- インタビュー
フリーアドレス化でより自由な発想を。木のワークデスクが実現した新しい「働き方」
事例:株式会社メディアジーン
とあるオフィスで出会ったヒダクマのカウンターテーブルに惹かれ、
株式会社メディアジーンはヒダクマに木のワークデスクをオーダー。
6Fのメディアジーンオフィスへのデスク導入と同時に、
フリーアドレス制度をスタートしました。
メディアの力で世の中のイノベーションを促進する立場の彼ら自身も
「働き方を変えていく必要がある」と考えていた中での変化。
新しい制度、新しいデスクは働き方をどう変えたのでしょうか?
プロジェクトリーダーとして導入に携わった、
株式会社インフォバーングループ本社の足代理氏にお話を伺いました。
弊社CEOの今田がある企業を訪ねた際、キッチンスペースにヒダクマさんのテーブルが導入されていたのがきっかけです。グループ企業であるインフォバーンがすでにフリーアドレス化を進めており、メディアジーンも固定席をやめてフリーアドレスにしようか、と検討が始まった矢先のことでした。
ただ、インフォバーンとメディアジーンではオフィス設計に際しては違う手法を取りました。インフォバーンは働き方に応じて場所を使い分けるといった機能的な空間を作るべく大手オフィス家具メーカーに相談したのですが、メディアジーンに関しては既存の構造を活かしつつ、シンプルかつリラックスした状態で自由な発想の生まれる場にするという点を重視し、ヒダクマさんに相談することにしました。

株式会社メディアジーンのオフィスフロアにヒダクマが制作したデスク15台を搬入・設置した時の様子
当社グループを牽引する今田の思いとしては、とにかくのびのびと仕事をしてほしい、各人が自律思考で動ける組織であってほしい、というものがあります。言われたことをただやるのではなく、コミュニケーションを取りながら自分で発想したことに社内外の人をどんどん巻き込んで動いてほしい、ということです。
これまでは島が連なる、昔ながらの座席配置でした。今は固定席をすべて廃止して、インフォバーンのエリアも含めて全フロアどこで仕事をしても構わないというルールにしています。その日の気分によって今日は2F、今日は4Fというようにかなり自由になりました。社長室もないので、CEOもその辺をウロウロしていますよ(笑)。
木へのこだわりがすごかったです(笑)。撫でるようにヤスリがけをしていましたね。納品作業を行っていただいた際、休憩の間もスタッフの方同士で「これはクリの木で……」とか2人で木の種類を言い当てている姿が印象的で「木が大好きなんだな」と。自社商品に愛着があるのが素晴らしいなと思いました。

デスクに使われた樹種は、ヤマザクラ・オニグルミ・クリ・ケヤキ・ホオ・タブノキ・セン・ミズメザクラ・ウダイカンバ・トチ
の全部で10種類
さまざまな木を組み合わせることで、多様な質感が楽しめて飽きの来ないデスクに仕上がっている点も良いですね。遠目には同じように見えますが、近くで見ると1枚1枚質感が異なります。無垢の一枚板というのも魅力的ですが、組み合わせたものも結構アリだなと思いました。
今回はどちらかというとシンプルなものを求めていて、複雑な機能は求めませんでした。ある程度フレキシブルにレイアウトを変えられる長い机のほうが使いやすい、という社内の声があったからです。フロアの広さも限られているので、多機能なものをスペースによって使い分けるよりは、目的に応じてその都度自由に使えるほうがいいのかな、と。
設計の段階でも親身に相談に乗っていただけました。飛騨と東京でのやり取りでしたが、SkypeやFacebookなどを交えたコミュニケーションでスムーズに進みました。フロアのパース図を送ったらデスクの配置イメージがすぐに届きましたし、板を組み合わせたサンプルもすぐに送っていただいて、「ああなるほど、こういう感じなんだ」と実物を見て確認できたのも良かったです。

座席側の縁は直線の案もあったが、あえていびつに。木の個性を一層楽しめるデザイン
デスクの長さについて、我々が無理な相談をしても「これぐらいまでなら強度も問題ないです」と現実的な提案をしていただいて長さを決めました。また、板の反りだけは気になっていたのですが、反り防止の板を入れてくれていたので「ちゃんと考えられているんだな」と安心しました。
まだ社員とは具体的な話があまりできていませんが、「明るくなった」という評判はよく聞きます。
これまでは黒いテーブルで固定席にしていました。編集者が多いので、正面に大きなモニターを置いて、両側に資料が積み上がっているような、いわゆる編集部、という感じです。結構詰めて座っていたこともあり、ちょっと息苦しい雰囲気がありましたね。フリーアドレス化にあたってだいぶ物も減らしましたし、机も白くなって全体的に「明るくなった」ということは感じています。
このデスクを導入した6Fで仕事をするのは、どちらかというと編集部同士や他の部署の人たちとコミュニケーションを取りたいときが多いようです。極端な話、編集の仕事自体はどこでもできるのですが、一緒にアイデア出しをするときや、あえてコミュニケーションを取りたいときにこのデスクがよく使われています。1本の記事を出すサイクルも速いので、あがった記事を編集部内でさっと確認して公開するまでのやり取りが、6Fで同じデスクを囲んでいるとその場でスピーディーに完結するのが良いようです。

ある程度チームのエリアは決まっているが、好きな場所で仕事に取り組める。この日も並びの席でフィードバックしている社員がいた
1Fや6Fにある観葉植物は入居時からあったものですが、「ゆとりある空間を作ろう」という考えから、増床や模様替えのタイミングで植物を増やしていますね。2階も真ん中にどーんと木を植えたり、フリーエリアに植木鉢を置いたりしています。緑は多いほうが良いですね、リラックスする度合いが違います。本当はもっと増やしたいぐらいです(笑)。

4Fのミーティングスペースにも、テーブルやソファの間に植物。まるで公園のよう
何より相談しやすかったですね。遠隔にもかかわらず親身に対応していただいて、レスポンスも早かったです。内容も分かりやすく、細部に至るまで提案いただいたのが良かったです。あとは、木そのものが触っていてすごく気持ち良いですね。質感の違いも楽しめて、飽きの来ないデスクになりました。
(ありがとうございました。)
文:吉澤 瑠美
プロフィール
足代 理 (あじろ・さとし)
株式会社インフォバーングループ本社 経営管理部門 人事総務部マネージャー
2012年インフォバーン入社。WEBディレクター・プロデューサーとしてオウンドメディア立ち上げ・運用や電力使用状況可視化サービスリニューアルなどのクライアントワークを経たのち、2015年よりインフォバーングループ本社に転籍。経営企画室マネージャーを経て2017年より現職に就任。人事制度の改訂や評価制度の運用、労働時間管理システムの入替等を行った後、働き方改革の流れを踏まえてオフィス改革を現場PJチームとともに実施。
株式会社メディアジーン
ビジネスニュースメディア『Business Insider Japan』やテクノロジー製品情報ブログ・メディア『ギズモード・ジャパン』、女性メディア『カフェグローブ』をはじめ、他では得られない有意義な情報が満載された多数のWebメディアを運営。https://www.mediagene.co.jp/
《メディアジーン フリーアドレスデスク 》
設計・制作ディレクション:浅岡秀亮(ヒダクマ)
制作:田中建築、浅岡秀亮(ヒダクマ)
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