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長さ4メートル、重さ200キロ。巨大キッチンカウンターとミーティングテーブルを、渋谷のビルの3階へ。

7月に渋谷にオープンした新しいクリエイティブスペース「100BANCH」。100年先の世界を豊かにする実験区の為の家具として、飛騨の木を使った家具をヒダクマで製作しました。製作したのは、ネズコの柱材を接ぎ合わせた巨大なテーブルトップ。サイズは4000mm × 1100mm × 100mmを2枚。100ミリ各のネズコの柱材を11本接ぎ合わせて製作しました。その重さ200kg。過去に製作したテーブル天板の中でもダントツのサイズ・・・。まずは材料を探すところからスタートしました。

虫を一切寄せ付けない、最強の針葉樹、ネズコ。

100ミリ角の材は、柱材として多く流通している針葉樹材を使うことにしました。使用したものは、飛騨古川の老舗材木屋「柳木材」で、何十年も前からストックされていた「ネズコ」。
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ネズコは、ヒノキ科クロベ属の常緑針葉樹。
日本固有の木で、木曽五木の1つに数えられます。柔らかくて軽い木ですが、非常に強い抗菌作用を持っており、この木を使った部屋にはハエが寄ってこないと言われているほど。腐食にも強く、水回りに使っても長持ちします。しかし、その成分の強さから 粉塵を吸うと酷いアレルギー症状をひこ起こす人もいるそうです。

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反りや割れがないか、一本一本丁寧に確認し、材料を選定。

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このボリュームとなるともはやフォークリフトは必須。免許取ろうかな・・・。

100ミリ角の角材の圧着。キーとなるのは最強の接着剤ピーアイボンド。

仕入れた材を加工して100ミリ角に仕上げ、いざ並べてみるとはやりすごいボリューム。
これだけ巨大な材同士を接着するのは容易ではありません。材が長い分、反りなどによる反動が大きくなる為、強力が接着が必要となります。
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接着前に、一回並べてをボリューム感を確認。推定200キロ。ちなみに製作者アサオカの体重は50キロです。。

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特に強度が必要とされる部分に使われる「ピーアイボンド」。2液を混ぜてから使います。木の繊維の置くまで入り込み、強力に固まります。その硬度はあらゆる木工用接着剤の中でもトップクラス。右から、タイトボンド、ピーアイボンド本剤、ピーアイボンド架橋剤、混ぜたピーアイボンド。
ヒダクマでは基本的にこれらの接着剤を使い分けて製作をしています。

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接着剤を塗布して、圧着するまでに残されている時間はわずか15分程度。ちんたらしていると接着剤が乾いてしまうので、手際の良さが必要とされる仕事です。(のんきに写真など撮っている暇はなかったので、接着後の写真で失礼します。。)なお、11本を一度に接着することは困難だったので、数回に分けて接着することにしました。接着剤が乾くまで一晩おく必要があります。

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クランプは全部で20本くらい使いました。

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接着後は、スチールの脚と合体する為の溝加工。丸ノコやルーターを駆使して、深さ60ミリの溝を掘りました。(失敗したらやばい・・・)

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溝の端部の最後の仕上げはノミで手加工です。

木の内部に浸透して中から固める、木固め塗装

木のそのままの質感を保つため、塗装でコーティング感じを出したくない。でも汚れや水には強くしたい・・・。そんな贅沢な要望を叶えるのは、「木固め塗装」です。
ウレタン成分の塗装ですが、通常のウレタンと違うのは木をコーティングしてしまわないこと。木の内部まで深く浸透し、木の水分と結合することで硬化。結果、柔らかい木でもけっこうな硬さになり、水にも強くなります。
このネズコカウンターも、木固め塗装を施しました。

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塗布すると、濡れ色になるイメージ。塗れば塗るほどどんどん吸い込んでいきます。

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艶は少なくマットな仕上がりに。手触りも、木の感触そのままです。

クレーンを使って、渋谷のビルの3階に搬入。

この4メートルの巨大カウンターの納入先は、東京、渋谷。ビルの3階。人力で運ぶのはもはや不可能なので、クレーンを使って搬入しました。

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たった1本のロープで釣られるネズコカウンター。窓付近には障害物あり。針の穴を通すかのような操縦テクニックが要求されそうです。

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操縦者とコミュニケーションを取り、わずかな上げ下げや回転などの調整を行う。これは命がけ・・・!

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3階では10人体制で応戦。なんとか無事搬入することができました。

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脚も無事合体。10人がけの巨大ミーティングカウンターの完成です!

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もう一方はキッチンカウンターとなります。

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コンクリートとの相性は抜群ですね!

なかなか手に入らない木材の調達から、巨大家具の製作まで、ヒダクマの挑戦は続きます。
なお、本件の設計は、建築家 長坂常さん率いるスキーマ建築計画
細かいディテールまで非常に濃密に設計された家具や空間となっています。100BANCHのオープンは7月7日。渋谷に来られた際は、ぜひ一度訪れてみてください!