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人類はこれからの新しい時代にどう生き延びるのか ー ヨーロッパで憧れの職業、森の専門家フォレスターに『近自然』のビジョンを学ぶ!

 

豊かに生き延びることを追求し、これまで対立軸と考えられてきた「環境」と「豊かさ」を両立させようというニューパラダイム、近自然という理念があります。持続可能な森林管理と林業経営が体系的になっているスイスを始めとする中欧諸国では、森の専門職であるフォレスターという職業が高く注目され、地域の森と市場を熟知するエキスパートとして継続的に人材が輩出できるよう体系的な教育制度が確立されています。そのベースとなる理念が『近自然森づくり』。それは、人と森林が共存共栄するためのシステムづくりです。

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こんにちは!ヒダクマのあっこです。

私は今からちょうど2年前、住民票を手に飛騨の地に移り住みました。引越しの片付けも終わってない3日ほどの間に、森林組合の男性職員に紛れ、ヘルメットを被り、樹々が鬱蒼と茂る飛騨の森にいました。その時に初めて耳にしたのは『フォレスター』という森の専門職と『近自然』という理念。彼らから森の世界にまつわる体系的な話を聞いていたこの時 ーチュンチュンチュンと小鳥がさえずるのどかな森の中で、私の背中には稲妻が落ち、もはや洗礼ともいえる衝撃を浴びていたのです!

日本では、日常の生活の中で「林業」という言葉さえあまり耳にしませんよね。しかし、森を大切に考えるヨーロッパの国々では、森づくりの実務と学問の両方を学んだ有資格の専門職であるフォレスターは、なりたい職業ランキング上位を占める憧れの仕事にもなっているほど尊敬されているのだそうです。中欧諸国では、産業革命の時代に木を伐り過ぎて枯渇させてしまった反省から林業は高く注目され、森を大切に思う精神が深く根づいています。

そして、フォレスターの本質はスペシャリスト(専門家)ではなくユニバーサリスト(万能家)。奥地山林から都市近郊林まで幅広いフィールドを持ち、木質バイオマスのサプライチェーン(生産、加工、流通、消費)に、さらに地域のコミュニティーに広く関わる存在なのです。

そんなフォレスターによる近自然学の森づくりを推奨するのは、近自然森づくり研究会

6月29日(木)、近自然森づくり協会とヒダクマは、スイスで先行して近自然森づくりに取り組んできたフォレスター、ロルフ・シュトリッカー氏を飛騨に招き、森と経済について、森というリアルな現場で学びます。普段は森林関係者のみに限定されているワークショップを、この日限りは一般公開して行うことで、より多くの人に環境と豊かさを両立させるための森から始まるストーリーを聞いていただきたいと思っています。ぜひこの貴重な機会にご活用ください!

 スイス・フォレスター ワークショップ in 飛騨

■開催日時
2017年6月29日(木) 9:30~16:30

■開催場所
飛騨市内の森林 および FabCafe (飛騨市古川町弐之町6-17)

■講師等
ロルフ・シュトリッカー (スイス・フォレスター)
通訳:山脇正俊 (スイス近自然研究所)
コーディネーター :野村雅明 (木材コーディネーター) / 熊田洋子 (NPO法人 近自然森づくり協会)

■定 員 :30名様

■参加費:
・フォレスターWS 10,000円
・フォレスターWS+懇親会 15,000円
・フォレスターWS+懇親会+宿泊 20,000円(10名様限定)

■プログラム

9:00 飛騨古川駅裏駐車場待ち合わせ(車乗り合わせ)
9:30 森林公園の森
9:30〜12:00 フォレスターワークショップ第一部@飛騨の森
12:00〜13:00 昼食
13:00〜16:30フォレスターワークショップ第二部 @飛騨の森
17:30〜 FabCafe Hida宿泊の方はチェックイン
19:00〜21:00 懇親会@FabCafe Hida

■ワークショップ内容
第一部:
・森のはたらき 森の恵み
・森がよくなるとはどういうことか
・どうやって森をよくするのか

第二部:
・育てる木 伐る木
・伐った木を生かすにはどうしたらよいか(ディスカッション)

■懇親会内容
・参加者同志で語り合おう(飛騨の食事と地酒)
FabCafe案内ツアーつき
https://fabcafe.com/hida/

■お申し込み・お問合せ
<プログラム参加について>
熊田(NPO法人近自然森づくり協会 事務局)まで
TEL 070-2299-8507
Email: kumakobooja@gmail.com
<FabCafe Hida懇親会と宿泊について>
TEL 0577-57-7686
Email: info@hidakuma.com

■その他
定員になり次第申し込みを終了させていただきます。
午後からの参加も可能ですのでご相談ください。
費用は会場でお支払いください。

■FabCafe宿泊
ワークショップ + 懇親会セットで20,000円(限定10名様)
*朝食はつきません。ご希望の方はお知らせください。人数次第では相部屋となりますことをご了承ください。
FabCafe以外にご宿泊される方は、各自手配をお願いいたします。

■主 催
NPO法人近自然森づくり協会
■共 催
大栄環境グループ 飛騨市森林組合
■後 援
岐阜県フォレスター協会 飛騨市(予定)
■協 力 :
(株)飛騨の森でクマは踊る

■プロフィール

Rolf Stricker (ロルフ・シュトリッカー)さん スイス連邦チューリッヒ州バウマ村(旧ヴィラ村/シュテルネンベルグ村)フォレスター。スイスの林業を取り巻く状況は日本同様、いや日本以上に厳しい。人件費は日本の約2倍、日本と同様に急峻な地形、日本と同じく低迷する木材価格。しかし、彼は担当区で黒字経営を続け、地域住⺠から厚い信頼を得ている。林業にいち早くエコロジーの思想を持ち込み、環境貢献と林業経営が両立する多様で持続可能な森林管理を20年以上にわたり取り組んでいる彼のことを、フォレスター仲間は「グリーン・フォレスター」と呼んでいる。

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■フォレスターとは

スイスのフォレスターは、森林作業員の国家資格を取得後に作業員としての実務経験、フォレスター学校を経てフォレスターの国家資格を取得した人材が就き、それぞれの担当区の森林管理・林業経営の業務を行う。一人あたりの担当面積は数百から千ヘクタール程度までが一般的で、市町村や州が雇用する公務員の身分であることが多い(稀に森林所有者組合が雇用するこ ともある)。スイスの全ての森林は私有林・公有林にかかわらずフォレスターの管理下にある。フォレスターの仕事は多岐に渡る。州などが設定する森林のゾーニング(機能の優先順位)や現場の状況、およびフォレスター自身が目指す森づくりの方針に基づいて、伐採収穫のプランニング、伐採木のマーキング、作業の指示(直営の作業班を持つ 場合)や発注(直営の作業班を持たない場合)、木材の販売と販路の開拓、森林所有者への精算、狩猟の管理、保安林機能の維持向上など。そして、私有林では森林所有者へのアドバイスや集約化、林業経営の代行なども小規模所有者の多い スイスでは重要な役割となる。 加えて近年はエコロジーや市⺠の余暇利用に関するニーズが高まってきており、生物多様性の維持と促進、侵入する外来種の調査と排除、自然保護区の監督、森林内の小川や林道、遊歩道の管理なども業務に上げられ、森林が持つ防災、エコロジー、エコノミー、さらにはレクリエーション等の多面な機能と持続性に対して、森の万能家として総合的な管理を行う。 フォレスターは基本的に担当地区から異動することはなく、地域の森林の将来について明確な責任を負っている。それに対し、狩猟や違法伐採についての警察権や、森林所有者であってもフォレスターの許可なしに木を伐ることはできない、などの相応の権限がある。

ヒダクマの森3