
森のレッスン「生態学者が紐解く、生き物たちによる森づくり」



森との関わり方を考えるトークイベント「森のレッスン」を7月12日(土)にFabCafe Hidaで開催します。ゲストは、京都大学生態学研究センター 植物生態学研究室(山尾研究室)の研究者たちです。長い進化の歴史や生き物同士の関わり合いの中で、森はどのようにつくられているのか。森林活用が叫ばれる今だからこそ、改めて生き物たちによる「森づくり」を知り、これからの森と人との関わりについて考えてみませんか?
イベント前半は、3名の研究者によるエコロジカル・トーク。土中の生態系は、いかにして森をつくるのか?森と動物は“糞”を通じてどう関わり合っているのか?どの木の葉っぱも薄い、その背景にある進化の歴史とは?
後半は山尾僚さんとヒダクマ松本とのクロストーク&交流会。森と関わる研究者の活動を深掘り、これからの人と森との関わり方について自由に想像を膨らませます。そのほか、学会向けポスターを通じて生態学研究のリアルに触れられるポスターセッションも必見です。
内容盛りだくさんな「森のレッスン」に、ぜひご参加ください。
※オンライン視聴をお申し込みの方には、後日イベントの収録版をお送り致します。
こんな方におすすめ
- 森や自然に対する生態学者の視点に興味のある方
- 森との関わりについて考えたい個人・企業
- ネイチャーポジティブに取り組む企業担当者
- 自然との共生をテーマに持つ建築家やクリエイター
- 生態学の研究に興味がある学生
About the event イベント詳細
森のレッスンとは
森に囲まれた町の中のカフェで、森と共に暮らす方法を学ぶ勉強会・トークイベントです。
飛騨の森には、家具や建築の材料となる木材が豊富にあるだけではなく、美味しいキノコやジビエ、さらには森に磨かれた水を使ったお米や野菜だって私たちが享受している森の恵です。この恵に感謝すると共に、それぞれの分野で森に関わる仕事や活動を行なっている人をゲストに招いて、彼らが森で大切にしていること、気になっているけどまだできていないことなどを共有してもらうことで、普段森に入らない/関わりがないと感じている人たちでも、森に関わりを持つきっかけと具体的な方法を知り身につけることで、この豊かな恵が未来の飛騨に永遠と続くように、さらに私たちの生活と森が密接により良い関係性を結べるようになることを願っています。
開催情報
開催日 | 2025年7月12日(土) 15:00-17:00 |
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会場 | FabCafe Hida, オンライン(オンラインは録画版の後日配信となります) |
参加費 | FabCafe Hida:税込1000円(ソフトドリンク付き)または税込1500円(クロモジビール付き)/オンライン配信:無料 |
定員 | 20名(FabCafe Hida) |
申込方法 | 本記事の「参加する」をクリックし、フォームからお申し込みください。 |
申込締切 | 2025年7月9日(水)18:00 |
ご注意
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
- イベント当日の内容は後日ヒダクマのオウンドメディアに掲載する場合があります。
- オンライン視聴をお申し込みをいただいた方には、後日イベントの録画版をお送り致します。
■ 企画:飛騨の森でクマは踊る
■ 主催:飛騨の森でクマは踊る
■ お問い合わせ:ヒダクマイベント事務局 pr@hidakuma.com
当日のプログラム
15:00-15:05 | イントロダクション |
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15:05-15:35 | エコロジカル・トーク「生き物たちによる森づくり」 演者①山尾 僚 「土中の生き物がつくる樹木の多様性」 演者②井上 輝紀 「糞から紐解く、森と動物の支えあい」 演者③佐々木 陽依 「木の葉の“薄さ”を巡る進化の話」 |
15:35-16:05 | クロストーク 山尾 僚 × 松本剛(ヒダクマ) |
16:05-16:20 | Q&A |
16:20-17:00 | 交流会&ポスターセッション 金子 拓斗 「パンコムギにおける育種と他個体認識の進化的関係性の解明」 土居 健央 「日本産ブナ科樹種における揮発性有機化合物の組成の緯度クラインとその決定要因」 |
Speakers
山尾 僚|Akira Yamawo
京都大学生態学研究センター教授
2012年に鹿児島大学大学院連合農学研究科で植物の柔軟な防御応答に関する研究で博士号(農学)を取得。日本学術振興会特別研究員(PD)、弘前大学准教授を経て、現職につき、植物の進化や環境応答から生態系の仕組みを解き明かす研究を行っている。
website: https://yamawolab2015.com/
井上 輝紀|Teruki Inoue
京都大学理学研究科博士後期課程2年
広島県広島市出身。広島修道大学人間環境学部を卒業後、弘前大学農学生命科学研究科へ進学。その後、京都大学理学研究科へ編入学。果実を実らせる植物と、果実を食べ、糞と共に種子を散布する動物、そして動物の糞に存在する数多くの微生物が、どのように相互作用しているのかを調べています。野外での野生動物の糞の採集、圃場での播種実験、ラボでの分子実験と、室内外問わず様々な所で研究をしています。
website: https://sites.google.com/view/terukiinoue
佐々木 陽依|Hiyori Sasaki
京都大学理学研究科博士後期課程1年
新潟県佐渡島の出身で、弘前大学農学生命科学部を卒業後、京都大学理学研究科で修士課程を修了し、同博士課程に進学。生き物のかたちとその種間の違いに興味を持っており、マクロ進化生態学、樹木生理生態学を中心に研究を進めています。現在は多種多様な広葉樹の葉脈を対象として、どのようにして種に特徴的な葉脈の分岐パターンが進化してきたのかを調べています。
CrossTalk Speaker
松本 剛|Takeshi Matsumoto
株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役COO
環境事業会社勤務を経て、2009年、株式会社トビムシ設立に参画。2015年、株式会社飛騨の森でクマは踊る設立。2016年、木工房併設の滞在型ものづくりカフェ「FabCafe Hida」をオープン。「森のレッスン」「山観日」「建築家のための森ツアー」「飛騨市・広葉樹のまちづくり学校」など、森と人が出会い活かしあう場づくりに取り組む。本とカレー好き。
Poster session
金子 拓斗|Takuto Kaneko
京都大学理学研究科博士後期課程1年
福岡県飯塚市出身。鹿児島大学農林水産学研究科を修了後、京都大学理学研究科へ編入学。植物と植物の相互作用、特に、近年野生植物で明らかにされつつある植物の認識能力が、野生植物とは異なる歴史的背景を持つ作物では、どのような機能を担っているのか?、どのようにして進化してきたのか?を調べています。また、このような植物が持つ認識能力の農業への応用についても研究しています。
土居 健央|Takeo Doi
京都大学理学研究科博士後期課程1年
東京都小金井市出身。地球上で多様な生き物がどのように維持されているかを探る「群集生態学」に関心があり、多くの種類の植物が同じ場所で共存できるしくみに注目して研究しています。修士課程では、植物の葉から放出される匂い物質について研究していました。理論と実証の両面から、多様な生き物が共存できる条件やその背後にある自然のルールを明らかにしていきたいと考えています。
Organizer
志田 岳弥|Takeya Shida
ヒダクマ 川のナビゲーター
大学卒業後、ペルーでの環境教育、記者、サーモン養殖に関するチリでの取材活動を経て、2020年6月よりヒダクマに所属。マーケティングを軸に、木材調達やツアー設計、製作サポートなどを、幅広く経験。2025年、京都大学大学院理学研究科修了。在学中は、飛騨を流れる高原川流域にて渓流魚の生き方の多様性を研究。現在は、高原川漁業協同組合に在籍。特技は木の皮剥きと夜の川潜り。好きな魚は、イワナ、チンカブ。