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「飛騨を象徴するようなランドマークとしての作品をつくろう」- Smart Craft Studio Hida 2016 チーム 1 レポート

Smart Craft Studio Hida 2016に参加したチーム1のプロトタイピングをつくるまでのプロセス、葛藤、成果について、ティーチングアシスタントをしていた羽切花那(ハギリカナ)さんからのレポートです。

This is a report by Kana Hagiri, a teaching assistant for Team 1 for the Smart Craft Studio Hida 2016. Here, she talks about the process, issues and outcome during the camp.

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“H!DA BENCH”

こんにちは。私は今回、Smart Craft Studio Hida 2016 チーム1のティーチングアシスタントとしてチームのサポート役として合宿に参加した羽切花那です。

まずは私のチームメンバーからご紹介します。
台湾のNCTUからチュンヘン、パーソンズからチェイピン、トロントからジャービッド、とマーティン、そして私の全5名で構成されています。

まず、私たちが今回のプロトタイピングを行うにあたり、注目したのは観光客にとっての飛騨でした。

生活リズムが自然とともにあるからなのか、お店の開く時間は朝も夜も早いです。

私も飛騨にくること自体が初めてだったので夜の静けさや空の綺麗なことに驚き、到着間際のカメラのメモリの消費が激しかったことを覚えています。

せっかく1日中飛騨を楽しもうと思っても、日が暮れると土地に関する情報を得にくくなってしまう…チームメイトたちはそれを如実に感じていたようで、土地に根付いた歴史や魅力を伝えるものが時間に関係なくあって欲しい、というところがスタートでした。

そう言った考えから飛騨を象徴するような、ランドマークとしての作品を作るということになりました。

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町並みも情緒ある風景が続いている反面似た景色が続くので慣れるまで迷いやすくもあり、一定間隔をおいて町角に設置していくことで、初めて訪れる人が目印にも利用できるようにという提案です。

さらには地元にも馴染み利用されるようなものとしてベンチが挙がり、そこから具体的な形や大きさの検討のために周辺のリサーチやどういった情報を作品が示せたらいいのかなどを詰めていきました。

なんどもミーティングを重ね、できた作品がこちらです。

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外の明るさに応じてLEDが光り、継手や組木の美しさを照らしながら訪れた人々が遠くからでもわかるような仕掛けとなっています。

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ベンチにはNFCチップが埋め込まれており、対応したスマートフォンをかざすことで場所ごとに異なる情報を人々は得ることができ、そこからまた気になった場所へと次々にベンチを道標にしながら飛騨の町を歩くことができる…IoTと土地、人々の関係はこういったテーマでつながりました。

組木との格闘

形の面では、伝統技術の一つである組木を用いることで、飛騨らしさと歴史を感じさせるようなベンチにすることが私たちの目標でした。

脚部分では本格的な組木に取り組むことになり、大工をなさっている田中さんに「俺が作ろうとしても3日かかる」と言われ組木の数を減らしながらも3軸の千鳥格子を作ることを妥協はしませんでした。最後の日は全員で嵌めては削りを繰り返しながらホゾを微調整して組みあげて行ったのが一番記憶に残っています。

そうして完成した、夜に照らし出された千鳥格子の様子は寺院のような雰囲気すらあり、チーム皆でやれたことというのが形になったかのようで感慨深いものになりました。

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継手モチーフの天板は、その形を見せるためにLEDを仕込むギャップを空けた状態でデザインしたのですが、構造的に弱い部分ともなってしまったため隙間に座られないような形または強度への工夫が必要だったというところはもう少しブラッシュアップできたらよかったと感じました。

この3週間を糧に

今回のワークショップを通して、いろんなプロフェッショナルな方々からレクチャーを受けたり工場や実験場を見学でき、大変学びの多い3週間を過ごしました。

木を用いた古くから伝わる技術とIoTの組み合わせに、新しいけれど手になじむ作品が生まれるという可能性を感じました。また、他のチームの作品にもらった刺激を今後の自分の制作に活かせていけたらと思っております。

違う国から集まって、英語とスケッチとモノを共通の言葉にしてそれぞれの考えを聞いたり意見を言ったりする体験は私がワークショップでやりたかったことでもあり、辛抱強くやり取りをしてくれたチームメイトにとても感謝しています。

最後にチームメイトのみなさん+アサオカさんの写真で締めたいと思います。貴重な体験をありがとうございました!

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