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働く人の感性を引き出す。CITAAの国産広葉樹の無垢材ワークデスク
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Outline

働く人のためのシンプルで機能的なデスク

株式会社スキューが展開するワークスタイルブランド『CITAA(シター)』。
毎日のワークシーンに馴染むプロダクトのラインナップに「The Work Desk」が新たに加わり、2020年1月15日より販売が開始されています。

天板の素材には、国産広葉樹の無垢材を使用。1300年の歴史を誇る飛騨の職人技術により1枚ずつ丁寧に仕上げた天板と、数々の名刀を生み出してきた関の鉄工技術を活用した脚を組み合わせています。

目指したのは、働く人の感性を引き出すデスク。建築家の小堀哲夫氏による、どんなワークシーンでも使える余計な装飾を一切排除した、シンプルかつ機能的なデザインです。

このワークデスクの開発にあたり、ヒダクマは初期から参画し、木材調達、プロトタイプ製作、家具製作ディレクションを担当しました。シンプルなデザインだからこそ、ディティールにこだわったデスクの魅力と製作プロセスをご紹介します。

Outputs

アイデアが生まれる瞬間に寄り添うデザイン

写真の天板の樹種は広葉樹のウダイカンバ

空間の印象を重くしない細身のシンプルな脚

天板には、硬質でキズが付きにくい広葉樹を使用。天然木が持つ心地よい木目の揺らぎや触れた手に伝わる温もりが働く人の感性を引き出します。
足元の空間を演出するのは、小さな断面でも高い強度を保つ鉄の脚。働く人の細かな動作も吸収し、安定したデスクトップ環境を生み出します。

職人によって磨かれた天板は心地良い肌触り

まるで吸い込まれるようにコード類は天板の曲線が生むスリットを通る

人とデスクが直接触れ合う天板の縁には、飛騨の職人が一つひとつ丁寧に削った自然ななめらかさを施しています。これにより腕への負担が軽減され、まるでデスクと一体になったような感覚でよりクリエイティブな仕事に没頭することができます。天板のわずかなくびれは、コード類の配線をも自然に演出します。
このデスクの設計は、“自然と人間の融合”をテーマに企業のイノベーション施設など様々な建築を手掛ける小堀哲夫氏。人間に寄り添い、普遍的な価値を追求し続けている小堀氏ならではのデザインとなっています。

【商品概要】
 販売元:株式会社スキュー
 ブランド名:CITAA
 商品名: The Work Desk
 サイズ: W1200 × D750× H740(mm)
 重量:約36kg
 天板仕様:国産広葉樹無垢材 ウレタンマット塗装(色:ナチュラル)
 脚部仕様:スチール 粉体塗装(色:ブラック)
 定価:125,000円(税別) ※送料込み
 販売サイト:https://citaa.jp/products/the-work-desk

【プロジェクト概要】

  • 支援内容
    ・企画提案
    ・家具設計
    ・家具製作ディレクション
    ・家具プロトタイプ製作
    ・製作図作成
    ・木材選定・調達
    ・工程管理
  • 期間
    ・2018年2月〜2019年08月
  • 体制
    ・ブランディング・PR・販売:株式会社スキュー
    ・家具設計:小堀哲夫(小堀哲夫建築設計事務所)
    ・木材コーディネーション・家具製作ディレクション:岩岡孝太郎・飯山晃代 (ヒダクマ)
    ・製作:西野製材所、飛騨無垢屋、杉山製作所(順不同)

Process

木のアイデアを見つける飛騨ツアー

家具職人の伊藤さんの工房を訪問

スキューのメンバーから「CITAAのワークデスクをつくりたい」と相談を受けたヒダクマ。はじめにスキューのメンバー、デザインを担当する建築家の小堀さんに飛騨に来てもらい、素材となる木や木工技術を体感してもらう飛騨ツアーを実施しました。
訪れたのは、飛騨市で唯一広葉樹を専門的に扱う西野製材所、和のデザイン要素や伝統技法を大切にものづくりをされている家具職人の伊藤雅章さん(MIYABI JAPAN)の工房、暮らしに寄り添う家具・木の小物を作る「木と暮らしの制作所」の阿部さんの工房。また、飛騨の老舗家具メーカー飛騨産業のショールームと、北欧名作家具をライセンス生産する家具メーカーキタニのショールームを見学しました。

ツアーを終えて、小堀さんは一枚板の存在に魅力を感じます。一枚板のかたちを活かしながらも、一枚板で作られた製品が持つ重い仕上がりの印象をシャープな印象に変えることができないかと考えました。また、木が一つひとつ持つ節、変色、杢、割れと目の千切りを見て、一点ものならではのユニークさを発見します。
木の耳の自然な曲線を活かしながら、手を置いた時に当たりの良いカーブ(面取り)を設けること。そして「無垢」であることをテーマに、天板も脚も無垢を用いるという小堀さんのアイデアはこのツアーを通じて生まれました。

木の調達、プロトタイピング、工程管理などを全面サポート

プロジェクトの流れ(資料:ヒダクマ)

初期の模型

三者でのミーティングを重ね、ヒダクマは制作方法立案と開発工程を作成。天板の素材に用いる広葉樹は、建材で使われる柔らかい針葉樹と違い、流通そのものが不安定な素材だからこそ、木材調達から製作に至るまでひとつのアイデアに絞らず、いくつかのアイデアを持って、素材と仕様のプロトタイピングを行い検証しました。
その後、使用する木や脚に用いる材料を具体的に提案。鉄脚は、創業以来、鉄の加工・溶接の熟練した技術と設備を生かし、鉄へのこだわりを持った製品づくりを行っている杉山製作所に依頼しました。

3次元曲線でつくる自然の造形

天板の長手二辺が微妙に削られテーパーがついている(図面:小堀哲夫建築設計事務所)

3次元で変化するテーパーの仕上りを確認する様子

ヒダクマが製作した試作では、モデル通りの曲線を削れる刃物がないため、手加工しましたが、実際の製品を加工する際には、このワークデスクのために作ったオリジナルの刃物で人工的に3次元曲線を削っています。最後に仕上げとして、飛騨の職人が手作業で磨き上げ、自然の造形をつくり出しています。

木取りから色を指定する唯一無二の天板づくり

スキューや小堀さんが注目した木は、赤みのあるウダイカンバでした。ウダイカンバは、赤みのある芯材(赤太)と白い色の辺材(白太)のコントラストが美しい樹種。この木の板を4枚接ぎ合わせて1枚の天板を製作しました。

試作に使用したウダイカンバの木

赤太と白太(無塗装)

赤太・白太の混ざり具合は、上記の中から選定し品質の基準を定めた

木は同じ木でも一本一本違います。ウダイカンバのように赤と白の色やバランスの差が大きい木は、均一なものを安定して入手することが大変難しく、市場の大きなメーカーでは敬遠されがちです。それはウダイカンバをはじめ他の国産広葉樹が出回らない理由のひとつです。敬遠されがちな木の持つ個性を引き出し、魅力を発揮させることができないだろうか。そのために、製品化に向け設けたのは、高い品質の基準です。木取りの段階で芯材と辺材の割合を指定し、接ぎ合わせて一枚の板になった時、赤太と白太が織りなす美しいストライプとなるよう配色しました。これにより、ひとつとして同じものはない、木が持つ個性を尊重した天板を実現することができました。

塗装前の天板

赤白のストライプが美しい

塗装後乾燥させている様子

飛騨無垢屋にて丁寧に梱包される様子。天板裏側には反り止めが入っている

Member

小堀 哲夫|Tetsuo Kobori
1971年、岐阜県生まれ。1997年、法政大学大学院工学研究科 建設工学専攻修士課程(陣内秀信研究室)修了後、久米設計に入社。2008年、株式会社小堀哲夫建築設計事務所設立。2017年「ROKI Global Innovation Center –ROGIC-」で日本建築学会賞、JIA日本建築大賞を同年にダブル受賞。2019年に「NICCA INNOVATION CENTER」で二度目のJIA日本建築大賞を受賞する。

Member’s Voice

「CITAAワークデスク」は、“自然と人間の融合”がテーマです。ワークデスクはハードな使用にも耐えられる強度が必要ですから、“飛騨の匠”と“関の刀鍛冶”の技術を融合させることで、デザイン性と機能性を兼ね備えたデスクをつくり出しました。広葉樹無垢材と鉄によって構成されたデスクは、極限までシンプルに仕上げ、使いやすく飽きのこないデザインにしています。
天板はサクラやカバといった岐阜県産の広葉樹を使用し、一枚板、もしくは幅広継ぎ合せです。無垢材の天板は美しい木目が魅力ですが、厚くなりがちなので、高周波プレスで反りをなくして30㎜厚という薄さを実現しました。また、無垢材の無骨さをなくすため、人が触れる箇所にはアールを施しており、これによって腕への負担が軽減されるようにしています。オフィスなどでデスク同士を突き合わせた際に、このアールが配線スペースにもなってくれるわけです。脚部でこだわったのは、刀のような優美なカーブ。鉄は小さな断面でも高い強度を確保できるうえ、粘りがあるので、軽やかなデザインながら、しっかりと安定したデスク環境をかなえてくれます。

小堀哲夫建築設計事務所
小堀 哲夫

今回使用された樹種「ウダイカンバ」は、森の成長初期の、日差しがいっぱい当たる、周りに木がない時期に芽吹きます。他の樹種が育つ土壌を整える「森のパイオニア」的な役割を果たす種類です。そのため、ある程度円熟した森では見つかりにくく、毎年伐採量も不安定。ほんの少ししか採れない年もあります。特徴的な「赤と白のコントラスト」もコントロールが難しいため、一般的には量産に不向きとされる樹種ですが、今回約2年間の試作を経て、ようやく一つの美しい製品としてスタートします。
CITAAの皆様や小堀さんのディレクションにより、飛騨の広葉樹が美しいワークデスクになりました。
ヒダクマではその年採れた樹種をベースにした、なるべく無理のない木材流通を心がけたいと考えています。森の成長スピードに合わせた「新しい量産品」の形として、このワークデスクが永くたくさんの方々に愛用し続けていただけたらうれしいです。

ヒダクマ
飯山 晃代

会社概要

株式会社スキュー
高い志、物事の本質を大切にする人たち、心の琴線に触れる感覚を生み出す人たちである“クリエイティブ・クラス”に向けたワークスタイルブランド「CITAA(シタ―)」を運営。
https://citaa.jp/

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