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  • ヒダクマ秋祭り2017
森と町をつなぐ33のプログラム ー ヒダクマ秋祭り2017レポート

10/21(土)〜10/22(日)の2日間、第3回目となるヒダクマ秋祭りを「森と町をつなぐ」というテーマの下に開催しました。ステージとなったのは、森、町(古川町)、FabCafe Hidaの3箇所。合計で33個のプログラムを実施しました。 ヒダクマ秋祭り2017プログラム 37245849054_9e22fdd17b_k 今回の趣旨は、森と人の距離を身体的にも精神的にも近づけること。人は、森が社会資本としての機能を果たす重要なプラットフォームであり、森なしには生きられないということは頭では理解していても、普段の暮らしでは、森の機能や果たしている役割を特に意識することなく過ごせてもしまうものです。となると、日常のひとつひとつの行動を決める判断材料に、森との連鎖性がないのではないか、という疑問やもどかしさから起因したものです。 例えば、日本と同等の森林資源量(国土面積の約7割が森林)を持つフィンランドは、現時点での木材自給率は約130%、かたや日本は約30%です。フィンランドは海外へも輸出し、林業を国を支える根幹産業として力を入れています。100年の森をプランするフォレスターはみんなの憧れの職業(詳しくはこちらのブログをご覧ください)。国と一緒に政策を進めつつ、エンドユーザーのニーズまで把握しているフォレスターはまさにユニバーサリスト(万能家)で、豊富な知識を持ち合わせるのはもちろん、多様な人と触れ合い情報を入手するコミュニケーション力、人を教育しリードする能力、新しい発想性やクリエイティビティ、戦略立案と実行能力、将来を見通す先見性など多様な能力を必要とされる、なりたくても簡単にはなれない、まさに憧れの職業なのです。 そんなフィンランドでは、森は人々の身近なプレイグラウンド(遊び場)です。Everyman’s rightという環境省が出版しているルールブックがあるほどに、ある一定の規則さえ守れば人々は森で自由に遊べます。そう、国が森を公共公園のような役割として市民に提供しているのです。家族や恋人とゆっくりした時間を持ちたい、という時、ありますよね?人で溢れた公園でくつろいでも人目が気になったりして100%は寛げません。でも森だったら、プライベートになれる空間はたくさんあります。一番落ち着く一本の太い木を探して腰を掛け、火を起こして料理をする、木々や草花の香りを嗅ぎ、葉ずれや動物や虫の音を聴き、木漏れ日を浴びて、森や山のスポーツを楽しむ、というように森でできることは無限大で、森にいざ行ってみると、頭で想像する以上にたくさんの恵みを受けられることに驚くでしょう。子供も大人も感性を研ぎ澄まし、クリエイティブになれる絶好のプラットフォームです。ちなみに、フィンランドやスウェーデンなどのスカンジナビア半島の国々は、日常生活でも木をつかった製品が多様されています。(それも素敵なデザインで!)森の植物を使ったアロマ製品など、日本では高級材として扱われる類の物が、空港や公共施設で当然のごとく設置されています。大量生産できる化学製品に比べたら費用はかさみますが、日常の生活環境や教育を通じて、意識の高い国民を育むという国の方針が感じられます。彼らの消費行動には、当然ながら物質的な満足感を得ることに加え、その一歩先の、地球環境や社会貢献などのより高いレベルの欲求を満たす意志が感じられます。さらには、消費行動を通じて、作り手、使い手が互いに支え合う社会構造への理解が、教育や文化や生活に深く根付いているようにも見受けられます。自分たちのふとしたお金の使い方が、国の伝統産業を守り継承していくこと、芸術を賞賛(Appreciate)し、育てていくということを理解している、そんな成熟、洗練された文化を垣間見られます。 そんな行動を決めるために頭から発される信号は、無理がなくナチュラルで自発的です。それは、人間が自然と一体である喜びを日常的に感じていることの現れだと思うのです。例えば、森が生活の中で当たり前に近い存在だったらそうなるのかな?そんな疑問を確かめたくなって、ヒダクマ秋祭り2017の今回のコンセプトに至りました。五感を通じて全身で楽しむ事を通じて、森とつながっている感覚が深層心理に深く落ちる、まさに腑に落ちるような感覚を覚える、そんなプログラムを詰め込みたい、と。 森と町をつなぐ。というテーマの下に、森で得た素材を、暮らしを営む町で加工し、使い、食し、着て、住む。生活に欠かせない素材を森から頂いているという認識に止まらず、森で遊ぶことで感覚神経から無意識に癒され、普段は意識することのない森の大切な機能を知る、といったような。 そんなプログラムには、森の食材で晩餐会をし、森の木材で食べるためのスプーンをつくり、森の木材で暮らすための椅子をつくり、森の花で居心地を良くするための装飾をし、森の素材でアートをつくり、森の色彩で感性を高める写真を撮り、森の木材で火をおこして料理をし、更には、最新のIoTを組み合わせ、よりスマートな暮らしを想起させる”未来への接続”を意識できるプログラムを詰め込みました。 10月は、イベントシーズンにも関わらず、天候に恵まれず、ヒダクマ秋祭りも御多分に洩れず雨と台風に見舞われましたが、初日は雨時々曇りという天候で、森ステージのプログラムは無事開催でき、2日目は一部のプログラム以外はFabCafe Hidaに移して開催いたしました。 これもひとえに、運営チームとして開催ひと月前から長丁場に渡り尽力してくださった堅田 恒季さん、田中一也さん、志田ご夫妻、葡萄原篤さん、岡本昌太さん、飛騨の多くの皆さま、そして地域外からも参加しサポートしてくださった皆さまのおかげです。皆さんのお力がなければ開催さえできませんでした。文末に感謝したい皆様のお名前を挙げさせていただいております。多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございました。 以降、簡単ですが、開催プログラムを写真と共にお伝えします。

森ステージへの案内看板。人がどこで迷うのか、堅田恒季さんと岡本昌太さんが実際に歩いて検証し、数カ所に看板を設置してくれました

台風予報にも関わらず、たくさんの方が来てくださいました

森ステージと町ステージとFabCafeステージの全体マップ

森のステージ

24104055338_5141680116_k メイン会場となった森ステージは、新しく古川町高野にセンスの良い薪ストーブのお店をオープンされたストーブBeeさんにお借りしました。ストーブBeeさんは、日常に火のある生活を提唱され、何種類もの素敵なストーブを扱っていらっしゃいます。ぜひ一度、愛らしい森の素敵なストーブたちを見に行ってみてください。 森ステージでは、13個のプログラムを開催しました。 ・「森のスプーン採集」〜木の枝を採る、スプーンをつくる、カレーを食べる〜 ・「森の晩餐会」〜森の素材をいただき、調理し、晩餐する〜 ・「飛騨の森のバー」 ・「一里循環アートキャンプ」〜土に還る素材の草や枝を借り、妄想し、造形作品を造る〜 ・「感性を引き出す森の撮影ワークショップ」 ・「『パン築』 – 発酵建築」〜パンで建築を作る試み。人と菌が協働し、森の祭りの「シンボル」を作り出す〜 ・「ドリップスタンドづくりとドリップコーヒーワークショップ」 ・「火日常を楽しもう」〜ストーブでピザづくり体験と薪割り体験〜 ・フィンランド発アウトドアサウナ ・「森のカンナ削り」 ・「森の喫茶店」 ・「nuegarajuaレザークラフトショップ」 ・「板橋生花店ドライフラワーショップ」

『森のスプーン採集』〜木の枝を採る、スプーンをつくる、カレーを食べる〜

森にテーブルを広げて作りたてのスプーンを使ってカレーをいただきます

スプーンをつくりやすい枝を森で採集

スプーンづくりキットを使います

ヤスリで削って完成です

『森の晩餐会』〜森の素材をいただき、調理し、晩餐する〜

メニューには22種類ものフードが並びます!

森で採れた素材がふんだんに使われています。野菜、野草、ジビエ、実、果物、穀物、きのこ類、味噌など。飛騨の里山に暮らす塚本夫妻から戴いた野山の素材をたっぷり使って。

シェフの森本桃世さんが腕をふるいます

晩餐会の素敵な演出は、葡萄原さんと板橋生花店の坂本さんのご協力で創り出されました

板橋生花店さんは美しいドライフラワーをアレンジしてくださいました

葡萄原さんはテントと照明をアレンジしてくださいました

『飛騨の森のバー』[OUR/FOREST] presented by OUR/VODKA & LIQUID WORKS
東京から駆けつけてくれたバーテンダーの斎藤恵太さん

飛騨の薬草、メナモミ、クロモジ、クワ、ナラ、キハダ、バジルをヴォッカに漬け込んだリキュール全6種類。飛騨の里山に暮らす塚本夫妻が丁寧に育てた野草を漬けこんでいるから自然のエネルギーをそのまま戴いているようなものです。

別称、ストロベリートマトの「ほおづき」を添えてバジルヴォッカをいただきます

木工職人の堅田さんの手作りカウンターが生み出すクリエイティブな空間。サインも堅田さんの手作りです!

アートキャンプのアートのひとつ。『森に浮ぶ船』森の素材を使ったアートは朽ちて土に還るまで残され、森を訪れた人々に触れられることを期待している。森側を向いて船に乗った時は、まるで自分がおとぎ話の中に迷い込んだようで、町側を向いて船に乗った時に見える飛騨の一望は、まるで天空の船に乗ったかのような、、不思議でたくさんのインスピレーションに包まれる感覚を与えてくれます

この作品には寝転がることもできるし、座ることもできるし、遊び方はあなた次第です

古川町高野地区の塚本さんが所有する針葉樹の森の木や枝や葉を素材に参加者と一緒に作成

アーティストの弓削一平氏

アートキャンプのアートのひとつ。茅葺アート『踊るクマザサ虫』

手前がアーティストの藤原拓馬氏

巧みな構造になっており、クマザサ虫のお尻から中に入って笹の中から顔だけが外に出せる。揺らされると揺り籠のように遊べるアート。季節と共に色を変え様相を変えてやがて朽ちて土に戻る循環アート。

古川町高野地区の鎌倉さんが所有する広葉樹の森で主に笹や木や枝を素材に参加者と一緒に作成

発酵建築「パン築」を見事焼き上げ、疲れで朦朧とする、バイオクラブを率いる石塚さんと建築家の堀木さん

パン築を焼くための釜は、古川の田中建築チームに多大なるご協力をいただきました

田んぼは岩越さんからお借りし、ゼロから櫓を組んでいきました

板倉づくりのような釜が完成

パンチームの石塚さん、飛騨の森から採取した野草などに宿る菌を発酵させて酵母を起こしました

みんなで酵母菌とは何かを学び、酵母をたてるプレイベントをFabCafe Hidaで行いました

飛騨のたくさんの方にご協力いただき、大量のパン種を2日間に渡り捏ねました

古川ヤナの方に教えていただき、奇跡的に孟宗竹を発見し、建築チームの堀木さんが竹を採集

ここでも田中建築の田中さんが人肌脱いでくださいました

フランスから偶然立ち寄ったご家族がパン築を見学に

「感性を引き出す森の撮影ワークショップ」を率いる糸井奈緒美さん。彼女の透き通る作品は大人気。

木工職人の堅田さんとコーヒー職人の白石さんがコラボして行ったコーヒーワークショップ。

堅田さんがFabCafeのレーザーカッターでつくったジグを使って簡単に、ドリップスタンドの足となる真鍮を曲げることができます。

森ステージの場所を提供してくださったストーブBeeさんが主催された薪ストーブのピザ焼き体験は大人気でひっきりなしに人が集いました

焼きあがったピザは薪ストーブが生み出す特別な美味しさを持っています

飛騨の「木育を広める会」がご提供してくださったカンナ屑プールで遊ぶ子供たち。子供の頃から木と戯れることは大切ですね

Panasonicのご協賛で提供してくださった電動マウンテンバイク「XM1」の試乗体験。おかげさまで森と町を循環する大切な機能となりました。

フードコーディネイターの弓削ちかこさんによるカレーは大人人気!

板橋生花店の坂本さんはドライフラワーショップを展開。坂本さんはその感性で晩餐会を素敵に飾ってくださいました

「nuegarajuaレザークラフトショップ」では、晩餐会の装備や照明を提供してくださった頼れるお兄さん、葡萄原さんが自身で製作している皮製品を販売。センスの良さが光っていました!

美味しいコーヒーならこの人!白石さんがオールドビーンズをハンドドリップで淹れるコーヒースタンド。

FabCafe Hidaステージ

37955259541_fbd809c4f6_k FabCafe Hidaでは、8つのプログラムを開催しました。 https://hidakuma.com/events/hidakumaautumnfestival2017/#c5 ・映画上映『シェフ 〜三ツ星フードトラックはじめました〜』 ・映画上映『おだやかな革命』 ・森の歌姫「木歌」のライブパフォーマンス ・建築家とつくる飛騨の天然木スツール ・ヒダクマ木の道具暮らし店 ・『mui』展示とトークショー ・「森 super love」~馬に乗る女と機械を操る男によるトークセッション〜 ・FabCafe Hidaの森の喫茶店

森の歌姫「木歌」によるライブパフォーマンスは贅沢すぎて、感動の涙のひと時でした

NISSHA(株)が提供するライフスタイルインテリア製品「mui」の展示とトークショー。飛騨産業の岡田さん、渋草龍造窯の戸田さん、muiからは大木さんと廣部さんが参加。ヒダクマの岩岡のモデレーションにより木と暮らしの関係性について興味深いディスカッションができました
IoTとつなぐインテリア製品の「mui」についてはこちらをどうぞ。
http://mui.jp/

FabCafe Hidaではコーヒーやビスコッティ、スコーンなどの焼き菓子をご提供しました。カウンターに乗っているちょっとデジタルなボードがIoTを組み込んだタッチセンサーで情報を伝えるインテリア木製品「mui」です

高山でフード工房「1760」を主催する藤原会美さんが提供するSoileat table-サバディンサンドを求めて来場くださるお客様もいらっしゃいました!

2日目は台風のためFabCafe hidaに移った弓削さんのキッチンはやっぱり大人気!

建築家 桑原茂さんから直に指導いただき、彼がデザイン、製作をした「支え合うスツール」づくりに参加した白栗不動産の白栗さん。

木工機械を使って木材を切るところから自ら体験します

ひとつひとつのパーツを完成

組み上げて接着し乾燥を待ちます

ヒダクマ秋祭りのフルコースを体験された三重県からお越しいただいたお客様

FabCafe Hidaへお泊まりいただき、森ステージ、町ステージ、FabCafeステージ間をPanasonicの電動マウンテンバイクを乗って移動し、各ステージのプログラムを体験し、スタンプラリーを完成させ、その景品として升にレーザーでご自分の名前を彫刻されました!

FabCafe Hidaステージでは広葉樹の箸づくりを体験されました

飛騨古川町ステージ

37955427291_1c11988aa4_k 飛騨古川町ステージでは7つの店舗や施設のご参加をいただきましてそれぞれオリジナルのプログラムを展開いただきました。 ・薬草ティーセレモニー@蕪水亭 ・葛の花玉づくり@蕪水亭 ・アコーディオンと3時のおやつ@壱之町珈琲店 ・きになる本@飛騨市図書館 ・森と町をつなぐレンタサイクル@SATOYAMA EXPERIENCE ・秋祭り特製スウィーツ販売@大久保製菓店 ・秋祭り特製キャラメリゼ胡桃&きなこ味噌せんべい販売@井之廣味噌煎餅

壱之町珈琲店で行われたアコーディオン奏者の伊藤ちか子さんの演奏を聴きながらスウィーツを頂くイベント

大久保製菓では、ヒダクマ秋祭り2015で大人気だった秋祭り特性ヒダックまんじゅうが再登場!

飛騨市図書館では「きになる本」と題して、森で「木になる」どんぐりを拾って持ってきた子供達に「気になる」本を司書さんから借りられる素敵なプログラムが実施されました!

この場をお借りして感謝したい方々

*以下、順不同です

ご協賛各社

ストーブBee様 NISSHA株式会社様 飛騨産業様 木と暮らしの製作所様 株式会社カネモク様 Panasonic株式会社 ・西野製材所 ・板橋生花店

SPECIAL THANKS TO

・堅田恒季様 ・田中一也様とスタッフの皆様(田中建築) ・葡萄原篤様 ・志田ご夫妻(ストーブBee) ・岩越様 ・清水丈雄様(cave) ・塚本ご夫妻 ・岡田善徳様 ・栄柚原様(飛騨市高野区長) ・坂本颯様(板橋生花店) ・戸田柳平様 ・ブーランジェリーのぼりや様 ・野中咲子様 ・濱田浩琴様 ・末永理香様 ・福田香子様、清水快様 ・高村快人様とその仲間たち

一緒に秋祭りを盛り上げてくださった皆様

・大木和典様(NISSHA) ・廣部延安様(NISSHA) ・中村幹広様(飛騨市役所) ・竹田 慎二様(飛騨市役所) ・糸井奈緒美様 ・弓削一平様、ちかこ様 ・藤原拓馬様 ・白石達史様 ・藤原会美様、郁馬様 ・木育の会の皆様 ・掘夏美様(飛騨市図書館) ・森本純子様(壱之町珈琲店) ・北平修子様(蕪水亭) ・大久保勝嘉様(大久保製菓店舗) ・井之丸勝美様(井之廣味噌せんべい) ・桑原茂様 ・渡辺智史様 ・貝山伊文紀様(アトリエ灯) ・木歌様 ・森本桃世様 ・堀木俊様 ・石塚千晃様 ・斎藤恵太様(LIQUIDWORKS) ・山口直人様(IDEASKETCH) ・直井薫子様(IDEASKETCH) ・岡田明子様 ・小澤健司様 ・原薫様(柳沢林業) ・Apollo sing-o様 そして最後に、ロフトワークの仲間たち、ヒダクマ/FabCafe Hidaの仲間たちに感謝します。皆さま、多大なるご支援、ご指導を誠にありがとうございました。