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  • 事例紹介
飛騨から香港へ、木を輸出!
高温多湿な環境で木を活かした空間をつくる際に、抑えておきたいポイントまとめ

2017年11月、ヒダクマは、飛騨の木材を海外へ輸出するという新しい挑戦をしました。
輸出先は、高温多湿な香港。冬でも半袖で過ごせるくらい暖かく、年中を通して比較的湿度が高い環境。木にとっては最も厄介な環境で、カビや腐食が発生し易い状態なのです。そういうわけか、香港はあまり木の製品が多くなく、現地の職人も木を加工したことがない 人ばかりだというのです。


↑12月8日に香港にオープンしたコワーキングスペース MTRL HongKong。

緻密で繊細な質感。良質な「ウダイカンバ」の木がとれました。

image4本件で多く使った木が、このウダイカンバです。
辺材は白くて艷やかな表面をしており、芯材はキレイな褐色を帯びています。非常に木目が緻密なので、擦り減り難く、固くて丈夫な木です。手触りは他の木に比べてとても滑らか。
滑りが良いので、建具や家具の引き出しなどに良いとされています。
腐食や水にも強いので、香港のような高温多湿な環境でも耐えられるのではないかと考えました。
設計は建築家の大野友資氏。DOMINO ARCHITECTS主催。

高温多湿な環境に耐える為、「木固め」という特殊な処理を施しました。

一般的な家具の保護材としては、オイルやラッカー、ウレタンなどがよく知られています。
木の質感を引き立てるには、オイルが有効ですが塗膜を作らない為、耐久性はそれほど高くありません。一方ウレタンやラッカー仕上げは、表面に塗膜を作る為、水や汚れに非常に強くなります。その代わり、塗膜ができてしまうので少しプラスチックのような質感になってしまいます。しかも、木の内部までは保護できないので、塗膜が剥がれてくるとそこからダメージを受けてしまいます。

image7今回施したのが、「木固め」という下処理。これは、木の内まで浸透し、内部のセルロースや水分と反応して固まる、いわゆる「浸透性ウレタン」です。これを施すことで、木の内部から耐久性を高めることができるのです。
しかも、木固めは浸透性なので木の質感を損なうことなく強力が耐久性を施すことが可能なのです。
そんな万全な下処理を行った上で、丁寧に家具を仕上げてゆきました。

移動可能な展示什器「マテリアル・ボックス」

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この空間のキモとなる、展示什器です。上部分をウダイカンバのフレームでできており、展示物を美しく演出。下部のボックスが収納となっています。

箱は全て45度で留めて見えないようになっています。木口が隠れてとてもすっきりた印象を持たせることができます。

image21扉も、45度で。

(豆知識)45度留めで開き扉を取り付けようとすると、扉のエッジが45度カット部分に干渉してしまい、扉が開かなくなってしまいます。
そんな時に有効なのが、ハーフェレの万能型デュオマティックヒンジ。これを使えば特殊な形状をした扉も取り付け可能なんです。ぜひご参考に。
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ボックス本体の素材はシナランバーコアの20ミリ厚材を使用しました。箱物ではこれくらい厚みがあれば強度的にはばっちりです。

ウダイカンバのフレームを組み立て。本体とフレームはダボで組んでいきます。

完成系はこんな感じ。中にキャスターが隠れており、移動することができます。

フレームは横軸は45°留め、縦軸はホゾ留め。このように木口同士で留めると、接着能率が下がってしまいます。上のようにカンザシを入れることでより壊れにくくなります。

こちらは10個分のマテリアルボックスが1つになった一体化バージョン。よく似ていますが、こちらは総ワイドが4500ミリあります。フレームも一体化なので、超長い材を使う必要がありました。

4mを超える材はほぼ無いので、長さ方向を「腰掛け継ぎ」で補いました。
こうすることで、後から無理なく材を長く継ぐことができます。真ん中に栓をいれれば、強度もUP。(こちらはFabCafe Hidaの安藤による「匠(たくみ)仕上げ」です。)

フレームに書き取られた溝にアクリルパネルをはめ込めば素敵な展示什器に!

エントランスのドアハンドルも木で製作

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空間の顔となる、エントランス扉の持ち手と、ちょっとしたコーヒーカウンター。こちらもウダイカンバで製作しました。
外に面する部分なので、雨風や紫外線による劣化に強い仕上がりが必要とされました。

外に触れる部分なので、木固めの上にさらにウレタンコーティング仕上げを施し、より耐久性を高めました。

ガラス扉に直接取り付ける為、木でガラスをサンドするような構造になっています。
雨が中に入らないように、パッキンを取り付けたりと万全な対策をしました。

25075188_10155705004925259_2116003734304046757_oMTRL Hong Kongは、12月8日にグランドオープン。香港に行った際は、ぜひお立ち寄りください◎

ヒダクマでは、木を使った空間づくりのお手伝いをすることができます。

木材の販売・加工から、プロトタイピング、小ロット程度の量産など、国産材を使ったものづくりや、飛騨の伝統的な技術と、3Dプリントなどの最先端の技術を組み合わせたものづくりの事例もあります。ぜひ一度お問い合わせください。

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