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キングストン大学建築ユニットによる木材合宿レポート Day 1 and 2

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ヒダクマは、2016年11月4日(金)から11月9日(水)までの5日間、イギリスのキングストン大学の建築を専攻する学生と講師20名を飛騨に迎え、デジタルものづくりカフェ「FabCafe Hida」(岐阜・飛騨市)を拠点に短期集中の滞在型ワークショップを行いました。合宿の目的は、早津毅氏、ジム・リード(Jim Reed)氏率いるチームのテーマである「建築において主要な素材である木を理解する」こと。林業に関わる一連の流通に始まり、木造建築と生活様式を観察し、社会的、経済的、政治的、そして技術的課題を考察して木材利用の理解を深めます。さらにローカルとグローバルの比較検討を行うため、イギリスではスコットランドの針葉樹林を訪ね、日本においては森林が豊富で木材加工技術の集積する飛騨をリサーチ対象として訪問しました。

5日間のプログラムは以下のとおり。

Day 1:
飛騨到着

Day 2:
宮川の森の施業現場訪問
種蔵集落訪問
建築士 荒木昌平の工場訪問
まんが王国の温泉訪問
歓迎会
デザインスタジオ(作品製作のためのプロトタイピング)

Day 3:
鮎飛さんのガイドによる古川町歩き
匠文化館(組木博物館)訪問
高山町歩き
– 日下部民芸館訪問
– 吉島家訪問
デザインスタジオ

Day 4:
西野製材所訪問
田中建築訪問
西村先生による生花ワークショップ
竹林さんからの水と生活のお話
デザインスタジオ

Day 5:
プロトタイピング
作品発表
送別会

Day 1

 

FabCafe hidaへ到着

ロンドン〜東京〜飛騨と数十時間の旅路を経て、11月4日(金)夕方にキングストン大学の学生さんたちはFabCafe hidaに到着しました。夕食は飛騨古川のキンコンカンで定食を食べ団欒するチームや翌日からのリサーチ準備をするチームなどそれぞれの夜を過ごします。

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Day 2

 

森の施行現場訪問

11月5日(日)の2日目の朝は、飛騨市森林組合さんのご協力を得て宮川の森の施行現場を見学しました。

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木の伐採は、機械の届く範囲は機械が伐採し、勾配の急なところは人の手で伐採を行います。マシンはあっという間に枝を全て切り落としてトラックに積んで運びます。こちらの映像からその様子をご覧いただけます。


イギリスの建築は石造りやレンガが多いため、木について知ることは新鮮なようです。とりわけ森の施行現場を見るのは初めてで、伐採方法だけでなく、木の特徴についても質問を通じて吸収しているようでした。年輪を数えて樹齢を判断したり、そもそも建築材向けの杉やヒノキは樹齢50年以上でないと伐り出せないこと、日本の山は海外の山に比べ急峻なので伐採が困難で山を拓き道をつくることからスタートさせること、豪雪地帯の飛騨では木が雪の重みで倒れるため、それを耐えるように木が曲がるという特徴があるが、曲がった木もその特徴を生かして適材適所に使えることなどの知識を得ました。

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宮川への道中、あまりの紅葉の美しさに、木の種を持ち帰りたいという学生さんもいました。

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集落調査

その後は、集落調査として、組木の板倉づくりが数軒残る種蔵集落を訪問。種蔵集落は、種を保管するための蔵が連なります。現在も8世帯が住んでいるそうです。

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それぞれに分かれてスケッチや写真撮影を行います。

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tanekura

ちょうど開催していたそば祭りで美味しいそばをお昼ご飯にしましたが、ここで見たタイヤ付きの蕎麦の屋台が学生さんたちにとってひとつのヒントになったようです。

そば

宮川で生まれ育ち伝統建築構法を継承し続ける建築専門家、荒木昌平の工場訪問

次に向かったのは、宮川に生まれ育ち、30代前半で木造伝統建築を継承するハツリ建築専門家 荒木さんの工場です。彼は、家族が代々所有する森で木を選定、伐採に始まり、運搬、製材、デザイン、建てるまで、家を1軒つくるのに必要な工程をすべて一人でこなします。製材所にも出さず、自身がつくった手道具を使って木の製材を行う作業を拝見しました。斧や鋸も自分でつくります。

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鋸で両サイドから木材を切りますが、その技術レベルの高さで、仕上げにカンナをかけなくてもいいほど綺麗に仕上げます。

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実際に学生さんたちも試してみますが、まさに”言うは易くやるは難し”とはこういうことか、といった感じです。

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歓迎会

インスピレーションの宝庫であった荒木さんの工場を後にし、冷えた体を温めにまんが王国の温泉へ。初体験に皆とまどいを隠せない様子で、お風呂場は大盛り上がりでした。
そして夜は、ご近所の方々をお招きし、歓迎を行いました。やっぱり人気メニューは飛騨牛の朴葉焼き。飛騨郷土料理のレストラン”蔵助”を営むオーナーであり、飛騨市の議員でもある仲谷さんにご協力いただき、一つ一つ丁寧に七輪で焼いていただきました。
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ご近所のお花の先生や海外で日本語の教師として活躍する方などがお越しくださり、漢字を習ったりして交流を楽しんでいる様子でした。

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Day 3 and 4へ続く

http://hidakuma.com/blog/kingstonunicampreportday3and4/