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  • 木のトリビア
「フシ」ってどうしてできるの?木目の性質・組織構成に迫る

木の性質

飛騨にも冬がおとずれ、皮膚がカサカサして保湿クリームが手放せない季節となってきました。

そんな状態が続くと、皮膚に覆われているバリア機能が低下し、紫外線やメラサイトによる肌のシミやほくろの増加の要因となったりするのです。

動物の皮膚組織にはさまざまな性質や変化が存在するように、木にも多くの性質が存在します。

人間でいうほくろやシミのような外的要因による変化も、ときにはチャームポイント(?)になりますよね。

今回は、木のチャームポイントを紹介したいと思います。

【節(フシ)】

ワイルドでラスティな印象を与えてくれる、木ならではのキャラクターです。
節は、その場所から枝が延びていた痕跡ということは、意外と知らない方も多いと思います。

木の性質,カバ,テーブル天板

ダイナミックな節があるカバのテーブル天板

生き節と死に節

木は成長するために枝をたくさん生やしますが、その中でも健全に成長する枝は一部だそうです。
健全に成長した枝の跡のことを、「生き節」、途中で枯れてしまったり、切られてしまった枝の跡を「死に節」といいます。
この二つのフシは少し性質が異なります。

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生き節
生き節は、しっかりと成長した枝の跡なので、周囲の組織とつながっており、製材した状態でも基本的にフラットな仕上がりになります。色は少し赤みを帯びています。

死に節
途中で枯れてしまったり、折れてしまったりして枝になりきれなかった枝の後が死に節です。
木の組織としては文字通り死んでおり、周囲の組織とつながっていないため ポロポロと抜け落ちたり柔らかかったりします。色は真っ黒。
これは、実際の強度にも影響するので使用する際は、構造的な部材に使用することは避けた方が無難です。
また、加工中にはじけ飛んだりする危険性も高いのでしっかりと見極める必要があります。

【辺材と心材、夏目と冬目】

一般的に、木材を製材すると白い部分と色の濃い部分に別れます。辺材は、白太(しらた)とも呼ばれ、木の樹皮に近い部分を指します。

辺材と心材、夏目と冬目
▲ 木目の薄い部分は夏目といい、濃い部分は冬に育った部分です。これを数えれば木の樹齢を計測することができます。(木:サクラ)


辺材と心材、夏目と冬目_02
▲ 木は芯にいくほど古く、樹皮に近いほど若い部分です。樹皮に近い部分、つまり若い部分は、大地から水分や栄養分を運ぶ役割をしています。
成長の過程でさまざまな物質が細胞壁に付着することでどんどん色が濃くなってゆくので、心材の方が色が濃いというわけです。

辺材,心材

辺材は心材に比べて柔らかく、水をよく吸います。辺材と心材の濃淡のコントラストは美しいですが、辺材は耐久性が低いのでしっかりと処理を施します。(木:カバ)

ホオノキ,心材,辺材

ホオノキは心材と辺材の差が大きい木のひとつ。うまく使えばとても美しく仕上がります。

【ガムポケット】

サクラ系の材料で多く見られる、黒っぽい模様。サクラがもっている特殊な樹脂が細胞の隙間にたまることでみられます。

ガムポケット,ホエビソ

ガムポケットが特徴的なサクラ系の木材・ホエビソ

「ホエビソ」とは、飛騨の古い言葉で「泣きべそ」のこと。赤い肌に、細長いガムポケットが泣いているように見えることからそう呼ばれているそうです。

【ミネラルストリーク】

多くの木でたまにみられる模様です。木が地中から吸い上げた炭酸塩(ミネラル)が、細胞や導管に蓄積してできます。

ミネラルストリーク,ブナ
▲ ミネラルストリークがある木材はミネラルたっぷりの場所で育った健康的な木なのです。(木:ブナ)

【バークポケット】

キツツキや虫などによって木を傷つけられたときに、木がその傷を修復するために再生した跡です。

バークポケット

人間と同じで、木も傷つくと 補修物質(樹液)を分泌させ、再生します(木:サクラ)

バークポケット

キツツキが木をつついた穴。そこから雨が染み込み、スポルテッドという模様ができあがります。(木:トチ)

【スポルテッド】

キツツキや虫などによって木を傷つけられると、そのバークポケットから繊維に菌が入り込み、筋状に黒く変色します。
ようするに腐っている状態なのですが、この模様がときに美しい表情を見せます。

スポルテッド,ブナ

通常よりもかなり柔らかく、耐久性が低いので使う場合は特殊な処理が必要となります。(写真:ブナ)

このスポルテッド、一部では熱狂的なファンがおり、中にはこの模様を出すために木材をわざと腐らせ、何年も熟成させてから加工する猛者もいるほどです。


 

いかがでしたか。これらは、何も知らないとただの汚れに見えたりするので、残念ながら製品になる過程で弾かれがちな部位ですが、知ると急に可愛く見えたりしませんか?

外的要因によってもたらされる様々な変化は、まさに木が厳しい自然の中を何十年も生き抜いてきた痕跡なのです。
ヒダクマでは、製品をつくる際にこれらの要素をストーリーとして取り入れています。
木の性質や成り立ちを理解し、リスペクトする。
そうすることで、木をより効果的に、より美しく仕上げることができると信じています。

自分の顔にでき始めたほくろも、そのように付加価値がつけられば良いのですが…

飛騨に来て、自分の目や手で木材を探し、一緒にものづくりをしてみませんか。

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