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林業と地域文化を学ぶノルウェー生命科学大学院生のスタディ・トリップ

Outline

ノルウェー生命科学大学大学院環境科学・自然資源管理学専攻で林業を学ぶ学生16名が、日本各地の森林、林業やそれに根付いた文化を学ぶスタディ・トリップが6月に行われました。このスタディ・トリップは、学生たちの自主的な研究視察旅行で行先も彼ら自身の投票で日本と決め、宇都宮、京都、飛騨、長野などを訪問。
飛騨では、同大、そしてヒダクマとも以前よりご縁のある筑波大学 生命環境系 山岳科学センター菅平高原実験所の津田吉晃准教授のご協力のもと、FabCafe Hidaを拠点に林業や森林に根付いた文化を集中的に学ぶ2日間の合宿プログラムを実施しました。

プロジェクト概要

  • 支援内容
    プログラム設計・企画調整・実施
    ・飛騨の森林施業現場や製材所への見学ツアーの設計・実施
    ・飛騨市林業振興課、ヒダクマからそれぞれの取組みを紹介するレクチャーの実施
    ・組木などの伝統的な木工技術や主要な地場産業のひとつである酒造りの蔵見学ツアーの実施
    ・FabCafe Hidaでの広葉樹を使った箸づくりワークショップの実施
    飛騨滞在期間中の拠点としてFabCafe Hidaでの宿泊、Cafeスペースの提供

  • プロジェクト期間
    2019年6月

  • 体制
    クライアント:ノルウェー生命科学大学 大学院生16名
    プログラム企画・協力:筑波大学 生命環境系 山岳科学センター菅平高原実験所 津田吉晃 准教授
    プログラム設計:松本剛・井上彩(ヒダクマ)
    ワークショップ運営:堀之内里奈(ヒダクマ)
    協力:飛騨市林業振興課、飛騨市森林組合、西野製材所、飛騨の匠文化館、渡辺酒造店、Mother’s House

Background

ノルウェーの学生のみなさんに自身の活動について話す津田先生

飛騨でのプログラムは、筑波大学 生命環境系 山岳科学センター菅平高原実験所の津田吉晃准教授が企画発案しました。
津田先生のご専門は、時空間スケールに着目した集団遺伝学およびその生態系保全・管理への応用で、最近では昆虫、哺乳類、魚類など対象を広げ研究を展開されています。
2017年にヒダクマが実施した「Smart Craft Studio 2017」において、津田先生にゲストとして参加していただいたことがきっかけでこの合宿は実現しました。

Program Details

プログラム設計・調整
この合宿で学生たちに、どこで・何を見て・誰と出会い・対話できるかを事前に津田先生と一緒に考え、プログラムを設計。林業の現場や林業施策を学ぶだけでなく、地域の文化に触れられるツアーや、木のものづくり体験を通して、森と人の暮らしのつながりを学ぶ機会をつくりました。また、森林資源とデジタル技術、国内外のネットワークを活かし、クリエイター・大工・職人・専門家などとの協働で行うプロダクト開発・製作など、ヒダクマの事業を紹介する時間を設け、様々な観点からこれからの森の在り方について考えることができるようなプログラムを目指しました。

Schedule

[Day 1]

チェックイン
自己紹介・イントロダクション
飛騨の匠文化館見学
夕食
就寝

[Day 2]

森林施業現場と製材所見学ツアー
飛騨市林業振興課とヒダクマのレクチャー
広葉樹の箸づくりワークショップ
渡辺酒造店の蔵見学ツアー
夕食
就寝

[Day 3]

チェックアウト
(チャーターバスで、次の行き先・筑波大学 山岳科学センター菅平高原実験所へ)

森林施業現場と西野製材所をめぐるツアー(宮川町桑野の森、西野製材所)
飛騨市森林組合の施業現場見学ツアーを実施。飛騨市森林組合の上崎強さん、田中智也さんの案内で宮川町桑野にある私有林での施業を見学。森林は広葉樹に囲まれた杉林で、チェンソーでの伐倒、ウインチ付きグラップルでの木寄せ、造材。山林、中継所から木材仮置場、そして工場までの運搬という一連の作業を見ることができました。学生からは森林組合の上崎さんや田中さんにノルウェーとの施業方法の違い、土地や山道の管理や経済的な話などの多くの質問があり、意見交換をしました。その後学生らは広葉樹に特化した製材を行う西野製材所を訪れました。

広葉樹を活かしたまちづくりを学ぶ飛騨市林業振興課とヒダクマによるレクチャー(FabCafe Hida)
飛騨市林業振興課二木課長より、飛騨市が取り組む「広葉樹のまちづくり」について話を聞きました。また、ヒダクマより飛騨の森林資源を活かしたプロダクト開発や家具製作、FabCafe Hidaでの地域・交流事業を紹介するレクチャーを実施しました。

地域の生活・文化を体感する飛騨古川の町歩きツアー(飛騨の匠文化館、渡辺酒造店)
組木をはじめとする伝統的な木工技術を見学できる飛騨の匠文化館への訪問。また古川で明治3年(1870年)から酒造りを営む渡辺酒造店の蔵見学ツアーを実施しました。

飛騨の匠文化館で組木のパズルに挑戦

渡辺酒造店の蔵見学ツアー

蔵見学の後は利き酒も

広葉樹の箸づくりワークショップ(FabCafe Hida)
日本の大工道具であるカンナを使った箸づくりに挑戦しました。それぞれ好きな樹種の広葉樹を選び、削って磨いて完成。「学生のみなさんは器用で、仕上がりが美しかった」と担当のFabCafeスタッフ。木目や杢(もく)がきれいだとお気に入りの様子でした。

カンナをつかって削ります

FabCafeスタッフ堀之内が仕上げ方法をアドバイス

飛騨での滞在サポート(FabCafe Hida)
学生たちは築100年以上の古民家をリノベーションしたFabCafe Hidaに滞在。夕食では野菜など地場の新鮮な食材を使った料理を食べながら、リラックスした時間を楽しみました。

夕食はMother's Houseの美味しいケータリング

FabCafe Hidaでのリラックスタイム

Member

津田 吉晃| Yoshiaki Tsuda
筑波大学 生命環境系 山岳科学センター菅平高原実験所 准教授
2009 年にウプサラ大学進化生物学センター(スウェーデン)に渡欧して以来、イタリア、インド、西表島など各地で研究生活を送り、2015 年から現職。専門は時空間スケールに着目した集団遺伝学およびその生態系保全・管理への応用。世界各地の亜寒帯~マングローブの森林樹木を主な対象に、最近では昆虫、哺乳類、魚類など対象を広げ研究を展開。平成31年度日本森林学会奨励賞受賞。

松本 剛|Takeshi Matsumoto
株式会社トビムシ / 株式会社飛騨の森でクマは踊る取締役COO (Chief Operating Officer) 兼 CFO (Chief Forest Officer)
環境コンサルティング会社を経て、2009年、株式会社トビムシに参画。2015年、岐阜県飛騨市に飛騨市と株式会社トビムシと株式会社ロフトワークで、森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す官民共同事業体「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を設立、取締役就任。カレー好き。好きな木材はホオノキ、好きな匂いはクロモジの枝。


 

Special thanks

 

お帰りの際の記念写真

短期間の中ハードスケジュールでしたが、みなさん元気に次の目的地である筑波大学 山岳科学センター菅平高原実験所へ出発。
訪れてくれたノルウェー生命科学大学のみなさん、津田先生、サポートしてくれた筑波大学山岳科学学位プログラムの加藤朱音さん、ご協力をいただきました地域のみなさん、本当にありがとうございました。

飛騨の林業や組木などの木工技術、文化を学ぶ合宿をしませんか?

ヒダクマでは、林業を学びたい方・建築家やデザイナー、学生、企業などを対象に、林業、まちづくり、建築・家具デザイン・製作などを学ぶことができる合宿・滞在プログラムを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら。