NEWS / BLOG

  • デザイン合宿
木 x IoTのインテリア製品『mui/無為』が、無為自然に人に寄り添うための挑戦

 

今、世界中のテック系やスタートアップが注目しているIoT技術と木を組み合わせたインテリアプロダクトの『mui』。muiNISSHA(株)/ mui Lab(株)が『mui』を通じて実現したいことは、テクノロジーを介して生活を便利にするのではなく、身近な自然を思い出すこと、美しさを再発見すること。生活の中心に一片の木が存在することで温かみが生まれ、テクノロジーの冷たさをやわらげる。その空間で豊かな時間を過ごすために、無為自然に、静かに佇むプロダクトとして、『mui(無為)』は、木とテクノロジーを融合した形で生み出されました。
その『mui』の”コンセプト”を下支えする物語を深化するため、『mui』チームは飛騨での合宿を選ばれました。以下に具体的なプログラムをご紹介します。

mui/無為「人によりそうテクノロジー」

20170809_mui_105

私たちはテクノロジーと私たちを介する存在であるインターフェースに注目しました。私たちはいつも情報に囲まれて、テクノロジーと暮らしています。テクノロジーはとても便利で役に立ちますが、時には冷たさを感じさせることもあります。何も表示されない機器は、さびしさすら感じさせることがあるかもしれない。いつもつながっているようにある事は、とても忙しく感じるかもしれない。私たちはインターフェースを「テクノロジーのたたずまい」と考えます。一方で、そのたたずまいは、私たちがこれまで大切にしてきた生活との調和が十分とれていないと考えました。私たちはさまざまな空間で時間を過ごします。働いたり、暮らしたり、休んだり、眠ったり、食事をしたり、買い物をしたり。人が過ごす空間における「テクノロジーのたたずまい」を改めて考えた時、古くから最も身近な素材のひとつであるオーガニックな木の質感に注目しました。木をはじめとしたあたたかみのある素材というインターフェースを介して情報や必要な機能にアクセスする事はテクノロジーの冷たさをやわらげてくれるのではないかと考え、プロダクトをデザインしました。
私たちのmuiは、人にさまざまな事を伝えます。これは自然の情報や、自然を思うひとの気持ちです。風の歌や森の音を伝えることもできます。素材に木を採用したことにより、その手触りから、ひとつの木辺からユーザーを森へとつなげ、個人が培ってきたおのおのの身近な記憶とつながると信じています。テクノロジーで可能になることは、情報を便利に使うことだけではなく、身近な自然を思い出すこと、美しさを再発見することにもつながるとmuiでは信じています。人がこれまでの生活の中で見出してきた木の美しさ、仕上げ、面取りであったり、木目をひきたてるような切り方、削り方、選ぶ目、視線そのもの、木の力強さやしなやかさを利用した組み方であったり、知識そのもの、受け継がれてきた伝統、今はなくなってしまったもの。人の手(これはテクノロジーだと思います)が加わることで、木はより私たちにやさしい存在になってきたコンテキストは、muiが目指す木とテクノロジーの融合へと連なると考えています。私たちはmuiが誰かにとって大切な場所、人が集い何かが生み出されていく空間(場所)で使われていく姿を想像しています。その中心に一片の木が存在することで、その場所にあたたかみを、テクノロジーの冷たさをやわらげる佇まいを提供することが出来ると信じています。その場所で、これから生み出される豊かな時間を過ごすために、無為自然に、静かにたたずむプロダクトとしてmui(無為)という名がぴったりだと考えました。

 

http://mui.jp/

プロジェクト概要

支援内容

・カスタマイズツアー
  – タッチセンサー式IoT製品『mui』の広葉樹活用における木の特性を知る
  – 林業の現状理解を通じて木を使うことの意義を知る
・地域の作り手、使い手を巻き込んだワークショップ
・木工デジタル機械を有する工房を利用したプロトタイピング
・カスタマージャーニーマップの作成

プログラム

・子供の木っ端遊びの観察・記録
・広葉樹を扱う製材所訪問
・飛騨の職人文化を支える匠の組木技術を学ぶ
・地域の作り手、使い手を巻き込んだワークショップ
・林業についての講義
・広葉樹の森歩き
・お箸づくりワークショップ
・カスタマージャーニーマップ作成
・プロトタイピング 

クライアント

NISSHA株式会社『mui』開発チーム 
*合宿後、2017年10月27日にmui Lab株式会社設立

エンジニア(ソフト、ハード)、デザイナー(ID、UIUX)、プロデューサーなど部署の垣根を超えて参加されました。プロダクトの核となる土台から一緒に考える事で、開発時に壁にぶち当たっても超えられる意志や情熱の核を持てるように、という狙いの下に。

合宿プログラム

Day 1
7:00      京都出発  
11:30        Check-in  
12:00-13:00   昼食
13:00-14:30   FabCafeで子供達の木っ端遊びを観察・記録
15:00-16:00 広葉樹の扱い量が岐阜県でも随一の製材所訪問
16:00-17:30 『飛騨の匠』の組木技術が見られる美術館「匠文化館」訪問
17:30-19:00 ワークショップ
*ワークショップ参加メンバー:木工職人、大工、木こり、木育の会を主催する主婦、飛騨市役所 林業振興課の方など、林業の川上から川下に関わるメンバーを招致し、それぞれの視点をヒアリングし、議論した
19:00-20:00 夕食 
20:00-21:00 林業についての講義 (飛騨市林業振興課課長)

Day 2
 7:30-8:15      朝食 
8:30- 11:00 森歩き
11:00-13:00    お箸づくり@FabCafe Hida
13:00-14:00    つくったお箸を実用してランチ
14:00-15:00 お箸づくりで感じたこと、学んだことを言葉にする
15:15-17:00  muiに合う材料を選び、形を考察し、muiをプロトタイピング
17:00-19:00    コンセプトビルディング
19:00-21:00  夕食

Day 3
8:00- 9:00  朝食
9:00-11:00    カスタマージャーニーマップ作成作業(ユーザータイプを発見)
11:00-12:00 プレゼンテーション
12:00-13:00    昼食
13:00-14:00    工房にてかたちのプロトタイピング
14:00        飛騨古川発

image4
数種類の広葉樹の端材から好きな材を選んで率先して何かを作り出す子供たち。子供はクリエイティブに満ち溢れた創造の天使!

image9広葉樹の扱い量が岐阜県でも随一の製材所を訪問。様々な樹種の製材過程、全行程で出た材料を無駄なく使い切る持続的な仕組み、樹種の特徴などについて学びます。広葉樹を扱う製材所は全国に数少なく、活用がなされていない現実に触れます。オーナーの西野さんは、発注数の少ない(=対価の少ない)個人の作り手にも販売することで、地域材が活用される機会を大切にしています。

image3『飛騨の匠』の組木技術が見られる美術館「匠文化館」を訪問。米の代わりに腕一本で国に貢献したという匠が生み出した様々な技術に触れます。この技術で飛騨の町がつくられ、それが飛騨の産業をつくり、飛騨のアイデンティティを形成する大切な要因となっていることを知ります。

image5飛騨の美味しい水でつくられた食材を活用した夕食でひと休み

20170809_mui_087森を歩き、自然や生命の雄大なパワーを五感で感じると同時に、この森が活用されていない日本の林業の衰退の実態に触れます。

20170809_mui_276樹種選びからスタートしカンナを使った箸作り工作を通じて、広葉樹の様々な特性を知り、適材適所の活用につながる知見を得ます。

image2自らつくった箸を使ってお昼を食べます。想像しながらつくった食べ心地のレベルを充しているかを確かめます。

20170809_mui_377
箸作りを通じて感じた木の特徴、メリット・デメリットなどを言葉に表現しあいます。

DSC07085『mui』はどんな形だったら『mui』のコンセプトを一番うまく表現するのか?電化製品である『mui』に最適なのはどの樹種か?IoTの機能を通じてユーザーにどんな情報を伝えるべきか?といったことを考えます。

image11洗い出したアイデアをまとめていきます。

image15夜は、新鮮な魚をいただける近所の割烹屋さんで夕食。緊張と集中から解放され、インプットからアウトプットへシフトするための大切な時間です。

DSC07006カスタマージャーニーマップの作業は意見が飛び交い白熱!カテゴリー毎に整理することでブラッシュアップされます。

DSC06980

最後はそれぞれのグループによるプレゼンテーション

image6オーバル型はどうだろう?という意見から木工機械で形をつくります

20170809_mui_545

NISSHA(株)『mui』メンバーのコメント

大木和典さんプロデューサー/ 現 mui Lab株式会社 代表取締役

飛騨のみなさんが大切にされている飛騨時間そのものがブランドストーリーであり、それを体験できたことはその後のmui Lab設立につながりました。木や森が本当に身近にあり、muiの価値を再発見できました。

廣部延安さんクリエティブディレクター

古川の町自体が持つ独特の雰囲気の中で「木の良さ」について考え続けた3日間でした。専門性が異なる人が集まり一つのことを考え、議論をすることで曖昧であった事柄に対して一つひとつ納得していくことができた時間でした。木を使った製品を作る上で、木のことを知る機会を得られたことはとても幸せな経験であり、日本には自分の知らない良いところがたくさんあるのだということを実感した期間でした。

春原貴志さんチーフソフトウェアエンジニア

非日常の中で、木と森に触れてメンバーと共に考え、夜は地酒を飲んで 語り合う最高の3日間でした!その体験が今の資産となっています。

宮下修平さんマテリアルエンジニア

子供たちの柔軟な発想、地域のニーズに合わせた製材加工、行政による森林の管理、洗練された匠の技術、などなど。いろんな観点から木のことを見つめることができた3日間でした。全てが本当に貴重な体験です。特にお箸づくりはオススメ!

『mui』は現在、世界のテック系カンファレンスやピッチイベントへ参加、ビームスとコラボをするなど精力的に発信され、様々なメディアで取り上げられています。

海外発表事例
http://thebridge.jp/2017/12/mtrl-hong-hong

世界のメディアの掲載事例
http://www.sciencefocus.com/gallery/gadgets/cool-gadgets-list-november-2017#mui-smart-wood

『mui』Facebookアカウント
https://www.facebook.com/nisshamui/

『mui』Facebookページから飛騨合宿の写真アルバムをご覧いただけます
https://www.facebook.com/nisshamui/posts/1503596126354574

合宿を通じて木のこと、森のこと、伝統技術のこと、里山の暮らしなどを学びたい方へ

新規プロダクト開発に無垢の木を活かそうと考えていらっしゃる企業の新製品開発担当の方、建築、家具などに広葉樹の利用を考えていらっしゃる建築家・デザイナーの方、サステナビリティや自然との共生などをトピックにした合宿を検討されている学校の先生方などへ、最適なプログラムをカスタマイズでご提供します。まずはお問い合わせください。

合宿プラン詳細はこちらからどうぞ
お問い合わせはこちらからどうぞ