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Smart Craft Studio in Hida 2017 第1週目 ー 新しい学びに夢中 “伝統 + 木工 + IoT + AI + 地域コミュニティ”

Day 1 – 飛騨市長の挨拶とローカルバンドのダンサブルな音楽で歓迎を受ける

5/28(日)、ニューヨーク(アメリカ)、トロント(カナダ)、台北(台湾)、香港から建築、デザイン、ファッション、メディアテクノロジーを専攻する30人の学生を迎えて23日間のデザイン合宿、Smart Craft Studio in Hida 2017をスタートしました。初日は飛騨市長の都竹氏による歓迎の挨拶と飛騨の紹介でスタートしました。飛騨の地酒が地域通貨のように機能していることや、町の人の景観への配慮、飛騨古川祭りが人々の協調性の豊穣に寄与していること、そしてヒダクマと共に取り組んでいる広葉樹活用や伝統の組木技術の継承などに関するチャレンジについてお話いただきました。

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その後は歓迎パーティーを開催し、地酒と飛騨の郷土料理を楽しみ、学生たちは市長の手酌による地酒を楽しみました。途中、地元バンドの突然の襲来があり、彼らのリズミカルな演奏に導かれ楽しく踊る一夜となりました。

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 Day 2 – 森を知り、町を体験する

2日目は森歩きからスタートしました。飛騨市役所員の竹田さんのガイドにより、林業の状況や木材の未活用など日本が瀕している状況についてお話いただきました。

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午後は製材所を訪問し、丸太から板材に製材されるところを見学し、木材を製品として使えるようにするまでの乾燥の重要さを学びました。一同は広葉樹の一枚板を見てその個性の豊かさ、その木目や色の美しさに見とれている様子で、未活用のこれらの広葉樹を活用することで森が豊かになり、ひいては人間の未来の豊かな暮らしにつながることを感じ取りました。さらにこれらの木材が都市部の販売価格の3割で販売されていることにも興奮していました。
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次に訪れたのは、飛騨の匠によって編み出された様々な組木技術が見られる匠文化館。飛騨の建築士の直井さんの説明で、組木の構造、家々にある匠の称号として描かれる”雲”の話を聞きました。匠文化館ではたくさんの奇怪とも言えるような複雑な構造の組み木があります。直井さんによると、過去の匠が必ずしも実用的でない組み木をいくつも生み出した理由は、未来の匠への挑戦状だったそうです。「未来の匠よ、これを外せるか!?」といったように。

もうひとつ興味深かったお話は、飛騨の匠は組み目を隠すということです。デザイナーの視点からすると美しい組目はむしろ光を当てたいところだと考えますが、こういった控えめの美意識からも、飛騨びとの特性を読み取ることができます。

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この日の最後は、飛騨古川の町歩きをしました。古川の町は匠の組木技術がそこかしこに見られます。寺や神社や家々の梁に、柱に、建具に格子に。町全体がまるで美術館のようです。何百年も住み続けるために生まれた組木技術が生かされた家が立ち並ぶ町は、凛とした風格を持ち合わせています。

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Day 3 – 木工体験と木材をデザイン視点、製品活用の視点で見る

3日目は飛騨エリアで一番歴史のある家具メーカーの飛騨産業のショールーム、工場、研究室を訪れました。

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飛騨産業は90年の歴史があり、ヨーロッパから曲木技術を日本に取り込んだ初の家具メーカーです。その優れた木工技術のクオリティは世界中から一目置かれる存在であり、皇族向けの家具製作や、2016年の伊勢サミットではカンファレンス用のテーブルを製作しています。

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最近では、社会的な観点から、間伐した杉材の家具利用のため、杉圧縮技術の研究を始めました。それと合わせ、端材を活用してアロマエッセンスの抽出技術研究も行っています。飛騨産業きつつき研究所所長の棚橋博士は、丸太を四角に圧縮した木材や伸縮性のある木材など、長期にわたる研究の成果を見せてくれました。

P2700598P2700631午後は飛騨産業のオフィスにて、飛騨産業が運営している木工学舎の学長である玉田先生から、鉋削りや曲木の技術で花瓶をつくる実習を受けた後に、木目の読み方 ー 木目をデザイン的視点で見ることと木目の方向とパワーの関係性について学びました。P2700669

P2700722夜は、筑波大学の津田先生から森の遺伝的多様性の大切さについての講義を受け、森と木が私たちの生活と切り離せないことを学びました。

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Day 4 – 地域リサーチとAI学習

4日目はパーソンズ美術大学のデザインテクノロジーの講師、カイル・リーによるAIの講義を受けました。数人の学生にとってはAIを学ぶことは初めてでしたが、彼のジョーク混じりの愉快なテンポと初心者でもわかりやすいように設計された講義に誘導され、新たなテクノロジーに秘められた大いなる可能性に前のめりになっていました。

P2700800 カイルは、日本に降り立ってから飛騨に来るまでの行程がいかに困難だったかを共有するところからAIについての可能性を話し始めました。言語がわからない者が、十分なサインのない環境にどのように対応できるのか?ー 学生たちにも、これまでの困難な体験を振り返り、どのような解決策があったらその時の経験がより良いものになっていたかを考えさせる作業を促しました。P2700820P2710007

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Day 5 – 地域リサーチとワトソン

5日目の朝は、各グループに分かれ、地域の人たちへのインタビューを行いました。インタビューは、彼らの生活や仕事、問題や飛騨に対しての思いなどをヒアリングするところからスタートしました。このインタビューの目的は、試作品のコンセプトとなる可能性や課題を発見することです。学生たちにとっては地域の人たちと触れ合い、つながりをつくる機会となりました。飛騨の人々はとてもフレンドリーで質問にもオープン。農家さんにインタビューをしたチームはレタスを一人ひとつもらいました。interview午後はカイルの講義を続きを行い、マイクを使ってワトソンに話しかけ、コマンドを覚えさせる実験を行いました。
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たくさん頭を働かせた1日の最後には、飛騨の料亭の夕ご飯が待っています。学生たちは胃腸と味覚を満たします。

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夕食の後は、飛騨市林業振興課の中村課長による林業の講義を受けました。日本が瀕している林業の問題からスタートし、同時に、日本や飛騨の持っている木材という資産の価値について話していただきました。中でも、「林業は自然と向き合うことだが、自然は人間が予測できるものではない。それでも、計算し施策を打つことで日本の林業の価値や信頼を高めていくことはできる。」と話されたのが印象的でした。

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Day 6 – グループディスカッションと + IoT ワークショップ

1週目の最後の日となる6日目は、IAMAS (情報科学芸術大学院大学)の小林茂教授からIoTのワークショップを受けました。ラズベリーパイをつかい、インターネットと物を結びつける実習です。IMG_3053 午後は、前日のインタビューからのインサイトを話し合い、ポストイットにキーワードを書き出す作業を行いました。そこからコンセプトを抽出することが目的です。IMG_3054 IMG_3081