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キングストン大学建築ユニットによる木材合宿レポート Day 3 and 4

Day 3

 

鮎飛さんのガイドによる古川町歩き

3日目は古川の町で町歩きガイドを数十年にわたり行っている鮎飛さんと共にキースポットを巡る町歩きを行いました。

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初めて見る干し柿やその干し方の美しさにみんな魅了されている様子でした。

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古川では川を美しく保つために鯉を飼い始めたお話もしていただきました。

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匠の技術が光る町さながら、そこかしこにその技術が垣間見られます。円光寺の柱には金輪継ぎの技術で寺にとって大切な門の柱を数百年にわたり支え続けています。

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古川の町には住民にとって大切な飛騨古川祭りの屋台を収納する蔵が9つあります。

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FabCafe hidaのお向かいさんの竹林さんは建築士として、これまでに古川の町の約100軒もの家をデザイン、設計してきた方です。その美しい伝統建築のお家を拝見させていただきました。2016-11-06 11.01.39

飛騨の匠の技術の奥深さを知れる組木の博物館「匠文化館」訪問

飛騨の匠の技術である組木を展示している博物館、”匠文化館”の訪問。飛騨古川で伝統建築構法の継承に尽力する直井さんからご説明をいただきました。

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「これほどたくさんの組木の種類があるのはどうしてか?」という質問に対し、直井さんは「これは未来への挑戦状なのです」と話します。機能性で見ると組木の種類はそれほど多い必要はないのですが、過去の匠は、自分たちが建てた柱を未来の匠たちは組み外せるのかチャレンジするために幾つもの複雑な組木を編み出したと言います。学生さんたちは特に、360度回転して外す奇怪な組木に大興奮していました。

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お昼は高山市のお蕎麦を食べながら、発表作品についてアイデアを出し合います。その中で、飛騨の人たちにとって大切な存在である飛騨古川祭りの屋台の話になりました。屋台をつくれないか? そんなひとりの意見からアイデアは具体化していきます。2016-11-06 14.57.12

高山市の日下部民藝館訪問

飛騨古川の街並みや建築は高山の影響を多く受けています。そこで建築を専攻する学生としては高山の伝統建築を見逃すわけにはいきません。幕府(代官所)の御用商人として栄えた商家である日下部家を訪問しました。
ここでは個々に分かれ、注目ポイントを撮影したりスケッチする作業を行いました。

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吉島家訪問

次に訪れたのは明治40年に建築され、国の重要文化財に指定されている吉島家。日下部家が男性的な建物に対し、この吉島家は建物のすみずみまで神経のゆきとどいた、繊細さと女性的な美しさのある建物といわれています。

ここでも撮影やスケッチを行います。

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FabCafe hidaに戻ってからは早速溜まったアイデアを落とし込むワークをスタート。アイデアを形にするためにブレインストーミングを行います。

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工房で実際に手を動かし木をつかって作品をつくるチーム、3Dプリンターでモデルをつくるチーム、発表のプレゼンをするチームの3つに分かれて作業をスタートしました。

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その間、飛騨古川の胃袋を掴んでいるという”やまもと”のお母さんがみんなのご飯を用意してくれます。

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伝統の飛騨郷土料理を楽しみながら意見交換は続きます。

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Day 4

 

西野製材所訪問ー製材加工現場を見る

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4日目は朝から岐阜県内でも広葉樹の扱い量が最も多い西野製材所を訪れました。木の皮むきの現場から見学はスタートします。皮を剥くのは、木にたくさん付着した細かい石などを落として大工さんたちが使う刃物が傷つかないようにすることと、皮と実の間に入りがちな虫を取り除き、木が病気にかからないようにするためです。

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次に丸太をスライスし板材にします。

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西野製材所では、地産地消に力を入れ、できるだけ飛騨産の材を扱っています。広葉樹は家具として使える材ですが、使えるようにするためには天然乾燥を1年から1年半以上行い含水量を20%まで落とします。それ以上は天乾では落ちないため、その後は、乾燥機に入れる人口乾燥を10日から2週間行い、10%以下まで落とします。

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学生たちは特に一枚板の広葉樹の美しさに圧倒されていました。木目が複雑で、木が成長する際に起きる”縮れ(ちじれ)”が入っているほどに価値が高いという話に驚いている様子でした。

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田中建築

次は、同じく飛騨古川にてデザイン、設計、建築までを行う田中建築の田中さんの工場を訪問しました。

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田中さんは建築以外に木材の買い付け、在庫管理、人口乾燥、製材も行います。その経験から培った専門家の知見を共有していただきました。

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工場では実際の建築現場さながらに、それぞれの職人が加工を担当し、一気に組み上げまでを行うデモンストレーションを見せてくれました。細部まで気をつかいながらも驚きの速さで組み上げる完璧な腕とチームワークの良さに、声もなくただただ見入っている様子でした。

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最後に、田中さんが無垢の木だけで作った新築のご自宅を拝見し、匠の技が施された見事な梁や広葉樹の家具、そして自然と共に暮らすことを大切にしている姿勢を学ぶことができました。

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生花体験

FabCafe hidaへ戻り、華道の先生、西村先生の指導により生花ワークショップを行いました。

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地域のお母さん達5人ほどがアシスタントとして来てくださいました。学生さんたちは初めての生花体験。盛るのではなく、いかに引くことが大切か(less is more)ということを教わりました。最初は、建築合宿においてなぜ生花なんかやるんだ、と懐疑的だった先生も、「生花を通して日本の美観や侘び寂びのカルチャーを少し理解することができた上に、建築において欠かせない構造(ストラクチャー)づくりのインスピレーションにもなった、今回のプログラムの中でも一番楽しかったコンテンツだった」と話していました。

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デザインスタジオ

プログラムが終わると明日の発表に向け、チームに分かれて具体的なアクションプランを相談します。

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飛騨に欠かせない水と生活の話

飛騨古川には瀬戸川をはじめ、綺麗な水の流れる川がたくさんあります。飛騨に住む多くの人が山に湧き水を汲みに行って飲料水として活用しているほど飛騨の水はとても綺麗です。米、野菜、日本酒、味噌など飛騨の食材がどれも味が良いのは水が美しいからです。さて、その水、歴史的には人々の生活にどのように密接に結びついていたのでしょう?そんな話をしていただくためにFabCafe hidaのお向かいに住まわれている竹林さんに昔の暮らしぶりを伺いました。

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昔は家の前にある水を使って野菜を洗い、洗濯をしたりして活用していたそうです。生活に欠かせない水を未来も大切に使いつづけていくために鯉を飼い始め、みんなで水を綺麗に保つよう飛騨市として取り組んでいるのだそうです。

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Day 5へ続く

https://hidakuma.com/blog/kingstonunicampday5/