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Column

ツバメアーキテクツとヒダクマの合同合宿

With ツバメアーキテクツ

Introduction はじめに

6月11日から13日までの3日間、ヒダクマはツバメアーキテクツとの合同合宿(通称ツバクマ合宿)を実施しました。ツバメアーキテクツからは、千葉さん・山道さん(ご家族で参加)・西川さんはじめ事務所の皆さん総勢12名が東京から飛騨まで来てくれました。ヒダクマもメンバー総出で参加し、森やまちで寝食をともにし、お互いの取り組みを理解し合いながら、交流を深めました。

ツバクマ合宿のこと

この合宿を企画したヒダクマの岩岡は合宿について以下のように考えていました:

そこにありそうで、見えていなかったもの。たしかにそこに存在はしているが、短絡を起こしてしまっている事象に、ごく自然と思われる迂回路(と経由地)を与えること。世の中には見えなくなってしまったものや、接続を失ってしまった事象がたくさんあります。私たちヒダクマの活動とは、それらをひとつずつ明らかにすることで誰かにとっての本来の豊かさを取り戻したり、私たち自身が気づかされることで地域一体となって昨日よりも進歩することなのだと思います。

一昨年の夏に開設した「森の端オフィス」のプロジェクトでは、ツバメアーキテクツ(主に千葉さん)と春夏秋冬季節の一循環を越えて、何度も飛騨の地域を巡り、森に入り、人の話を聞き、この地域の「連関」に注目をしてきました。2022年8月に成果はひとつの建築として結実はしましたが、一番大切な連関そのものは、前後周辺へと広がっており、「森の端計画」は今も日々動いています。

今回、ツバメアーキテクツとヒダクマが全員集合するちょっと思いきった合宿を催してみました。3日間の短い時間の中でぎゅっと連関を共体験することが目的です。2泊目のキャンプのとき、箱﨑さんが広葉樹のチップを使った燻製料理を振る舞ってくれたこと、木原さんがボーイスカウト仕込みのロープワークでテキパキと設営をし、気づいたら縄結び教室の先生になっていたこと、朝の森の中で西川さんたちが軽やかに運動している様子などがとても印象的でした。森の中で享受したものをみんなで分かち合い、発見した楽しみ方や方法をみんなで共有する、単純ながらも連関の中の営みの風景だと感じました。

普段はまちで暮らすツバメと、普段は森で暮らすクマが、友人となり、同じ言葉で話し、お互いの住処を行き来するようになったらどうなるだろう?絵本の中の話のような、不思議でワクワクする「ツバクマ」の物語をこれから描いていきたいと思います。

この合宿に参加した千葉さん・山道さん・西川さんから合宿の感想をいただきました。

千葉元生さん
広葉樹活用事例の見学、森歩き、町歩き、釣り、キャンプまで、バラバラなようでいて全てが飛騨の森とつながっていることを実感できました。地域の資源と繋がる暮らしは仕事も遊びも境なく連続しています。森や川と遊ぶようにして働く(それが踊るということ!?)ヒダクマの皆さんの様子に、ツバメメンバーは刺激をたっぷりいただきました。以前からやりたいと話していたツバクマ合宿が実現して感無量です!本当にありがとうございました!
(写真:釣りを楽しむ千葉さん)

 

山道拓人さん
飛騨はコモンズに溢れています。都市から遠いのも最高です。これまでの生業と共に、これからの建築を考えるためのヒントがたくさんあります。手仕事もデジタルを駆使する新技術も補完し合いながら活躍できそうな機運に溢れています。町家群や森林を歩くときは頭を切り替えながら思考していくことになります。ピンときた人は、とりあえず飛騨に向い、ヒダクマを訪ねるといいのではないでしょうか?
(写真:飛騨の森を歩く山道さん(写真一番右)

 

西川日満里さん
池が原の森歩きでは、人が森を管理するのではなく、自然のふるまいの範囲内で、少しだけ人も使えるように森の変化を後押しするという考え方が印象的でした。その後のキャンプでは樹皮でつくられたカレーを味わい、シラカバが香るサウナに蒸され、川音の中で眠り、森と人の生き生きとしたつながりを実感した2日間でした。ヒダクマのみなさんありがとうございました!
(写真:飛騨の森でヒダクマの松本と話す西川さん)

飛騨の森で語らったツバクマ合宿フォトレポート

Day1 ようこそ飛騨・ヒダクマへ。FabCafe Hida、森の端オフィス見学

とにかく楽しかったツバクマ合宿。その様子をたくさんの写真とともにお届けします。

東京から飛騨までは車で移動。道中の平湯にて足湯で温まるツバメの皆さん。郷土料理の豆腐ステーキが有名な飛騨国府にある人気食堂「国八」でランチを済ませたら、FabCafe Hidaへ向かいます。
今日の宿泊先でもあるFabCafe Hidaに到着。はじめに、皆さんが来てくれていつもに増してうれしそうなヒダクマの岩岡よりFabCafe Hidaをぐるりとご案内。続いて、飛騨古川のまち歩きツアーも実施。
そしていよいよ森の端オフィスへ。千葉さんから森の端オフィスの建築についての話をうかがいます。ツバメアーキテクツのほとんどの皆さんが初訪問。
ヒダクマの志田のアテンドで森の端オフィスに隣接する柳木材さんの中間土場へ。飛騨の広葉樹が集まる場所。同敷地内にあるヒダクマのリアル曲がり木センターや作業場も見学。
同じく森の端オフィスに隣接する西野製材所を見学。ヒダクマの松山より製材・乾燥の工程をお伝えしました。
森の端オフィスに戻って、ヒダクマのプレゼンテーション。代表の松本から、ヒダクマの設立について詳しく経緯をお話しました。
ヒダクマの門井から、岐阜県可児市にある鋼材メーカー共栄鋼材さんの未来構想空間のアウトプットや製作プロセスを紹介。パーシモンヒルズ・アーキテクツの柿木さん、飛騨の大工田中建築との連携について解説しました。また、ヒダクマの黒田より、伊藤維建築設計事務所とヒダクマで行ったFabCafe Tokyoのテラス什器の製作について紹介。
乾杯前の様子。夕食は、マザーズハウスのケータリング。メニューは、今の季節しか食べられない郷土料理の朴葉寿司や、テンションの上がる飛騨牛の焼肉、旬の野菜・キノコのグリル、こも豆腐などなど。
夕食の時間もそこそこに、はじまったのはツバメのプレゼンテーション。この前の設立経緯を説明した松本のプレゼンに合わせて、ツバメは当初のプレゼン内容を変えてくれ、初期のワークである旬八青果店から、ツルガソネ保育所・特養通り抜けプロジェクト、そしてBONUS TRACKに至るまでの思考を辿る話をしてくれました。
ツバメのプレゼンは今回の合宿のひとつのハイライトで、めちゃくちゃおもしろかったです。プレゼンの後のディスカッションも盛り上がりました。

Day2 飛騨の森へ

この日はFabCafe Hidaで、ゆうこのつくった朝食を食べて元気をつけた後、①池ヶ原の森②跡津川での釣り③岡田さんの森の3つのコースで、チームごとに出発。

こちら池ヶ原の森コースに行った時の様子。松本から、森の端オフィスに使われた池ケ原の広葉樹の森をご案内。急峻な森を歩いたり、施業の話を聞いたり、香木のクロモジを採取したりしました。初めて森に入って、解像度が高まった様子だったツバメのメンバーもいたそう。
池ヶ原の森コースのみんなは、美しい里山の風景が広がる板倉が点在する種蔵集落にも足を運びました。
こちらは、跡津川での釣りコースの皆さんの様子。志田先生の教えのもと、川釣りに挑戦。志田はみんなの仕掛けを直す係に徹しました。
釣りをする千葉さん。ヤマメを2匹釣りました!
こちらは岡田さんの森コースの様子。地域で先祖から受け継いだ森を地域内外の人に開こうと自力で道をつくった岡田さんの私有林です。針葉樹・広葉樹の森を散策しました。
釣りコースと岡田さんの森コースに行っていたメンバーは飛騨市役所で合流。矢野建築設計事務所とヒダクマが手掛けた飛騨市役所応接室を見学。
産直市場「そやな」へ。全員が合流。澤秀俊設計環境/SAWADEEが設計し、ヒダクマが内装・什器製作した空間を見学しつつ、お土産やこの後のキャンプでの食材を調達。

飛騨の森でキャンプ&サウナ

待ちに待ったテントサウナの時間。
サウナで温まった後、川の水で冷やす人たち。
森の中でととのう人。
カネモクさんの広葉樹のスモークチップHIDAMOCCで燻製。出来たてを食べました。
みんなでクッキング。
松本は広葉樹の樹皮だけをスパイスとしたカレーをつくってみんなに振る舞いました。美味しかった!
会は夜な夜な続きました。
翌朝の集合写真。楽しかったツバクマキャンプ!ツバメアーキテクツの皆さん、飛騨に来てくれてありがとうございました!

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