NEWS / BLOG

  • インタビュー
エンジニア発のプロダクトを生み出すための空間デザイン「Neos Sapporo Developers Park」

事例:ネオス株式会社 Neos Sapporo Developers Park(札幌オフィス)

image10

広葉樹の家具でコミュニケーションを促進するオフィス

スマートフォンアプリ・システム・クラウドの構築・運用、チャットボットやFintech事業の開発を行い、暮らしを便利で豊かなものにしているネオス株式会社同社の屋台骨を支える、開発者拠点の札幌オフィスは、社員が20数名、パートナーを含めると約90名の体制で稼働しています。今夏、札幌市内に点在していた4つのオフィスを1箇所に統合し、新オフィス「Neos Sapporo Developers Park」を開設しました。

開設にあたり、企画から設計・製作までヒダクマが全面支援。風通しが良くコミュニケーションを生み出しやすい空間が完成しました。木を随所に取り入れたオフィスは温かみがあり、早くもスタッフの表情や動きが少しずつ変わってきているとのこと。

オフィスの統合に踏み切った理由は?最先端の開発案件に必須となるセキュリティの問題はどうクリアしたのか?新しいオフィスが社内外にもたらした効果をネオス株式会社 札幌開発センターで統括部長を務める蒲生さんと同センターに所属する森嵜さんに伺いました。

「札幌で一番働きたくなるオフィスを作ろう」

なぜオフィスを変えようと思ったのでしょうか?きっかけを伺えますでしょうか。
蒲生

札幌オフィスは当初5名ぐらいでスタートしたのですが、手掛けるプロジェクトが増えるとともにスタッフの人数も増え、都度新しいオフィスを追加していった結果、4つのオフィスが点在する状況になりました。
座席確保のために借りたオフィスなので、どれも目的やコンセプトがあって作られた空間ではなく、ただ業務ができる執務エリアしかなかったんです。フリースペースもありませんし、中には会議室のないオフィスもあり、業務に合っていないと感じていました。

蒲生忠志氏(左)と森嵜志乃氏(右)

森嵜:最大で80坪弱の場所に50人ぐらいいたと思います。席と席の間も狭いですし、PCも多いので熱がこもるんです。最初にオフィスを作ったビルは比較的天井が高かったのですが、それでもこもりました。

以前のオフィス(写真提供:ネオス株式会社)

オフィスを作るにあたり、オフィス家具メーカーに委託するという選択肢もあったと思います。ヒダクマに期待したのはどのようなことでしょうか?
蒲生

札幌オフィスにはいわゆる管理・総務部のような機能がなく、調達に関するノウハウがありませんでした。ヒダクマに相談したところ、「札幌で一番働きたくなるオフィスを作ろう」といろいろ提案を頂き、同じように木を取り入れたオフィスづくりをしているロフトワークの渋谷オフィスも訪問しました。木をふんだんに使うというのは、個人的には一番魅力に感じたポイントですね。触り心地も良いですし、温かみもあるし、おしゃれになるだろうなと。

森嵜

これまでのオフィスは、エンジニアと膨大な数のPCしかなくとても殺風景だと感じていました。木をメインに自然のものが入ることで、オフィス内に空気的な柔らかさが入るといいなと期待しましたね。その場に身を置いているとあまり気付かないのですが、今までのオフィスは「ここで仕事さえしてくれればいい」というような、働く環境に目を向けていないオフィスだったなと今は思います。

蒲生

見直しの必要性は上層部にも再三伝えました。「このオフィスでは若い人は入社しようと思わないですよ」と。その結果、中野(取締役常務執行役員)が「好きなようにやったらいいんじゃない?協力するから」と言ってくれました。

現場の要望がしっかりと聞き入れられたのですね。
蒲生

はい、急展開でしたね。僕は「そんなに予算出してくれるの?大丈夫?」と半信半疑でしたが(笑)、中野は「絶対やろう」「予算通すから」と言ってくれました。
まずはちゃんとしたオフィスにしたいなと。会議室を作りたいとか、フリースペースを作りたいとか、本当にごく一般的な環境を整えたいというのが一番でした。また、「コミュニケーションが取れるオフィスにしたい」というのはコンセプトにしていました。

開発者のクリエイティビティを刺激するオフィスづくりのアイデア

なぜ「コミュニケーションが取れる」ことをそこまで重視したのですか?
蒲生

我々は開発会社ですが、業務の割合は自社サービスが3割、受託が7割ぐらいの比率です。受託はお金も頂けるし、利益に繋がりやすいので大切ですが、僕は自社プロジェクトの比率を大きくしていきたいと考えています。
僕はものづくりがしたくてこの会社に入ったので、自分たちでできる、開発者だからこそ提案できるプロダクトを作りたい。そのためにはコミュニケーションが必要ですし、今回のプロジェクトでは、どういうものを作るか常日頃から話せる環境を整えたいということを重視しました。

蒲生:そこで、岩岡さんから頂いたのは「動線を作ったほうがいい」という提案です。「場所を作って無理やり集めるのではなく、自然と人が流れて出会うほうが対話は生まれる」ということでしたが、実際そのとおりになっています。環境を変えることでこんなに変わるんだなと実感しました。

森嵜:今まで話すことのなかった人たちが話すようになりましたね。まだ数は少ないですが、これまで見られなかった光景が結構見られますね。昼ごはんもみんなで食べるようになりましたし。

それは素晴らしい!キッチンに集まられるんですか?
森嵜

はい。これまで別々の拠点にいた人たちが、キッチンで自然と隣り合わせになっています。みんな楽しんでくれているようです。とはいえ、まだ自席で食べる人は多いので、もっと積極的に活用してほしいなと思っています。

写真左側がキッチン

写真手前・ソファーコーナーの奥に見えるのが窓に面したカウンター席

森嵜:あとは窓際も人気です。一人で寡黙に食べていますが、それはそれで良い気分転換になっているのかなと思います。

ミーティングスペースも会議室だけでなく、機能のバリエーションをもたせたブースが設置されましたね。どのように使い分けられているのでしょうか?
蒲生

会議室は4つあって、うち1つは応接室です。ガラス張りではあるのですが、遮蔽性のある個室になっているので守秘義務に関わる会議はここで行います。他には東京とテレカンをするのに使うことも多いですね。大きめの会議室はプロジェクト全体の進捗共有などに使っています。
ブースは簡単な打ち合わせや、閉じこもらなくてもいい場面で使っていますね。のんびり会議というか、気分転換も兼ねて。全面ホワイトボードのプロジェクトブースは、方針決めなど書きながら打ち合わせをするのに重宝しています。吸音マットを貼ったミーティングブースも人気がありますね。

森嵜

そうなんですよ。本社スタッフが来たときも、荷物置き場として案内したのですが「居心地が良いのでここで作業します」と気に入っていました。共有エリアの中では一番囲まれた場所ですね。逆にここ以外はかなりオープンなので、同じ共有エリアでも使い分けています。

右手前・吸音マットを貼ったミーティングブース、一番奥はガラス張りの会議室、左手は窓に面したカウンター席

全面ホワイトボードのプロジェクトブース

木の空間が広がるエントランスの効果

今後、外部の方を迎え入れたり、採用活動の際にもこのオフィスは効果を発揮しそうですね。
蒲生

実際、7月に移転して以降、オフィスに来られた方からは大好評です。入社希望の方も、協力会社の方も、必ず皆さん「すごく良いオフィスですね」と言ってくださいます。言わない人はいないです(笑)。
採用活動への効果が見られるのはこれからですが、弊社でも採用メディアを作る予定なので、職場の写真を掲載することで興味を持ってくれたらと思っています。

HUBカウンターのディテール

堂々と紹介できるオフィスがあるのは良いですね。
森嵜

札幌や地方では、ただ効率を考えられただけのオフィスが多い気がします。ましてや開発がメインの会社で、こういうおしゃれなオフィスは本当に少ないのではないでしょうか。
会社の引っ越しに立ち会ったのは今回が初めてでしたが、オフィス家具のサプライヤーを通すという考えは一切ありませんでした。ヒダクマなら木をメインにしながらおしゃれなオフィスを作っていただけるだろうと思っていたので、実際そのとおりになって、とてもうれしいです。

一緒に働いている皆さんの声はどうですか?
森嵜

普段あまり人とコミュニケーションを取ろうとしないエンジニアも、使ってみたい気持ちはあるようで「ソファーも使っていいんですか」「ブースは普通のときに入ってもいいんですか」と聞いてきます(笑)。視覚的に新鮮で使ってみたい一方、どうやって使えばいいか分からないとか、ひとりで入っていいのか、とか。
外部から来られた方にはエントランスのインパクトが強いようで、その話をされる方が多いですね。「(自分が)どこにいるのかと思いました」と。

左奥がミラーになっているエントランス

蒲生:コミュニケーションを生み出す、外部との風通しを良くすることと、弊社のもつ守秘義務やセキュリティの固さは、ときにぶつかることがあります。
共有エリアの空間はエントランスから見えるほうがいいと思いつつも、セキュリティの問題がある。完全に壁にしてしまうのも勿体ない、でもガラス張りで筒抜けでも困るということで、ガラスにミラーフィルムをスリット状に貼るデザインになりました。スリットの部分からは中が見えますが、半分以上はミラーになっています。壁ではないので圧迫感はさほど感じないと思います。

人と人のコミュニケーションを加速させる機会をつくっていく

触り心地や空気を変えるという意味合いもさることながら、機能面も重要な要素だと思います。その点はどうでしょうか?
森嵜

私は全体的に使いやすいと感じているので、もっとスタッフにも活用してほしいですね。自席でできるようなことでも場所を移して作業してみたり、誰も座っていない場所に行ってみたり、実際に使う姿を見せることで「こうやって使ってください」と伝えているつもりでいます。
欲しいところに電源を付けてくださっているので、充電がなくて困っている方に「あそこにありますよ」と教えることもあります。意外なところに付いていると驚かれます(笑)。ソファーの足元にある電源は意外と知られていないようですね。

今後実践していきたいこと、挑戦したいことはありますか?
蒲生

執務エリア内のHUBカウンターをさらに有効利用したいですね。簡単な打ち合わせ場所として使用していますが、もう少し偶発的な対話があってもいい。コミュニケーションの場として機能させたいと思っています。
あとは、せっかくオープンなオフィスになったので、イベントをやろうと話しています。ネオスを知ってもらうことで、採用含め活動の幅を広げて、新しいことができたらなと思います。そういうのが札幌だけだとエンジニアの集団で苦手なので、ヒダクマのノウハウを借りてやっていけたらいいなと思いますね。

執務エリア内のHUBカウンター(引っ越し前の様子)

森嵜:私は、ヒダクマにフリースペースのテーブルを追加発注することが目標です(笑)。「これだけ活用される場になりましたよ!」「足りません!」と言えることを目指しています。誰でも使っていいんだな、って、パッと誰でも打ち解けられる空間ができれば最高だなと思っています。

蒲生:今回ヒダクマとオフィスづくりに取り組んでみて、コンセプトの明確化やものづくりの大切さを改めて感じました。オフィスを作るのとサービス開発は違いますが、結局ものづくりであることには変わらないですね。やりたいことを貫いて、いいものを作りたい。今回オフィスを作っていて実感しました。

今回のオフィス移転プロジェクトもひとつのものづくりとして楽しめましたか?
蒲生

はい、一番楽しんだと思います(笑)。

ありがとうございました。

文:吉澤 瑠美 

写真:長谷川 健太 
(インタビューと以前のオフィス写真を除く空間・家具の写真全て)

プロフィール

蒲生 忠志(がもう・ただし)
ネオス株式会社
バリュークリエーション部 統括部長
札幌開発センター 統括部長
1977年札幌生まれ。新たな発想でサービスを生み出しているアメリカで、本場のITビジネスを見ながらコンピュータサイエンスを学ぶため留学を決める。大学卒業後、携帯電話のソフトウェア開発を経験。2012年 ネオス株式会社へ入社しスマホアプリを始めとした自社サービスを中心に開発を経験。エンジニア目線でのアウトプットを意識し、技術者だからこそ提供できるサービス開発を理念とする。

森嵜 志乃(もりさき・しの)
ネオス株式会社
札幌開発センター
2015年ネオス入社

会社概要

ネオス株式会社
ソリューション・コンテンツ・デバイスの3事業を併せ持つユニークなICT企業として、一つひとつの事業拡大を追求するとともに、これらを総合したシナジーで新たな事業を創出し、来る5G時代に向けて、Iot、AIを核にさらなる進化を目指している。https://www.neoscorp.jp/

「Neos Sapporo Developers Park」

設計:古市淑乃(古市淑乃建築設計事務所)
企画・設計・製作ディレクション:岩岡孝太郎、浅岡秀亮・飯山晃代 (ヒダクマ)
製作:田中建築、藤井家具製作所、ノナカ木工所、イーシー・キッツトキワランバテック

オフィス環境を家具から見直していきませんか?

ヒダクマでは、オフィス家具の提案から設計、設置まで、皆さまに寄り添ったお手伝いをいたします。
お問い合わせはこちら