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  • イベントレポート
木材はもっと高く売れる? 森がどうあるべきかを地域で考える

飛騨市広葉樹まちづくりセミナーvol.6[後編]

「木材はもっと高く売れる ~ 木材の価値はどこで決まるのか ~」をテーマに、飛騨市主催で行われた広葉樹のまちづくりセミナーvol.6。前編・後編に分けてお届けしています。

後編は、第二部のトークセッション。基調講演にひきつづき、林野庁林政部木材利用課 課長の長野麻子氏と、ヒダクマでも大変お世話になっている広葉樹専門の製材所を営む西野製材所のオーナー・西野真徳さん、そしてヒダクマの松本剛が登壇しました。

飛騨市の広葉樹のまちづくりとは

はじめに、司会の飛騨市林業振興課の竹田さんより「飛騨市 広葉樹のまちづくり」についての説明と登壇者の紹介がありました。

竹田:

飛騨市は94.3%が森林。そのうち約7割は広葉樹天然林です。戦後に薪炭利用でたくさん伐られた後、二次林として60年生くらいの木が手つかずのまま大きくなっているため、なかなか使いにくいということがあります。ただ、一方で飛騨全体は豊富な広葉樹資源があり、それを伐る人や、西野さんのように全国でも希少になった広葉樹の製材所が地域内にあり、その木を家具などにする作り手さんも地域内にいらっしゃいます。使いにくいとはいえ、広葉樹を活かすために必要なリソースが全て飛騨には揃っています。広葉樹のまちづくりでは、行政だけではなく、関係者のみなさんが一緒になって色々語り合いながら取り組みをはじめています。また、色んな人に飛騨を訪れていただいて交流しながら新しい活用について考えることも進めています。

2019年に行われた広葉樹活用現地意見交換会

竹田:
西野さんは飛騨市の広葉樹のまちづくりを進める上でのキーマン。飛騨市の広葉樹を流通させるハブ機能を持っていて、こういう広葉樹ないですか?とみなさんは西野さんのところに行って相談します。飛騨市が事業を進めていく上でも、西野さんに相談をして、全くお金にならない話でも、いいよ協力するよと言ってくださり、頼りにさせていただいています。
松本さんは、ヒダクマという市も出資をして立ち上げた会社の代表取締役です。通常は薪とか良いものでも枕木くらいにしかならない、ほとんどチップとして安く扱われる小径木、平均の胸高直径が26cmくらいの木を価値の高い家具などに変えていこうとしている会社です。

針葉樹と広葉樹の価値の違い

竹田:
長野課長の話を聞いて針葉樹がメインになることはしょうがないと思います。針葉樹が一斉に伐期を迎えていることは課題です。一方で日本の森の約半分が天然林の広葉樹だと思うんですが、飛騨市のように7割、全国にはそれを超えるような率の広葉樹を保有している自治体もあるわけですが、広葉樹の活用についてどういうふうに考えていますか?

長野:
もうかると思ったんで何かやりたいなと思いました(笑)

竹田:
広葉樹はもうかると?

長野:
針葉樹はすごく安い。広葉樹はわからないだけにチャンスがあります。何がどう売れるかわからない世界で、とってもクリエイティブじゃないですか。飛騨市さん楽しそうだなって思いました。

竹田:
ここから木材を高く売る、価値を出すことについてお話したいと思います。長野課長から針葉樹の場合は、木材の価値を高めることは難しいという話があったと思います。いろんな自治体がブースを出してPRするイベントが東京であったのですが、ブースをまわるとスギ・ヒノキなどの針葉樹がメインなので、特徴が出しにくく、差別化が難しいなと思いました。針葉樹の場合、どうやって価値を高めていく方法を考えておられますか?

長野:
歩留まりを上げる、コストを下げる、ストーリーをつくってデザインする。ただ針葉樹の限界があって、床の間がある時代は高く売れました。今隠れちゃったんですよね。外材でも変わらないとか、節も気にしないとか、なかなか価値が出しづらい。見せるところで勝負していくというのはひとつあるだろうと思います。針葉樹で家具をつくると軽いんですよね。高齢化社会は軽いものもニーズがあるんじゃないかなって思います。

竹田:
西野さんは、今は広葉樹を専門に挽いていらっしゃいますが、前は針葉樹も挽いていらっしゃいました。それを途中で広葉樹のみに切り替えられた。木材の価値という視点からいうと、針葉樹と広葉樹の価値の違いはどんなことかということをお聞きしたいと思います。それはなぜ西野さんが広葉樹に変えたのかということにも繋がってくるのかなと思います。

西野製材所でホオノキを製材している様子

西野:
広葉樹は歩留まりの観点から言うと、すごく悪いですね。1割未満、5%とか4%ものしか用材としては出て来ないという数字も出ているので、出できた用材は貴重なものであると思います。そういう希少な材を、大切に扱っていかないといけないというふうに思っています。うちは昔から広葉樹も製材しながら針葉樹も製材をしておりました。ご存知の方が多いと思うんですけど、ぼくが製材をはじめた時、まだ古川には結構な製材所があったと思うんです。針葉樹、広葉樹含めて、古川に10軒以上あったと思うんですけども。やはり製材をしていく中で、例えば針葉樹の柱一本の値段をとっても、他の製材所と競争していくには大変かなと思いまして、広葉樹の方に25年、30年くらい前に切り替えました。今では大型工場で製材した、乾いて、しかも四面プレーターまで削ってあるというような商品がうちの商品よりも安いというような現状が針葉樹の世界にはありますので、広葉樹に切り替えて今はよかったのかなと思っています。

西野製材所のオーナー西野さん

竹田:
逆に広葉樹の製材所が、針葉樹の製材所のようにならなかった理由とは何ですか?例えば、針葉樹は大型工場で集めて、効率的にやっていくように、広葉樹を大型工場でどんどん挽くようにならないのはなぜなんでしょうか?

西野:
今大型工場がたくさん出てきたのは、針葉樹が流通量が多いからだと思うんです。広葉樹を大量に挽く工場ができても、飛騨材を含めた国産材を確保するのはかなりむずかしいからじゃないかなというふうに思います。

竹田:
広葉樹は伐ってもわりに合わないとよく聞きます。会場におられる、森林組合の新田さん、私の知る限り、今森林組合では広葉樹を針葉樹のように伐っていないと思うんですが、その理由はなぜでしょうか?

新田:
コストがかかるからもうからない。広葉樹はどうしても機械化が難しいからコストがかかる。

竹田:
それは、針葉樹みたいにまっすぐじゃなくて、高性能林業機械も使えないという。

新田:
はい。

ヒダクマの製品づくり - 立米単価とプロセス -

竹田:
次は松本さんにおうかがいしたいのですが、ヒダクマではチップにしかならない小径広葉樹の価値を上げるために色んな商品をつくっています。そのことからヒダクマの商品は立米単価だけで考えると、高く売れているように思えます。その具体的な事例を教えてください。

松本:
これまでよく例に出していたのは、100万円するキャットタワー、猫のための家具です。昨年アメリカに納品した卓球のラケットは販売価格1本15,000円くらいするもので、持ち手の部分をブナの木でつくりました。ちなみに自社製品ではなくて、クライアントさんからの依頼でOEMでつくったもので、我々が売っているわけではないんですけれども、飛騨の木を使っています。弊社で昨年立米単価が高かったものは何かというと、静岡県清水区の鈴与さんのオフィスにつくらせていただいた、26mの大きなカウンターです。昔だったらそれこそ一枚板でつくると立米単価が高い高級な家具かもしれないんですけれども、平均6cmの幅狭の板を組み合わせたものです。オフィスの用途に合わせて、活発に使われる場所から静かに集中したいゾーンに緩やかに、赤っぽいホエビソ、ヤマザクラ、カバ、白いトチから緑色のホウノキの順番にグラデーションになるように丁寧に500枚並べました。そのカウンターを設置する価格は300万円で、使った木の立米数は0.1立米なので、立米単価で言えば3,000万円になります。もちろん、設計費、加工費、手間代などが含まれた金額で木だけの値段ではありませんが。

《Modern Cat Tree NEKO》
Photo: Tomooki Kengaku

鈴与本社オフィスのグラデーションカウンター
Photo: Kenta Hasegawa

竹田:
なぜそんなに高くなるのかっていう、からくりがあるのではないかと。なぜ高くなるのかというポイントがあれば教えてください。

松本:
木が本来持つ価値をしっかりと出して、その使い道を考える建築家さんと、それを使うお施主さんに納得して買っていただくこと。それはさっきお話にもあったストーリーとかブランディングをすることとはちょっと違ってですね、飛騨の木だから使うと言ってくださっているわけではないんです。鈴与さんの場合で言うと、建築家さんに飛騨の森や西野さんの製材所を見ていただく。そこにはいろんな木がある。樹種によって色や硬さが違うし、同じ樹種でも木によって色が違うし、同じ木でも部位によって色が違う。建築家さんがオフィスの中に使い方のグラデーションをつけたいと考えた時に木には色んな色があるから組み合わせたらできるのではないかとご相談してもらうことができた。

鈴与オフィスリニューアルの設計を担当した建築家の後藤周平さんに広葉樹サンプルを見せるヒダクマの浅岡

松本:
つまり建築家さんが完全に設計しきった後に、「こういう色の木を予算いくらでください」という相談をもらうのではなくて、考えるところからご一緒させていただいたんです。それによって500枚の板を並び替えてその手間をかけるという付加価値を生みだし、木を使っていただけた。猫の家具も卓球のラケットも設計の最初の段階からご相談をいただいて、飛騨の木を使っていただけるようにコミュニケーションをしたというところはポイントというふうに思います。

 

川上から川下までで化ける価格。適正な価格とは?

竹田:
見た目が立派だなという木が必ずしも高いわけではないというのが林業のところに携わってみて感じています。それらが流通、加工、販売の段階になって、よく「化ける」と聞きますけれども、価値が変化していく。例えば、山にある木は、一律いくらというかたちで比較的値段が安定して取引されているというふうに思うんですけど、末端商品になってくると、なんでこんなに価格が違うのかな?という…。いろんな段階で価値が変化していくんだと思うんですが、どこで価値が変わるのか?いまいちよくわからないんですね。お三方におうかがいしたいんですけれども、価値が変わる段階として考えられるのはそれぞれの立場でどういったところであるとお考えでしょうか?

長野:
スギ・ヒノキの原木だとだいたい立米13,000円ですね。製材所、もし集成材にしたら集成材、小売、ハウスメーカーときたらとても高くなるんですよね。そこの手間賃であって、正当な手間賃じゃないと取引ができない。それでずっと続けた時に山は次にまたその人たちに木を提供できるのかと考えると、今の針葉樹の価格は安すぎると思うんです。山側の方でもうちょっと高く売るという努力をしないといけないと思うんですけど、なかなか難しいですよね。国際価格が決まっていて差別化ができないものだとすると、そっちの価格だったら外材にしようと。上限が決まっていてアップできないとすると、そこの間の利益分の分配を変えるしかないだろうと思います。適正に分配する役割の方を木材コーディネーターと今呼んでいるんですけれども。木を使うことに対して手間で面倒な手間をだれがやって、そのお金をどう分配するかを流通が長いだけにやれる人が増えるといいんじゃないかなと思っています。そういうきれいな流通のつなげかた、適正価格での流通のつなげ方というのは今、林業界以外では当たり前になりつつある。山側からも声を出して、そういう状態にあるということを川下の人にも知ってもらって、お互いが歩み寄れる点を見出していくことが大事かなと思います。
価値は確かに変わってその後の加工がなければ丸太では使えないわけですから価値を上げる人は必要なんですけれども、価値を上げたものの分配を、さっきの3,000万円だったら西野さんはいくらもらっているんでしょうか?

会場:
(笑)

松本:
わかりやすく立米換算で言ったので、3,000万円いただけたわけではなくてですね(笑)、木材だけの値段については西野さんにお任せしてそれで買わせてもらっています。5、6樹種の幅5cmくらいで厚み8mmの板という、そのまま何にも工夫しなければ焚付材にしかならないようなものの活かし方を考えて、加工して、現場で施工する、価値を出すためにたくさんの人に関わっていただいた結果として、それくらいの金額のものにもなるという事例としてお話しました。

西野製材所

西野:
うちは原木を仕入れて製材をするんですけども、何も変わった挽き方をするわけでもなく、丸挽きって、だら挽きっていうんですよ。製材ノコで落としていって同じ厚みの板をとっていくというやり方をしても、歩留まりって70%を切れるんですよね。日本農林規格で原木っていうのは四角いものを買って実際は丸いものを製材するから、その空気の部分があって、歩留まりは7割しかとまらないと。その3割の部分は、どっちにしても製材品として単価を上げ、それに上乗せをして販売していかなきゃいけない。製材をして木材は乾燥させないといけないので広葉樹の場合はうちは1年くらい天然乾燥する。その間の置き賃であったり、そこからまた人工乾燥へ入れて、さらに手を加えて乾燥材として販売するわけですけれども、そこまでの手間を考えれば、僕は安いと思っています。

松本:
前提を覆すようですが、出てきた木にどんどん価値をつけて届けるというビジネスをしている感覚はなくて、例えば「こういう素敵な空間がつくりたい」という話があった時に、それに適した素材として木を提案するということが多いです。例えばオフィスの土足で上がる空間にはこの木で、人が腰かけるところにはこの木で、よく触るところには手触りがいいこの木で、というように多様な広葉樹はいろんな使い分けができる。色味も色々ある。ただそれに対して発生する手間を省いたり、コストを下げるために安い外材でやった方がいいねってならずに、丁寧に建築家やお施主さんとコミュニケーションをするということをやっています。価値をつける段階はどこかというと最終的に買ってくださる方の段階で価値が決まるのではないかと思うので、そこにどう寄り添うのかやその意識をどう変えるのかが大きいんじゃないかなと思います。

木の買い手となる人

竹田:
近年の動向としてどんな方が木を買ってらっしゃるでしょうか。長野課長、西野さん、松本さんからそれぞれの立場からおうかがいできないでしょうか。

長野:
そうですね、いろんな引き合いが多い。ゼネコンさんって東京オリンピックでその後需要が落ちると言われていて、今儲かっているみたいですけれども。そういう大手のところに、木造建築部というのができてきています。お客様の方が、木とか、SDGsとか、地球温暖化防止というところを求めてるので、木を使う時にどんな提案ができるの?ということに答えられないと他のゼネコンとの競争ができないと聞いたことがあります。

西野:
飛騨は木工を勉強しに全国から木工を学びにみえる方が多くて、そういう方が地元に帰られて木工をはじめられる方が多いんですけれども、地元へ帰ると広葉樹を売っているところが少なくて、近くにない。高山のへんで売ってたなという感じで、うちを探していただくと。木工作家さんが多いですし、高山の家具メーカーさんが数社ありますので、そちらの方へも納めさせていただいております。

松本:
お客さんから直接のこともありますし、建築家さんやデザイナーさん経由で、いろんなところですね。「市場」ということで言えば、建築や家具市場でお客さんを探していないと思います。例えばキャットタワーでいうとペット用品市場ですし、卓球ラケットではスポーツ用品市場になります、先程の鈴与さんはオフィスのリノベーションなので建築にになるかもしれませんけど、オフィスリノベーションのきっかけというのは、もともと採用を強化したいというお話もあったと聞いていますので、リクルート市場であったかもしれないです。そんなお客様がやりたいことや問題解決に対して、広葉樹やそれを加工する技術が集積している飛騨は、それに応えうる可能性が高い、という意味においてお客様はどこにでもいるのかなというふうに思います。

木がほしい人に応えていくために

竹田:
これから「木材をほしいんです」「国産材がほしいんです」っていう方にしっかりとした値段で販売していこうとした時に、今後必要なことがあれば西野さんと松本さんからそれぞれうかがいたいです。

西野:
エンドユーザーのニーズに合わせるというのは、お客様ですので、要望に応えていきたいと思っています。広葉樹は多様性があります。3種類、4種類、5種類くらいのいろんな厚みに対応していかなきゃいけない。そこまで在庫を持たなきゃいけないんですけど、色んな厚みを揃える、色んな樹種も揃えるということで、やはり応えていきたい。スギ・ヒノキと違って、集材も難しいですけれども、山を伐ってくださる飛騨で言えば、森林組合さん、柳木材さん、奥飛騨開発さんにこういう木がほしいとお願いをさせていただいて、集めていただいて。もちろん市場へもまわりまして、集材して、製材する。なかなか大変なんですけど、そういうものに応えていきたいなっていうふうには思っています。

「川上から川下までの情報共有の仕組み、物流の仕組みを地域の関係者みんなで考えていけるといい」と語るヒダクマの松本

松本:
建築家さんを森に連れて行って、こういうお話をさせていただくと、チップにしてしまうのはもったいないから、ぜひうまく活かして使いたい、つまり「ほしい」と言ってくださる。例えば、すごく曲がった木とか、すごく細い木とか、西野さんのところにも下りてこないようなものを使いたいと。それは、今までに使われなかったものを使うという意味ではいいんですけれども、例えば、曲がったものを伐って、集めて運ぶには通常の何倍もの手間がかかる。森林組合さんや、置き場で仕分けや加工をしてくださっている柳さんにはかなり無理なお願いをして、それを聞いていただいています。森林組合の新田さんはほんとに色々コミュニケーションしてくれて、こういうのほしいんですけどって言ったら、今伐ってるから一緒に見に行こうと言ってくださる。そんなふうに山側が使い手や買い手とのコミュニケーションを大事することがしっかりした価格で販売することに必要だと思います。ただ、今はそれを動かすために、川上川中の方にいろんな面でご負担をかけてしまっているので、そこがスムーズになるような情報共有の仕組み、物流の仕組みを地域の関係者みんなで考えていけるといいなと思います。

竹田:
木材の価値は山に立っている時点で決まっているわけではなくて、それを伐る人、製材する人、加工する人、販売する人、それぞれの目によって変わってくるんだなということが今までのお話を聞いていてわかりました。松本さんの話にあったように、今の仕組みでは非常に難しいっていうのもわかったような気がします。例えば、川上から川下までの情報共有ってよく言われますけれども、なかなかそう簡単にできるものではないので、それは仕組み化して地域で整えていく必要がありますし、飛騨に今までにはなかった斬新なアイデアを柔軟に取り入れたり、今までになかったパイプをつくって今まで木を使わなかったところに木を使ってもらう。そういったことも大事なのかなと思いました。いずれにしても、人口がどんどん減っていく日本で、需要が爆発的に増えることが見込めないことを考えると、今の需要の中で木材の価値を高めていくことをいずれにしても考えざるを得ないと思います。飛騨市の取り組みは、そこにチャレンジしようとしていています。川上から川下までの関係者が集まる円卓会議や、山に行き、木が立っているところから伐った後どうなるのかをみなさんで見て意見交換する取り組み、そして松本さんが言われた仕組みを来年度なんとか整えようとしています。飛騨市が全国のフロントランナーになるように頑張っていきたいと思いますので、応援をお願いしたいと思います。
最後に改めて、挑戦している事業者のみなさんや私たち行政も含めて長野課長からお言葉をいただけたらと思います。

長野:
もう素晴らしいの一言に尽きるということです。プレイヤーがそろっていて、素地があって、実際にやれる人もいるということなので。失敗したらどうしようとか、色々考えることはたくさんあると思うんですが、みなさんと協力してやっていけば、何かができると思います。役所が一人だけで百人力でがんばるよりも、百人の人が一歩ずつがんばった方が長続きします。そういう取り組みが飛騨の中から、生まれればいいですし、これだけ多様な広葉樹があって、職人がいらっしゃるというのは各地でなかなかないです。議論だけで、ものができていかないと続いていかないですから、日本で技術があって素敵な広葉樹がある飛騨市にぜひ期待をしたいなと思います。

竹田:
ありがとうございました。

まとめ

会の終了後、長野氏から「飛騨市の取り組みは関係者がみな同じ方向を向いている」という感想のほか「世界的な動向を見ても国産広葉樹の価値は間違いなく上がる。飛騨市の取り組みを全国にPRしたい」という嬉しいお言葉もいただいたと竹田さん。飛騨市の広葉樹のまちづくりは、飛騨地域のみなさんの熱い思いとともに、様々な人々との交流を通じてどんどん変化していく、そんな期待に満ち溢れるセミナーでした。ヒダクマの取り組みもその一助となれるようがんばりたいと思います。
今年もひきつづき行われる広葉樹セミナーもどうぞお楽しみに。

 

Member

長野 麻子|Asako Nagano
林野庁 林政部木材利用課 課長
1971年愛知県生まれ。1944年3月東京大学文学部フランス語フランス文学科卒、同年4月農林水産省入省。バイオマス・ニッポン総合戦略策定チーム、㈱電通出向、同省食品環境対策室長、大臣官房広報評価課長等を経て、2018年7月より林野庁林政部木材利用課長

竹田慎二|Shinji Takeda
飛騨市役所 林業振興課 課長補佐
1973年飛騨市(旧古川町)生まれ、飛騨市育ち。平成4年に旧古川町役場に奉職。税務課、住民課、農林課、企画課などへの配属を経て現職。企画課配属時に地域資源として市内森林の7割を占める広葉樹に着目。広葉樹活用の新しい仕組みとして、㈱飛騨の森でクマは踊るの設立を企画。現在は林業振興の立場から引き続き飛騨市の広葉樹活用プロジェクトを推進中。

西野 真徳|Masanori Nishino
株式会社西野製材所 代表取締役
国内でも珍しくなった広葉樹専門の株式会社西野製材所2代目社長。その確かな目で仕入れた広葉樹を飛騨地域を中心とする家具メーカーや木工作家のニーズに合わせ、製材・販売し、飛騨地域における広葉樹流通のハブ機能を果たす。

松本 剛|Takeshi Matsumoto
株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 COO
環境事業会社勤務を経て、株式会社トビムシに参画。2015年、飛騨市、トビムシ、株式会社ロフトワークの三者で「株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)」設立。2016年には木工房併設の滞在型ものづくりカフェ「FabCafe Hida」をオープン。2019年より現職。

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