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  • 木の商品開発
製品になれない木で、大量生産の方式にとらわれない製品づくり

面積の90%以上を森林が占める森林地域であると同時に、全国有数の木工家具の産地として知られる飛騨。
しかし、飛騨で生産された家具のほとんどは、飛騨の木を使っていません。飛騨だけでなく、国内での家具生産は輸入材に頼っているのが現状です。そんな中、各地域で国産の木を使うを取り組みが始まっていますが、まだまだ安定した供給などの仕組みが整っていないという課題があります。

飛騨の森林の特徴は、たくさんの種の樹木が生息している為、同じ種類の木の絶対数が少なく、手に入りにくい。そして、寒冷なので大きな木に育ちにくく、小径木が多い。さらに、雪の重みなので曲がりくねってしまい、まっすぐな木が少ない、といった特徴が挙げられます。

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しかし、大量生産で作られる製品は、常に一定の品質で作り続けなければなりません。そして、同じ品質の木材がいつでも安定して入手できないといけません。木工製品の産地であるがゆえに、良質で供給が安定した木材が必要とされ、残念ながら飛騨の木ではそれにそぐわないのです。その結果として、品質も供給も安定している輸入材に頼る現状となっているというわけです。

森に入って木を切ったり植えたりする「林業」を行い、森をきちんと育てるというサイクルに誰かコミットしなければ、森は衰退してしまいます。林業を行うには、その木に資源としての価値がつき、お金にならなければ、誰も行いません。

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大量生産の方式にとらわれず、新しい視点や考え方で 新しい価値を吹き込む

「供給がバラバラ」で、「小径木」で、「家具として使いにくい」。その特徴を逆手にとり、様々な樹種の表情が楽しめるユニークな商品がつくれないか。考案されたのが、「まぜまぜ広葉樹」です。

ヒダクマの「まぜまぜ広葉樹シリーズ」は、幅が狭かったり、枚数が揃ってなかったりして、メーカーの家具になれなかったいろいろな広葉樹をまぜまぜにすることでひとつの家具に仕上げています。何十年も森で育った木が、生産合理的な考えかただけで、捨てられたり、砕いてチップにしてしまうのは悲しい。
まぜまぜの家具になることで、木の運命を変えています。

まぜまぜ広葉樹の一番の特徴は、樹種のラインアップを限定せず、そのとき採れる木だけを使っていること。

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2018年夏、あるオフィスのフリーアドレス化計画のために「まぜまぜ広葉樹」のテーブルを納めました。
70人以上のワークスペースを確保する為に、長さは3メートル弱、奥行きは1メートル以上のオフィステーブルが10台以上必要となりました。

たくさんの種類の木をつなぎわせて、巨大な天板をつくる

いろいろな種類の広葉樹を、接着でつなぎ合わせることで一枚の大きな天板にしてゆきます。

長いクランプで、長さ方向もはぎ合わせ。

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設計はヒダクマで担当し、制作は飛騨の大工さんと一緒に行いました。
反りにくい木の組み合わせだったり、より美しくなりそうな組み合わせは、木の性質を読み取ることができる大工さんのプロ技に委ねました。
木という生き物を扱うためには、設計側が一方的に意匠を表現するのではなく、造り手側と一緒に考えながらディテールを詰めることが重要です。

丁寧に研磨すると、このようにそれぞれの木の美しさが際立ちます。

使用した木は、ケヤキ、クリ、サクラのようなよく目にする木から、タブノキ、セン、ミズメなど、少し珍しいな木まで 合計10種類の木を「まぜまぜ」しました。

両サイドは樹皮のカーブをそのまま活かした自然な仕上がり。

オフィス家具なので、コンセントも埋め込みました。

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オフィス環境に木を導入することは、反射率を下げて目を疲れにくくしたり、 室内の雰囲気を明るくしたり、調湿効果を与えたりと、働く人に様々な効果をもたらしてくれます。

70名以上のワーカー達が、スタイルに合わせて好きな場所に座ることができる、「フリーアドレス」用のデスクとなりました。3メートル弱の巨大な天板ですが、脚にキャスターがついているため、移動してレイアウトを変えることも可能です。

製品になれない木で、大量生産の方式にとらわれない製品をつくることは、輸入材に頼るのではなく、自身の身近な森にある木を使うというごくごく自然であるような取り組みであるように思います。飛騨で切り出された木を使うことが、飛騨のそして日本の森を豊かにすることに繋がります。

「まぜまぜ広葉樹」で家具をつくりませんか?

ヒダクマでは20種類以上にも及ぶ様々な広葉樹を取り扱っています。その多くが、一般的には家具にならずチップや薪となる木です。しかし、それぞれに、異なる手触りや表情、効能があります。それらを自由に混ぜ合わせることで、自分のイメージするオリジナル家具を作ることができます。ヒダクマスタッフがみなさんのイメージにぴったりの家具の提案から制作、設置までをお手伝いします。お問い合わせは、こちら。
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