季節を感じ、自然に寄り添いながら、森の可能性を伝える仕事
Introduction
はじめに
ヒダクマはこの度、自社の活動をWebサイトやSNSで発信したり、イベントを企画・実施するマーケティングメンバーを募集します。
社内では部署をまたいでコミュニケーションを図り、地域やクリエーター、ステークホルダーなど、幅広い人たちとの関係を築きながら編み上げていく仕事です。
そこで、実際のマーケティングの仕事内容や社風のイメージが掴んでいただけるよう、「森へ」チームでマーケティング・PR活動を担う松山由樹さんに、実際にどんな仕事をしているのか、フランクに聞いてみました。
本記事は応募を検討されている方はもちろん、ヒダクマという会社に興味のある方にとって、社風や、いつもは見えないメンバーの横顔に触れることができる内容となっています。
Writing:石塚 理奈 Editing:ヒダクマ編集部
社内では部署をまたいでコミュニケーションを図り、地域やクリエーター、ステークホルダーなど、幅広い人たちとの関係を築きながら編み上げていく仕事です。
そこで、実際のマーケティングの仕事内容や社風のイメージが掴んでいただけるよう、「森へ」チームでマーケティング・PR活動を担う松山由樹さんに、実際にどんな仕事をしているのか、フランクに聞いてみました。
本記事は応募を検討されている方はもちろん、ヒダクマという会社に興味のある方にとって、社風や、いつもは見えないメンバーの横顔に触れることができる内容となっています。
Writing:石塚 理奈 Editing:ヒダクマ編集部
小さな組織内で、3つのチームが循環する
ヒダクマはユニークなネーミングの3つのチーム「森へ」「森で」「森を」が連携しながら活動している組織。松山さんが所属するのはマーケティング・PRを担う「森へ」チームで、ヒダクマの取り組みや森、飛騨という地域について、幅広く情報発信する広報にあたる部署です。
その発信を受けて、飛騨に行ってみたいという方をおもてなしするのがFabCafe Hida、ゲストハウス、体験プログラムなどを運営する「森で」チーム。
「飛騨での滞在を経験したゲストから、実際に森の資源を使ってものづくりをしたいと依頼されたときに、そのアイデア構想を形にするのが『森を』チーム、いわゆる製作チームですね。その形になったものをさらに『森へ』チームが発信して、『森で』のプログラムに繋がり、『森を』チームが新たにプロダクトや空間デザインといった形にする、というサイクルです」
「森へ」の具体的な業務内容は、自社ウェブサイトの記事作成やメールマガジンでの情報発信、「森で」チームと連携しながらイベント企画とその実施を主としています。どんな時期に、どんなイベントを開催するのがいいのか?旬の話題をピックアップすることもあれば、製作の「森を」チームから記事化できそうなプロジェクトをヒアリングしたり、逆に提案もあるそう。
個性あふれるヒダクマのメンバーたち
「月一プレゼンという全社員が参加する会議があって、そこでそれぞれが関わっているプロジェクトについてシェアするのですが、メンバーの個性が非常に出ますね」
進行中の案件をキャッチアップする機会を設け、互いに相談を持ちかけたりと、新しいアイデアが生まれやすい風通しの良さが感じられます。
メンバーは30代が中心で、ユニークなバックグラウンドを持つメンバーの集合体ヒダクマ。松山さんもそのひとりで、大学時代は土壌化学を専攻し、土の中の鉱物、雲母の研究をしていたのだとか。
「土って変化のない物質に見えて、自然環境のなかでわずかな変化をしているんです。その動きや循環が魅力的に感じました」
フィールドワークで国内外のさまざまな自然へ入っていくうち、地域によって生態系が異なる山の魅力に目覚め、登山が趣味という松山さん。卒業後は高分子材料を分析する会社に就職したものの、「自然素材を使いながらも、ちゃんと産業として確立している会社で働きたい」と思い、程なくしてヒダクマに出会います。製作(森を)、合宿プログラムやツアー運営(森で)、さらには経理を経験した後、現在の部署に。入社4年目にして全部署を経験し、組織全体を見渡せたのは、彼女にとって貴重な財産となっています。
森の見えない部分を伝える「森の翻訳者」として
ヒダクマを応援してくれている方々や関係者へ向けて、森の持つ潜在的な可能性、最新のアウトプットなどの情報をリリースする「森へ」チーム。松山さんは進行中のプロジェクトを俯瞰しつつ、適宜、製作メンバーへのヒアリングを欠かしません。なぜその設計・デザインになったのか、そこに至るまでの背景やストーリーを見落とさないために、「わかったつもりでいないこと」を心がけているそうです。
そしてマーケティングイベントの企画と実施も、将来的なパートナーとの接点づくりという意味で、森へチームにとって大事な仕事といえます。2ヶ月に一度、多い時は毎月、飛騨での対面イベントや合宿、オンラインでのイベントを開催しています。
ヒダクマにとって大事なパートナーでありクライアントであるのが、愛知県と岐阜県を拠点に自動車部品用の素材加工を行う共栄鋼材株式会社。株式会社ロフトワークとFabCafe Nagoya、OKB総研による研修プログラム「未来構想スクール」の一環として行われた飛騨合宿がきっかけとなって、今も継続的に関係性が続いています。
「ヒダクマに入ってまだ半年くらいのとき、共栄鋼材さんの合宿に携わらせてもらいました。初めて担当した2日間の合宿で、共栄鋼材の社員の方の発言ややる気が引き出されていたのを感じ、鋼材を扱う企業の方にとっても、飛騨のバリューチェーンは学びが感じられるフィールドなんだと気づいたんです」
合宿での活動を社内にも波及させるべく、共栄鋼材拠点内に社内外の人が行き交うコミュニケーションスペースをパーシモンヒルズ・アーキテクツ、ヒダクマとの協働でつくりました。同社との共創は勢いを増しているようで、「この取り組みがいかにすごいことなのか、関係者やチーム外へももっと広げたいと思っていて、共栄鋼材さんの活動や拠点を紹介するツアーやトークイベントも継続的に実施しています」。
これまでのヒダクマの、そして自らの経験を生かした新プロジェクト
そんな松山さんが「これまでの経験の集大成的なプロジェクト」として、本腰を据えて取り組んでいるのが「森林バンク制度設計」の仕事。2020年から飛騨市とともに「広葉樹のまちづくり学校」を続けてきた結果、森への知見がだいぶ蓄積されてきたヒダクマ。この度他の自治体からの森林活用についての相談を受け、森を使いたい人と地権者のマッチング制度の設計を行っているとのこと。
「制度設計はヒダクマにとっても初めてのため試行錯誤なんですが、今まで飛騨の森で実践してきたバックグラウンドを生かしながら、いかに制度に落とし込み、森を使ってもらうのかを考えています」
また、間もなくはじまるのが、温泉街にある50年間放置されてきた森を“テナント貸し”して有効活用しようという試み。制度づくりやテナント貸しという、広報部署とは一見畑違いのプロジェクトにも思えますが、ふと、学生時代に土の研究をしていたからこその視点が効いてくるのでは?と思い尋ねてみました。
「土ってわかりづらいもの。だからこそ伝えたい気持ちはあったので、それが根底にある森をどう生かすかが肝であるこのプロジェクトに、当時の研究が繋がっているような気がします」
学んでいるときは将来それがどう繋がるかわからないものだけど、いつかは実を結ぶ、ということかもしれません。
ユニークなイベントが思いがけない出会いを生む
「ツキノワグマにとっての豊かな森を学ぶ」というフィールドワークは、松山さんがクマ研究者の安江悠真さんとともに企画したイベントです。森を人ではなく、そこに住むクマの視点で見るこのイベントは、すでに5回も開催し、毎度定員が埋まるほどの人気イベントに。
「ヒダクマはものづくりがメインの会社ですが、それだけではないことを発信したかったんです」
当初は設計やデザインなど、ものづくりに携わる方の参加を想定しながら募集したところ、木を伐採する方、テディベア作家、登山を通してクマの生態系に興味を持った方など、想定していなかったメンバーが集まりました。自分以上に森に真摯に向き合う異業種の参加者から、彼女自身が刺激を受けています。
利益追求だけではない。まずトライしてみる社風
マーケティング担当としては、より戦略的かつ、新規のプロジェクトの受注に直結するようなイベント設計をしなければという課題も感じているようですが、ヒダクマの社風についてこう語ります。
「直接的な利益を生まなくても、ヒダクマの取り組みを代弁できるテーマのイベントであればぜひやってみなよ、っと言ってもらえる会社。なので、色々なことにチャレンジできると思います」
常に結果が求められる大企業とは異なる柔軟さが、ヒダクマの魅力のひとつでもあるようです。そしてそれが、彼女の仕事への原動力にもなっています。
働き方に関しても、「それぞれのライフスタイルや方向性を汲んで、それに応じた働き方を考えてくれる」と話します。出産を控えた松山さんは産休育休をとる予定だが、女性社員で長期で休職するケースは初めてのため、当初不安もあったそう。しかしそんな懸念を一蹴する会社の前向きな言葉が後押しし、産後に復帰する予定です。
飛騨の暮らしの魅力について
登山が好きな松山さんは、「飛騨ならば山登り放題だなと思って(笑)」飛騨に住むことに抵抗はなかったと言います。実際、飛騨から外へ出ることが少なくなっても、いろいろな人に出会う機会が多いそう。
「アメリカで最先端の研究をしている大学教授や学生さんが飛騨を訪れ、世界の最新情報を得ることも。一方で、サーキュラーエコノミーに取り組んでいる事情や背景を大企業の方からお聞きしたり、日本各地で真摯に森に向き合う自治体、地元飛騨の職人さん、森林組合、個人の活動家からいろんな情報を得られます」
飛騨の匠に象徴されるように、この土地にはものづくりが好きで、それに関わる多種多様な人たちが集まってきます。そして「自然が暮らしに近い」ところも飛騨の魅力だとか。
「葉っぱで包まれた朴葉寿司を食べると、春を感じますね。地元の方が山や庭で採れた山菜の食べ方を教えてくれたり、自然が人の生活に結びついているんです」
気軽に話せるご近所との付き合いも楽しんでいる松山さん。「お裾分けで野菜やお米をいただき、お礼に地域のイベントでの労働でお返しして喜んでもらえたり」。お金ではない、与え合える関係性が心地よいそう。
自然に恵まれた環境下で、多様な人と交流しながら、自分の持ち味を生かした働き方を追求出来るヒダクマ。
ご興味を持たれた方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ご応募、お待ちしております。