご予約希望は、本イベントの申し込みフォームから承っております。

 

そのほか、飛騨市古川町でのご宿泊は飛騨市公式観光サイトをご覧くださいませ。
https://www.hida-kankou.jp/reserve/scid_38/type_side/d.html

Contact Us

私たちとプロジェクトをはじめてみませんか?

Hidakuma

飛騨の森でクマは踊る
FabCafe Hida:〒509-4235
岐阜県飛騨市古川町弐之町6-17 
飛騨古川駅から徒歩5分
TEL 0577-57-7686 FAX 0577-57-7687

森の端オフィス:〒509-4256
岐阜県飛騨市古川町高野287-1 
FabCafe Hidaから徒歩10分