感謝と希望を胸に10年目、2025年ヒダクマより新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。本年もヒダクマをよろしくお願いいたします。
2025年のご挨拶をお届けします。
岩岡孝太郎より
社会人類学者ティム・インゴルド著「ラインズ 線の文化史」では、居住者を「世界の連続的生成プロセスそのものにもぐりこみ、生の踏み跡をしるすことによって世界を織り出し組織することに貢献する者」と定義している。また、居住者によって織り出されるのは、「網細工(メッシュワーク)」だと表現されている。この定義や表現は、今の私たちを言い表しているようでもあり、これから目指すべき状態を示しているようでもある。そう思える理由はふたつある。まず、能動的な振る舞いによって貢献を行えば誰でも居住者として取り込んでいける点において。そして、意図的な境界線は引かず、囲わず、誰かと誰かの糸の結び目のみが関係性の具体となり、小さな場所を発生させ、それらの連続によって美しい全体像(= 地域、コミュニティ)を描いていけるという希望があるからだ。感謝を胸に、先人がつけた踏み跡(トレース)に沿って歩き、結び目を残し、そこから自由な踏み跡をしるしたいと思う。
2025年、皆さんとメッシュワークづくりに励むことを楽しみにしています。今年もヒダクマを、飛騨をどうぞよろしくお願いいたします。
松本剛より
新年にゆでたまごをつくろうと鍋を火にかけてお湯が沸くのを待ちながら思いました。
「地方創生先駆者会議」によると、地方創生は3つのステージがあるそうです。まずは多様な人を巻き込みながら当事者意識を向上させ、地域の多様性と包摂性を引き上げる「暖気ステージ」があって、それから「本格ステージ」、「拡大ステージ」へと進みます。
10年前、飛騨という地域に、広葉樹の森に、一石を投じる形で設立したヒダクマ。ざわつかせたりしかられたりもしたけれど、そこから「飛騨市広葉樹のまちづくり」が始まり、「広葉樹活用推進コンソーシアム」が発足し、一昨年には市内に新しい製材所が生まれ、昨年には国もやってきました(※)。
※林野庁の里山広葉樹利活用推進会議の第一回が飛騨市で開催されました。
自社はあいかわらず楽しみながらも生き残ることに必死ですが、気づけばまわりはすっかり暖まっていて、一石を投じた場所はぐつぐつとお湯が沸いているようです。
そこにたまごを入れてみたり、大根やこんにゃくを入れてみたり。場合によっては沸いたお湯を別の鍋に移して全然違う料理をつくり始めてもいいかもしれません。
いろいろな人たちと、色とりどりのおいしい料理をつくる。今年はそんな年になります。
松本 剛
ヒダクマ代表取締役COO/トビムシ
都竹淳也飛騨市長より
ヒダクマならびに「飛騨市・広葉樹のまちづくり」を応援してくださっている全ての皆さま、新年、明けましておめでとうございます。
飛騨市がヒダクマとともに広葉樹への取り組みを始めて10年。「飛騨市・広葉樹のまちづくり」を牽引する役割として、当初の小径材活用のプロダクト開発から、多くの事業者の空間デザインやプロダクト開発を請け負うようになり、飛騨市の広葉樹活用の進歩に大きく貢献してきました。
飛騨市の取り組みに連動して、市有林において、飛騨市が一昨年森林認証を取得し、認証材をつなぐ川下として昨年2月にヒダクマがCoC認証を取得され、昨年10月には市とヒダクマとともに前田建設工業㈱とツバメアーキテクツとの4者で建築物木材利用促進に関する協定を締結するなど、更なる発展に向けて動きだしております。
また、国においても里山広葉樹の利活用推進に対する動きが始まり、今後の進展に大いに期待しているところであり、市といたしましても、こうした動きを的確に把握しながら、「飛騨市・広葉樹のまちづくり」の進化に向けて、ヒダクマとともに広葉樹を活用した持続可能な地域づくりに取り組んでまいりますので変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
都竹 淳也
飛騨市長
番外編・初詣と書き初め
仕事始めに、気多若宮神社へ初詣。
今年は風邪などでお休みのメンバーがいたため、人数が少なくて心持ちさみしいです。
2025年、それぞれの抱負
「十重(とえ)」 岩岡 孝太郎
白かったり、青かったり、薄い年もあれば、トゲトゲした年もあった。そうやって10年重ねてきて、ヒダクマもいよいよボリュームが出てきたと感じてます。
「曲が利」 江上 史都
「曲がり木センター」を再始動し、本年度はより曲がりに向き合い、寄り添う年にしたいと思います。
「HAPPY TURN」 黒田 晃佑
気づけば勤めてから6年経ち、ヒダクマも10周年になる時の節目を感じます。甘くありつつも、しょっぱい(?)幸せな回り道を歩んでいきたいなと思います。
「脱」 松本 剛
へび年にちなんで。脱皮、脱線(に見える新たな道をひらき)、脱構築の年にします。
「商売繁盛」 井上 彩
人々が集い、賑わう風景をつくりたいと思います。10周年という記念の年に感謝を込めて、訪れてくれた方に飛騨で特別な時間を過ごしてもらったり、これまでお世話になっている方に恩返しする機会をつくりたいです。
「変える」 伊藤 優子
今年は、今までやってきた事、核となる部分をそのまま大切に育てつつ、『FabCafe Hidaなんかいい感じに変わったね』と言ってもらえるよう、自分自身もFabCafe Hidaも変えていこうと思います。
「解く」 鈴鹿 裕子
昨年は様々な場面で沢山のことを教えていただいた年だったので、今年は自分で解くことを大切にします。
「愉」 松永 綾乃
FABの語源FABulous(愉快な、素晴らしい)の意味込めて。あ~楽しい!と思うような出来事は年々少なくなってきましたが、平凡な毎日でも心の豊かさを感じ愉しいと思えるような1年にしたいです。
「めたくま」 志田 岳弥
生き物の集団は、個々の集団が独立して変動しつつ、ときに交流があって維持されています。そういうのをメタ集団とかメタ個体群とかいいます。今春からヒダクマを離れ、高原川漁協で仕事をします。でも、メタ的には同じ集団です。今後ともよろしくお願いします。
「渡る」 宮野 泉貴
石橋を叩いてばかりではなく、渡る年にしたいです。仕事面やプライベートにおいても小さなことからまず”やってみよう”くらいの気持ちで挑戦していけるような年にしたいと思います。
本年が皆さまにとって素敵な年となりますように。
2025年のヒダクマのチャレンジをどうぞお楽しみに!
今年もよろしくお願いします。