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木工の新しい表現に挑む。
グラフィックデザインの視点を取り入れた、 美しすぎる木目のテーブル。

2018年1月、ヒダクマに3名のデザイナーや建築家の方が訪れ、今までになかった新しい表現を用いてテーブルを製作しました。色の異なる樹種を組み合わせることで、そのコントラストが物質に視覚的にシャープさを与えることができるのではないか。グラフィックデザインとプロダクトデザインの間のような作品を目指しました。その4日間の製作記録をお届けします。

東京から、はるばる雪深い飛騨へ来られたのが、こちらの方々↓

右から
平野 雄介 さん / 空間デザイナー / 総合学園ヒューマンアカデミー 講師
池田 匠 さん/ 建築家 / 総合学園ヒューマンアカデミー 講師
豊里 美咲 さん /総合学園ヒューマンアカデミー 学生

異なる木の色のコントラストで、物質を視覚的シャープに見せる方法を探る。

最も多様な素材の1つである木は、樹種によって木目や色味、性質がまったく異なります。多種多様な木材の色や木目の構成で、グラフィックデザインのような表現をできないか模索をしていた平野さんら。2つの色の異なる樹種を組み合わせ、その色のコントラストで視覚的にシャープにみせることができるのではないか(!?)と考えたそうです。その手法を用いて製作したのが今回のテーブル。
文章で説明してもいまいちピンと来ませんね…

最初にいただいたイメージはこちら↓

こちらの2つの写真は以前プロトタイプしたテーブルで、異なる色の材料を斜めに組み合わせることで、エッジをシャープに見せるという視覚的効果を生み出す実験をしたそうです。

より高いクオリティを目指し、飛騨へ。

豊富な木材を使って新しいものを生み出そうとしている私達ヒダクマに興味を持っていただき、飛騨で一緒に製作することになりました。

1日目。老舗木材屋さんで、貴重な材料を入手

1日目は飛騨の製材所や木工所を訪れて、今回の製作にぴったりな材料を探しました。その中で、「柳木材」さんで、何十年も前から倉庫に眠っていた「ネズコ」の板を入手。

飛騨古川の老舗、柳木材で材料を調達。同社では、山に入って木を切るところからやっています。

”ネズは昔は建材によー使ったが、今では滅多に使わんくなった。やで今ではほとんど流通せん。もう岐阜県中探しても持っとるのはウチだけやな。”

…と話す柳木材の横井氏(実際はもっとアクセントの強い飛騨弁で喋られています)。
現在は木材販売をやられている柳木材さんは、その昔 建築の工務店でもありました。その時使っていた大量の建材類が、今も倉庫にストックされています。
ネズコは、木曽五木の1つに数えられ、高い耐久性を持った最強の針葉樹として知られています。非常に強い抗菌作用も持っており、この木でテーブルを作ればなんとハエ虫がいっさい寄らなくなるんだとか。
あまりの強い抗菌作用に、削った時の木くずでアレルギーを起こしてしまう大工さんも多いそうです。

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“この木は木目は綺麗やけど時間が立つとだいぶ黒うなってまうぞ、それでもええんか?”

むしろ好都合です!色の濃い木と白い木を組み合わせるというのが今回の目的なので、そのうちの黒い木を入手するというミッションを遂行。

 

FabCafeに戻って打ち合わせ。どうすればこのアイデアを実現できるか一緒に議論します。

熟考の末、白い木と黒い木を斜めに接着した10mm厚ほどの板を予め作り、それを天板のエッジに貼り付けるという仕様で製作することにしました。この方法ならうまくできそうです!

2日目 寸法を決め、材料を切り出す

image13↑色の濃い木がさきほどのネズコに対し、白い木にあたるものが、このミズメです。雪のようにキラキラと輝く上品な白さを持っていて、中身はずっしりと詰まっていて硬い木。天板に使えば、多少のことでは傷が付きません。

image14↑バンドソーやプレーナーを使って、製材してゆきます。3人いると作業が早いです!

↑天板用の板にビスケットジョイントの加工をします。

image4↑ひとまず天板の接着は完成!すでに白銀の輝きを放っているミズメさんです。

 

3日目。斜めに接着した脚をつくる

image20こちらは脚になる材料の墨付け。この斜めのパーツを切り出す際は、このように型をなぞってマーキングし、その線をバンドソーでカットしてゆきます。

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斜めの型はもちろんレーザーカッターを使えば簡単に作れます。複雑な形のものもデジタルファブリケーション機器を使って素早く作れてしまうのが、FabCafeの得意とするところ!

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複数のパーツをまとめて接着。白と黒のコントラストが浮き上がってきました!

3日目にはすでに慣れた手つきの皆さんです

4日目。ひたすら研磨の後組み立て。そして完成へ。

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最終日となる4日目は、接着が終わった天板をひたすら研磨して、表面を仕上げてゆきます。粗いサンドペーパーで磨いたら細かいサンドペーパーで磨き、さらに細かいサンドペーパーで磨き上げるという修行のような工程です。

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脚もできてきました!
見ればみるほど不思議なコンポジションです。

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足の位置を決めます。バランスのいい位置に足を設置しないと、天板がたわんだり、自分の足がぶつかったりするので慎重に決めてゆきます。

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平野さん、ここでなんと足の位置を前と後ろで異なる位置に付けることで、「遠近感」を演出し、天板の奥行きが広くみせるという大胆な作戦に出ます。

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試しに写真を逆さにして見てみましょう。
写真の奥の2本の足が、手前の足よりも内側に取り付けられています。そうすることで遠近感があるように錯覚し、天板が大きくみえてしまいます(!)

そして完成したテーブルがこちら

ミズメの白と、ネズコの茶が、視覚的シャープさを与えるテーブルが完成しました。絶妙な面の繋がりも要注目です。

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ディテール写真をどうぞ。

先端にいくにつれ尖ってみえる足と天板。

白く輝くミズメと、深みのある味わいのネズコ。

天板は廻り縁を貼っています。

面の繋がりも美しく仕上がりました。

デザイナーの方がもともと温めいたアイデアを一緒にブラッシュアップし、想像していたものよりも遥かに素晴らしいクオリティのものが完成しました。コンセプトに合う木材を一緒に探し、思いもよらない良材を入手できたことも良い思い出。
ヒダクマスタッフも、普通ではやらないような加工や考え方を実践するとても良い経験となりました。

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↑完成後に記念写真をパチリ

お客様のコメント

“テーブルの木材選びから、製作方法の検討、製作作業を蔵長の浅岡さんと共に検討し、より良い形を模索しながら、作品を完成に導けた事は、作業プロセスも本当に楽しい時間でした。
飛騨の様々な材木に触れられた事や、製作に集中できる環境は、他のアイディアを持ち込んで、また伺いたくなる体験です”

飛騨に来て、あなたのアイデアを一緒に形にしてみませんか。

ヒダクマが運営するFabCafe hidaでは、滞在しながらじっくりとものづくりができるプログラムをご用意しています。材料の選定や、製作は専門スタッフがフルサポート。
お問い合わせや金額感のお見積りなど、ぜひお気軽にご相談ください。

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